皇位継承策の議論「女性天皇容認」は1日も早く、そして「女系天皇の是非」は次世代が決めればよいのでは?

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岸田首相が、皇室典範改正に絡めた皇位継承策の議論に、ついに乗り出すという。

眞子さんとの結婚で怖いものなしということか、大胆不敵な印象が否定できない小室圭さん(画像はネットで拾ったもの)
眞子さんとの結婚で怖いものなし。大胆不敵な印象が否定できない小室圭さん(画像はネットで拾ったもの)

 

「皇統に属する男系の男子である皇族が皇位を継承する」とある現在の皇室典範は、1947年(昭和22年)に定められた。その頃の政治家は明治か大正のお生まれで、母親は早ければ10代で結婚し、兄弟姉妹が5人もいるような時代だった。今はそこが違う。

喫緊の課題でありながら、ずいぶん逃げ腰だと批判されていた岸田首相だけに、動き出すのは喜ばしいこと。なおかつ、多くの国民の望む形で決着がつくなら何よりだ。



◆女性天皇には賛成でも「女系天皇」が…!?

2021年に「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」の報告書を岸田首相に提出した先の有識者会議において、少なくともヒアリングに協力した21名は過半数が女性天皇容認派だった。「女性天皇を検討するべき時にきている」「帝王学を間近から学ばれた直系長子が継いだほうが」「世論は女性天皇容認に向かっている」といった論調だったと思う。

※ この先は、画像をクリックするとその記事へ

ところが、そんな方々でも女系天皇(母親からのみ天皇家の血を継ぐ)の是非となると、多弁に語る感じがない。慎重になってしまうのは「父親からしか譲られない、Y染色体でつなぐ万世一系の神秘を大切に」という考え方の人々を否定したくないからのようにも感じられた。

また、ヒアリング協力者のなかには「悠仁さまがいらっしゃるのに、そこで女性天皇、女系天皇を検討するのも失礼な話だ」といった考えを示す方もあった。

 

◆「女系天皇の否定」はイギリス王室を否定すること

現在ヨーロッパの王室も取り入れるようになった「直系長子が継承する」という考え。そこでは、もちろん「女系国王」も誕生する。

これを否定してしまうと、せっかく友好な関係を続けてきたイギリス王室をも否定することになるという事実を、もっと考えるべき。5月の戴冠式を経て、イギリスでは「女系」のチャールズ国王が誕生したのだ。



◆敬宮さまのご聡明さこそが救い

この件を伝える記事は複数あったが、高森 明勅氏(神道学者、皇室研究者)による『PRESIDENT Online』の記事には大変嬉しい一文があった。

両陛下に敬宮殿下というお優しくご聡明なお子様がおられても、ただ「女性だから」というだけの理由で皇位継承資格が認められず、ご結婚後も皇室にとどまられるという選択肢があらかじめ排除されている。現代の普通の価値観に照らして、明らかに不合理なルールではあるまいか。

 

敬宮さまについては、英語圏でも「とにかくプリンセス・アイコは素晴らしい」と称賛される記事がいくつも発信されている。その殆どに「彼女のお母さんはとても優秀で、ハーバード大学を卒業された外交官だった」と添えられていることも、日本人として心から誇らしくなる。

 

残念ながら、佳作を受賞した『小笠原諸島を訪ねて』という作文に剽窃行為があったことが原因か、英語圏で発信された記事に、秋篠宮家を褒めたたえるものはまず見当たらない。

 

◆2019年のアンケート結果でこの数字

『PRESIDENT Online』の記事では、『週刊朝日』が2019年に国会議員を対象に行った「女性天皇」をめぐるアンケートの結果を紹介している。

■愛子さまが天皇に即位できるように皇室典範を改正するべきか。
するべき→28%
するべきではない→8%
無回答・回答拒否→65%

 

■女系天皇を認めることに賛成ですか、反対ですか。
賛成→29%
反対→13%
無回答・回答拒否→58%

なお、悠仁さまの不思議な方法での筑波大附属高校ご進学、佳作作文の剽窃行為発覚、60億円に及んだ秋篠宮邸改修・増築工事、佳子さま10億円豪邸占拠など、国民を苛立たせる話題が次々と発覚したのは、このアンケートの後である。

 

NHKが2019年9月下旬に行ったアンケートの結果でも、このような数字が得られている。

 

今ここで、週刊朝日やNHKが再び同じ内容でアンケートを実施したら…!? かつては「わからない」「答えたくない」としていた国会議員や国民も、気持ちがすでに決まったのではないだろうか。

◆筆者の理想は「直系長子と国民投票をセットで」

筆者の考える理想の形は、「直系長子が継ぐ」と「国民投票」をセットにすることである。たとえ支持率の非常に高い敬宮さまであっても、立太子においては日本国憲法第一条が定める「国民の総意に基づく」を尊重し、国民投票を実施。それにより、誰も反論できない公正な状況を作り出すのだ。

もしも皇室典範に直系長子が継ぐとだけ定めると、「語学力、社交性、冷静さなど、資質でいえば第二子のほうが断然優れている」と判断された場合に困る。また、第一子が体が弱く、下に弟や妹がいなければ、甥や姪に候補を移すという判断がなされることもあるだろう。

だからこそ、一部の人間だけで特例法を議論するよりも、公正な「国民投票」をセットにすることが必要。天皇が「この皇族の立太子を希望する」と表明し、そこに国民の総意を添えることで平和的に立太子が叶うように思う。

とはいえ、筆者は本当はこのあたりも「数十年も先のことになる『女系天皇を容認するか否か』の議論は、無理をせず、次世代の人々にお任せすればよいのに」と思っている。私たちには、まだ生まれてもいないひ孫の大学進学や結婚相手を決める権利はない。それと同じことのように思うのだ。



◆まとめ:Y染色体は弱小化の一途

ところで、Y染色体にこだわることは、科学的にみてもどれほどの意味があるのだろう。インターネットの検索で「Y染色体」と入力すると、候補のトップは「y染色体 ハプログループ」、続いては「Y染色体 消滅」と出る。

ヒトをはじめとする哺乳類のY染色体は、最初はX染色体と同じサイズで同じ遺伝子を持っていた。ところが進化の初期に退化が起こり、現代ではX染色体よりもはるかにサイズが小さく、脆くなってしまったそうだ。

Y染色体を持つ悠仁さまのご誕生で慢心し、あれこれとやらかすようになった秋篠宮家の人々。それを許さないと騒ぎ出した国民。こうした状況が国際社会にとことん知れ渡ってしまう前に、政府は1日も早く国民の総意に基づいた皇位継承というものを議論したほうがよいと思う。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

画像および参考:
『PRESIDENT Online』「女系天皇以外の方法で検討」と岸田首相…皇位継承策の議論に残された現実的な2つの選択肢

『朝日新聞DIGITAL』女性天皇に賛否割れる自民 候補者が描く天皇制のあり方

『NHK』平成から令和へ ― 皇室に関する意識調査