【皇室、徒然なるままに】第36話 筑波大学と福田信之と統一教会が創る魔の三角形《その4》筑波大学=統一教会大学?! 西村 泰一

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広大な敷地に美しいキャンパスが展開される筑波大学(画像は『筑波大学』のスクリーンショット)
広大な敷地に美しいキャンパスが展開される筑波大学(画像は『筑波大学』のスクリーンショット)

◆始めに

今、いろいろなところで「筑波大学は統一教会によって設立された大学なのだろうか」と論じられるようになっている。ここでは、それを論証するというより、むしろそのことを如実に象徴しているエピソードをいくつかご紹介してみたい。



◆宗教団体が創った大学

宗教団体が創った大学というのは筑波大学が初めてではない。東京都八王子市にある創価大学は、創価学会の第3代会長・池田大作によって1971年4月2日に設立されている。池田大作は1969年、以下のとおり「創価大学 建学の精神」を提唱している。

∙ 「人間教育の最高学府たれ」
∙ 「新しき大文化建設の揺籃たれ」
∙ 「人類の平和を守るフォートレス(要塞)たれ」

 

また、奈良県天理市を本拠地とする天理大学は1949年開学であるが、天理教の海外布教師育成のための教育機関として1925年に設立された天理外国語学校を母体とする。最初は文学部のみであったが、1950年代には外国語学部、体育学部を付け加え、現在では人間学部、文学部、国際学部、体育学部、医療学部の5学部体制を取る。

眞子さんが生涯の伴侶を見つけた国際基督教大学(英語名のInternational Christian Universityの略称としてのICUで知られる)は、カルヴァンの教えを汲む長老派協会(英:Presbyterian)によって設立された大学である。

米国型リベラル・アーツ・カレッジの形式を踏襲し、「平和」「学術基礎」「専門知識」を統合しながら、日英バイリンガリズムによる世界基準の「全人教育」を行うことを教学方針に、教職員は原則キリスト教徒であることが求められている。

 

◆1974年4月1日

筑波大学が開学したのは、1973年10月1日である。開学したといっても最初の新入生を迎えるのは年度が新しくなってからで、そういう意味では、筑波大学開学に向けて尽力された方々にとって1974年4月1日は格別の意味をもっている。

この日、「世界学生新聞」の1面に『筑波大学開学に寄せて』という記事が大きく掲載された。

「世界学生新聞」とは、新宿区西大久保にある全国大学原理研究会新聞局が学生信者のために、毎月3回(1日、11日、21日)発行している新聞である。統一教会は世界日報という新聞を発行しており、日本会議の方々は愛読しておられるように聞くが、あれの学生版だと思ってもらえればいい。

ちなみにこの世界学生新聞は英語名をThe World Student Timesといい、統一教会は米国ではWashington Timesという新聞を発行している。Washington Timesは有名なWashington PostやNew York TimesやLos Angeles Timesとは全く関係がないので、誤解のないように願いたい。



さて、肝心の『筑波大学開学に寄せて』であるが、三輪知雄学長と大島清副学長にインタビューするという形をとっている。

 

◆三輪先生が語られたこと(抜粋)

三輪学長へのインタビューでは、「まず大学から政治運動をなくする」とのタイトルが振ってあった。

第一に、今、大学というものは今までのままではどうにもならない状態にあるわけです。もう行き詰まっていて、それで色々な大学で、それぞれの改革案を出しているのだけれども、大学という所は非常に保守的な所で、なかなか実行は不可能に近い状態なんですね。ですから、まず本当の意味で大学を改革するのなら、新しい大学を作る以外にはないんだ、ということで始まったわけです。

 

ですから随分今までの大学とは、御承知の通り、違うわけですよ。で、色々の違いは、これまで出された本などに沢山書いてありますが、そういうものにちょっと書いてないのは、一つはとにかく大学改革というものが、きっかけ口火になったのは、大学紛争なんです。

 

大学紛争というものが一体、何なのかというと、それは要するに大学の自治の囲いの中で行われるところの左翼政治運動である。学生を使っての左翼政治運動である、ということなんです。

 

ですからまず第一に、大学紛争をなくさなくてはいけない。つまり大学を本来の役割の場、つまり研究と教育の場にしなくてはならないということ、これがまず第一ですね。

 

今までの大学は実際は、研究、教育の場でありますけれども、兎に角、ああいう風に左翼の学生運動を見逃していたんでは、本当の落ち着いた研究、教育というものはできないわけですよ。

 

ですから、まず、これを元に戻さなくてはならない。ですからそれを、最初の一番大きな目的にしよう。つまり、私が、ほうぼうの新聞、雑誌、週刊誌その他、合うたびごとに言っているんですけれども、今度の大学へは、絶対に、左翼政治運動を持ち込ませない。右でも左でも、政治運動はしない。そして本当の意味での教育と研究に専念できるようにしたい。それが第一ですね。

 

◆大島副学長が語られたこと(抜粋)

次に大島副学長に対するインタビューを見てみよう。タイトルは「いつでも改革できる体制をつくる」とあった。

一つは、学部、学科、講座制というものを廃止していますので、それに代わる制度を作るわけですから、その制度が、新構想として成功するかどうか、というところに問題があるんだと思うわけです。

 

で、それは、もっと具体的に言うと、現在の大学の学部のセクショナリズムを取り払うところに、新しい大学の目処を、差し当たり置いたわけです。そうすると、つまり、教官について言えば、教育と研究というものを分けていくこと。従ってそれに対して、管理・運営という面では、全学的な立場から運営していく。要するに、今までの大学の、各学部を中心にやっていく、ということに対して、大学全体が、一つのまとまったものにしようということなんです。

 

ところが、筑波大学が、従来の大学の欠陥をなくして、新しいものを作って、そして大学の自治というものを、全面一体で作ろうということですから、決して学長、副学長会議というものが全部先決体制をとるという意味ではなくて、具体的に考えると、審議会というものー教育・研究・学生補導・医学関係とか今度作る予定ですがーそういう審議会において、そこには、教官を中心に、それに関連する、研究ならば学系から、教育ならば学群、教育関係に主として携わる人達、そういう人達を中心に審議会を作って、そして、また、それと関連した教員会議というものがあって、結局審議会で、一定の大学の教育に関する方針、研究に関する方針、厚生補導に関する方針、というものを作って立てまして、それが評議会、副学長会議というようなところで、調整されて、そして大学での実施に移るという形をとるわけですから、つまり、全学的な民主主義ですよね。

 

そこで、筑波大学を批判する人達が、勝手に飛び越えてしまって、学長、副学長が先決体制をするんじゃないか、ということになるんです。まるで間違っているんですよね。

 

また、今言ったようなところをうまく作らなければ、事実、筑波大学は失敗するでしょうから、その点は、我々としても十分気をつけてやらなければならないことだと思います。

 

◆これの意味するところは…

『筑波大学開学に寄せて』を読んで、筑波大学と統一教会が一緒になって「やっと統一教会にも大学ができましたね!」と物凄い達成感に浸っていることを理解し、また、感心させられた。

これはこの世界学生新聞に限らず、読売でも朝日でも普通は一面に学術関係の記事を載せない。それだけ統一教会の側が、強烈な高揚感に浸っているということなのだろう。筑波大学が統一教会大学であるからこそ、学長や副学長が世界学生新聞という統一教会系の新聞のインタビューに嬉々として応じたのであろう。

 

話はまだこれだけでは終わらない。この年の春には、東京代々木の青少年センターで新入生向けの「フレッシュ・セミナー」が行われたが、ここに出席した新入生全員に、大学からの配布物としてその『世界学生新聞1974年4月1日号』が配られたのである。

大学側に「筑波大学は統一教会大学です」という強い自負がなければ、とてもなせる業ではないだろう。



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それでは第36話の締めくくりの1曲、『Kotaro Sakamoto/IMAGINE THE FUTURE ~EDM ver.~』をどうぞ!

(理学博士:西村泰一/画像など編集:エトセトラ)

【皇室、徒然なるままに】のバックナンバーはこちらから。
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【西村先生のご経歴】
1966年4月ー1972年3月  洛星中高等学校
1972年4月ー1976年3月  京都大学理学部
1976年4月ー1979年10月 京都大学大学院数理解析専攻
1979年11月ー1986年3月 京都大学附置数理解析研究所
1986年4月ー2019年3月  筑波大学(数学)

画像および参考:
『5ch/ニュース速報』落合陽一先生の母校である筑波大学、統一教会大学だった [126042664]

『皇室新聞』筑波大学が、統一教会が作った大学だった!もはや、秋篠宮家と統一教会のズブズブの関係性、もはや言い逃れ不能の事態に

『国立国会図書館サーチ』世界学生新聞

『筑波大学』キャンパスツアー

『YouTube』 Kotaro Sakamoto ― IMAGINE THE FUTURE ~EDM ver.~