目ん玉ひんむき現象がますます顕著な秋篠宮さま【その2】 万が一、脊髄小脳変性症なら鹿児島大学に名医が

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ベトナム訪問時には、大したことのない場所でヨロけてしまい、周囲を心配させたという秋篠宮さま(画像はネットで拾ったもの)
ベトナム訪問時には、大したことのない場所でヨロけてしまい、周囲を心配させたという秋篠宮さま(画像はネットで拾ったもの)

 

先のベトナム訪問では階段を踏み外しそうになり、周辺の人々をひどく慌てさせた篠宮さま。49歳のときの会見で「以前から階段を踏み外しやすかった」と告白され、10年ほど前から確認されるようになった「目ん玉ひんむき現象」は、ここにきてどうにも悪化しているご様子だ。

眼球運動に問題が生じて複視が起き、階段を踏み外してしまうのか。それは大量飲酒や薬剤の副作用なのか、はたまた脳、神経、筋肉において何らかの病変がゆっくりと進行しているということなのか…。先の【その1】でもさまざまな病気があることをお伝えしていたが、今回の【その2】では、もしも難病の「脊髄小脳変性症」に移行してしまうなら…という、本当に万が一のケースについて調べてみた。

もちろん今回も「こうした症状が出たら、最悪こんな病気も疑われるようだ」程度に読み流して頂ければと思う。



◆ビックリ眼は「バセドー病」か「脊髄小脳変性症」

秋篠宮さまに起きている、おそらく片側性(左側)かつ間欠性(間歇性とも)の「目ん玉ひんむき」現象。左の眉が突然つり上がり、それとともに瞳の長軸が左右で一致しなくなる、垂直方向の斜視という症状が生じている可能性がある。

上の光を差し引いて考えても、瞳の長軸の線が左右で不釣り合いになっている(画像は『YouTube』のスクリーンショット)
上の光を差し引いて考えても、瞳の長軸の線が左右で不釣り合いになっている(画像は『YouTube』のスクリーンショット)

 

さらに、こうなる頻度が高まっているとしたら、いずれは「ビックリ眼」とも呼ばれるダルリンプル徴候(Dalrymple’s sign)に移行するのであろうか。その場合に疑われるのは、バセドー病および難病の「脊髄小脳変性症」だそうだ。

その症状がやってくると、左の眼球がやや下方に落ちてくるようだ(画像は『YouTube』のスクリーンショット)
瞼がこのようになる頻度が以前よりぐんと増えている秋篠宮さま(画像は『YouTube』のスクリーンショット)

 

脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration:略称 SCD)は、遺伝性が3割で非遺伝性(孤発性)が約7割、患者数は日本全国で推定3万人以上という難病である。型がいくつかあり、日本で特に多いのは【マシャド・ジョセフ病(MJD/SCA3)】【SCA6】【歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)】だそうだ。

中年以降、歩行時のふらつきなど小脳性運動失調が生じるが、病型によっては10〜15年かけてゆっくり進行し、余命にそう影響を与えない場合もあるという。

参考:『東京逓信病院』脊髄小脳変性症

 

◆身体の一部が無意識にピクッと動いたりクルクル踊ったり…

たとえば【歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)】は1970年代に日本で発見され、1990年代に日本で遺伝子が同定された優性遺伝性脊髄小脳変性症。発症は1歳未満から70代と幅広い。

小児では運動失調症状の他、てんかん、身体の一部が無意識にピクッと動く「ミオクローヌス」、進行性の知能低下などがみられ、成人では運動失調症状の他に、認知機能低下や性格変化が起こる。

また、無意識にソワソワして身体の一部が急に動いたり、踊っているように落ち着かなくなる「舞踏アテトーゼ」と呼ばれる不随意運動などがみられるという。

参考:『東京逓信病院』脊髄小脳変性症

 

◆脊髄小脳変性症のいろいろな型

【SCA1】は30~40歳代での発症が多く、ふらつきなどの小脳失調、呂律障害に加えて、眼振(眼球の細かい揺れ)や錐体路障害(手足の腱反射亢進など)、パーキンソン症状(動作緩慢、手足のふるえ等)、認知機能障害、末梢神経障害(筋緊張低下、筋力低下、筋萎縮、感覚障害など)などが出現する。

【SCA2】は30~40歳代での発症が多くみられ、多くは歩行時のふらつきなどの小脳失調がみられる。病初期から追視時の眼の動きが遅くなる「緩徐眼球運動」や、末梢神経障害が見られることが特徴だ。

参考:『兵庫県難病相談センター』脊髄小脳変性症



◆震えとビックリ眼が特徴

特に注目してみたいのが、日本人に多い【マシャド・ジョセフ病/SCA3】。顔面の筋肉のピクつきや、ビックリ眼と呼ばれる見開いた目が特徴的だという。

これをさらに細かく分けると、40代以降に発症して筋肉の萎縮や末梢神経の障害がみられるSCA3の3型、パーキンソン病のような震えをきたす非常に稀なSCA3の4型があるそうだ。

参考:『東京逓信病院』脊髄小脳変性症

 

◆眼振と手指のふるえに悩むタイプも

【SCA6】も日本人に多い型で発症の平均年齢は43歳から52歳。ゆっくりと進行する小脳性運動失調、構音障害、および眼振が特徴である。

複視、移動対象の固視の困難、水平性注視誘発眼振、および垂直性眼振に悩まされるようになり、約9割の患者が歩行の不安定感やつまずき、および平衡異常を初期から訴え、いずれ企図時振戦(手指のふるえ)や構音障害を呈するようになるという。

参考:
『GRJ』遺伝子疾患情報リスト ― 脊髄小脳失調症6型
『GRJ』遺伝子疾患情報リスト ― 脊髄小脳変性症3型

 

◆名医が鹿児島大学脳神経内科に

鹿児島大学脳神経内科では、2007年以降、全国各地の医療機関から遺伝性末梢神経障害や脊髄小脳変性症の遺伝子診断の依頼を受けており、これまでに2000例を超える患者の遺伝子解析を継続して実施しておりました。

 

本研究は、新たな原因遺伝子の探索するため、原因未同定の遺伝性末梢神経障害の患者を対象として、次世代ゲノムシークエンサーを用い、ヒト遺伝子のほぼすべてを網羅的に解析するエクソーム解析を東京大学と共同で行いました。

また患者から採取した末梢神経組織にて軸索障害をきたしていること、筋組織にてミトコンドリア異常をきたしていること(図1)、皮膚組織から培養した線維芽細胞を用いて、ミトコンドリア呼吸鎖複合体の酵素活性が非常に低下していることを明らかにしました。

 

さらに、本研究では京都工芸繊維大学昆虫先端研究推進センター 山口政光 教授のもとCOA7をノックダウンしたショウジョウバエの疾患モデルの樹立に世界で初めて成功し、複眼の形態異常や運動機能の低下、寿命の短縮、神経筋接合部のシナプス形態異常が誘導されることを明らかにし、COA7の機能障害による神経変性のメカニズムの一部を解明しました。

 

本研究は、遺伝性末梢神経障害や脊髄小脳変性症を含むさまざまな神経変性疾患に共通する神経変性メカニズムの解明、および今後の治療開発にも大きく貢献しうる成果です。

引用:『鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科』異なる2つの神経難病「遺伝性末梢神経障害と脊髄小脳変性症」を同時に引き起こす新しい原因遺伝子を発見

 

◆つくば市の農研機構もショウジョウバエで脆弱X症候群を研究

上記の「ショウジョウバエの疾患モデルの樹立に世界で初めて成功」という部分は興味深い。

たとえば2002年、茨城県つくば市にある農研機構/遺伝資源研究センターは、ヒトと相同のFMR1遺伝子があるショウジョウバエを用いて、脆弱X症候群疾患モデルの開発に成功したことを大きく伝えていた

2002年、農研機構は「ショウジョウバエの脆弱X症候群疾患モデルの開発に成功」と発表していた(画像は『農研機構』のスクリーンショット)
2002年、農研機構は「ショウジョウバエの脆弱X症候群疾患モデルの開発に成功」と発表していた(画像は『農研機構』のスクリーンショット)

 

FMR1遺伝子の正常な機能が失われることによって発症する脆弱X症候群。精神遅滞、自閉症、睡眠障害等を引き起こす重大な疾病で、精神遅滞を引き起こす遺伝病の中では最も発症頻度が高いが、2002年当時は発病のメカニズム、遺伝子の生理的機能の解明に至っていなかったようだ。

なお、この画像の右上に記されている農業生物資源研究所は、2016年からは農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)に吸収統合されている。

参考:『農研機構』ショウジョウバエの脆弱X症候群疾患モデルの開発に成功!



◆まとめ:自宅には手すりの設置を

脊髄小脳変性症ではほとんどの場合、これらの症状がたいへんゆっくりと進行していくという。しかし、歩き出したり向きを変えたりするときにバランスを崩しがちで、転倒防止のためにも手すりなどを設置、利用することが大事だそうだ。

ちなみに、【マシャド・ジョセフ病(MJD/SCA3)】と【歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)】は、父親から遺伝するとより幼く発症する傾向にあるという。

参考:『難病情報センター』脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)(指定難病18)

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

その他の画像および参考:
『YouTube』日テレNEWS ― 【秋篠宮ご夫妻】「海外日系人大会」に出席 4年ぶり対面開催 17か国約180名が参加

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