皇族に関する報道規制や言論統制 外国人記者にゴシップを流す日本人記者もいるという事実

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外国人ジャーナリストは、日本の皇室関連報道にどんな印象を持っていたのだろうか(画像は『The Asia-Pacific Journal』のスクリーンショット)
外国人ジャーナリストは、日本の皇室関連報道にどんな印象を持っていたのだろうか(画像は『The Asia-Pacific Journal』のスクリーンショット)

2006年9月に誕生した秋篠宮家の悠仁さま。その直後という同年10月、ある外国人ジャーナリストが『The Asia-Pacific Journal』に興味深い記事を寄せていたことを知った。そこにつづられていたのは…?



その記事のタイトルは、“Still Taboo After All These Years: Japan’s New Imperial Heir and the Media”。1965年に秋篠宮さまが誕生してから、40年にもわたり男児の誕生をみなかった日本で、皇位継承に関する報道が何十年もタブー視されていたことと、メディアの難しい立ち位置についてがつづられている。

執筆したのは、アイルランド出身で『The Independent』や『The Economist』などで活躍していたジャーナリストのデヴィッド・マクニール氏。『外国人記者が伝えた東日本大震災 ― 雨ニモマケズ』の著書を持つ。

そんなマクニール氏は2005年11月、日本でも女性君主を認める動きが見えてきた中、世界展開の有名誌に寄稿を求められた。当時の日本の世論調査では、国民の84%が女性天皇を支持すると答えていたため、男性しか天皇になれない日本について「本当に皇室が必要なのか」と問うような記事を書いたところ、編集長に渋い顔をされたという。

だがマクニール氏は、海外メディアの特派員たちは日本に着て間もなく驚きの事実を知ることになるとして、こんな衝撃的な事実をつづっていた。日本人の記者たちは、意外にもプライベートでは皇室関係の悪口を言っていたというのだ。

“Over the last six months, I’ve heard rumors that Prince Hisahito was conceived with the help of fertility doctors, that his sex was known months before his birth and even that his grandmother (Akishino’s mother) is a well-known entertainer—all of this from Japanese journalists.”

 

「私はここ半年の間に、プリンセス・キコの妊娠は不妊治療によるものだ、性別は誕生の数か月前から知られていた、アキシノの母親はじつは有名な芸能人らしいといった話を聞いたが、すべて日本人記者の口から漏れたものだ。」

日本のマスコミは、確かに皇位継承の話題をかなりデリケートに扱ってきた。そうでなくとも、皇族に関する報道は宮内庁がしっかりと監修し、彼らが発信した情報だけに基づくよう指示され、記者たちは思ったようには書けないストレスを抱えている。これは今も変わっていない。



マクニール氏はそのあたりについて、1つのエピソードを明かしている。

ある夜8時ごろ、マクニール氏は民放の朝のワイドショーに関わっている人物から電話を受けたが、それは紀子さまのご懐妊に関し、イギリスの新聞社から派遣されているジャーナリストとして何かコメントを、ということだった。翌朝の放送にどうしても使いたいらしく、片道90分もかけてインタビュアーと撮影クルーが4名で自宅にやってきたそうだ。

マクニール氏はそこで正直に、「英国人のほとんどは日本の皇室についてあまり関心がない」「イギリスは女性君主。日本も女性天皇でよいのでは」「21世紀にあって、まだ男系の純粋な血統にこだわるのも…」と述べた。



さらには、上皇明仁さまが平成13年の68歳の誕生日会見で、桓武天皇の生母は百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されている、と述べたことを思い出し…。

“Hadn’t the current emperor himself admitted on his 68th birthday that there was Korean blood in the imperial line?”

 

「天皇陛下ご自身が、かつてはそこに韓国の血が入ったこともあった、とお話していませんでしたか?」

そう問いかけた途端に、カメラを切られてしまった。「それはちょっとマズイです」と言うインタビュアー。彼は携帯電話を取り出し、スタジオのディレクターに電話した。

その後、「英国の皆さんも紀子さまの妊娠を喜んでおり、興味深く見守っているという感じで話をしてください」と内容を指示され、マクニール氏はそれに従ったが、結局そのインタビューがオンエアされることはなかったそうだ。

****************

外国人記者にこうした記事を書かれてしまったことは、何とも恥ずかしく情けない話だ。しかも、15年が経ってもなお日本の皇族に関する報道規制や言論統制がなんら変わっていないことを、私たちはもっと驚くべきかもしれない。

ちなみにマクニール氏は今も日本に暮らし、日本外国特派員協会(FCCJ)で報道企画委員会の共同委員長を務めるかたわら、聖心女子大学・英語文化コミュニケーション学科の教授でもある。その立場ではもう難しいだろうが、日本の皇室の報道の在り方に疑問を抱いた後輩たちには、どうか「遠慮なく真実や世論を海外に発信してほしい」と伝えていただきたいものだ。

画像および参考:『The Asia-Pacific Journal』Still Taboo After All These Years: Japan’s New Imperial Heir and the Media

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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