「男系男子」にこだわれば日本は浮く! 海外の王室では愛子さま世代の王女が次々と女王に

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オランダ王室の次期国王は長女。ここまで親しくなっていたのに、なぜ愛子さまではダメなのか(画像は『現代ビジネス』のスクリーンショット)
オランダ王室の次期国王は長女。日本の愛子さまではなぜダメなのか、不思議に感じることだろう(画像は『現代ビジネス』のスクリーンショット)

日本の皇位継承順位を決めるうえで、なぜか基本だという男系男子へのこだわり。だが海外に数ある王室では、この先続々と女王が誕生する。男系男子へのこだわりは、男尊女卑を感じさせる非常にナンセンスな発想と言わざるを得なくなってきているのだ。今回はそのあたりを詳しく追ってみた。



「国の異なる5人の王女たちが、ほぼ同じ頃に次々と女王に即位する」と話題になっているヨーロッパ。こうした現象が可能になったのは、20世紀後半に日本の皇室典範に相当する法律が続々と改正されたからだ。

政治家をみてもわかるが、欧州では古くから女性君主がとても慕われてきた。「酒の席や色気でだまされない」「子供の未来を考えて物事を決める」として、国民からの信頼はとても大きいのだ。

 

■女王を元首とする国が急増

こちらは、Wikipediaを基に海外の27の王室に関する情報を、50音順に表にまとめてみたものだ。カナダ、イギリス、オーストラリアは同じエリザベス2世を元首とし、ノルウェーとデンマークは同じ王室。またウガンダでは地方の領主を王と呼ぶため、王室の数の捉え方には諸説あるが、そこはどうか無視していただきたい。

海外の王族ではこの先続々と女王が誕生する予定 その1
海外の王族ではこの先続々と女王が誕生する予定 その1

オランダのウィレム=アレクサンダー国王とマクシマ・ソレギエタ妃の間には、娘が3人いる。王位継承順位の第1位は、長女であるカタリナ=アマリア・ファン・オラニエ=ナッサウ王女(18)だ。

この王女は、大学在学中かつコロナ禍で何ら活動ができていないことを理由に、18歳から受け取れる年間160万ユーロ(約2億2,000万円の王族手当てを放棄した。「それよりお金をコロナ対策に使ってください」と述べ、国民を感動させたという。

 

海外の王族ではこの先続々と女王が誕生する予定 その2
海外の王族ではこの先続々と女王が誕生する予定 その2

スウェーデンでは1980年から長子相続制をとっており、男女にかかわらず国王にとっての最初の子が国王になる。次期国王はヴィクトリア王太子で女性。さらに継承順位第2位となるその長子は現在10歳のエステル王女だ。

スペインのフェリペ6世には2人の娘がおり、王位継承順位の第1位は長子であるレオノール王女(16)。さらにノルウェーの次期国王は男性のホーコン王太子の予定だが、継承順位第2位はその長子となる娘のイングリッド・アレクサンドラ王女(18)だ。

 

海外の王族ではこの先続々と女王が誕生する予定 その3
海外の王族ではこの先続々と女王が誕生する予定 その3

ベルギーのフィリップ国王には4人の子がおり、上から順に女・男・男・女。男子が2人いるにもかかわらず、王位継承順位の第1位は長子と決まったため、ブラバント女公エリザベート王女(20)が次の国王になる予定だ。

 

■継承順位の選び方もさまざま

世襲か会議か選挙か、はたまた男子と長子のどちらにこだわるのか。それに、もしも嫡出子以外の子供がいたら…? 海外の王室では王位継承者について、さまざまな選び方があるようだ。

そして、世襲による王位継承を好まない国も複数ある。カンボジアでは王位評議会が開かれ、王族のなかからふさわしい次期国王が選出される。サモアでは5年任期で議会が国家元首を4大首長家のなかから指名。マレーシアも任期5年で、こちらは州の君主の間で互選が行われる選挙王政だそうだ。

アラブ首長国連邦は大統領制とはいうものの、実際にはアブダビ首長を務めるナヒヤーン家の世襲が慣例化している。なお、トンガのトゥポウ6世には非嫡出子の娘がいるが、憲法によりこの子に王位継承権は認められないという。

さらにオマーンでは、2020年1月に前・カーブース国王が崩御したが子供がおらず、王族評議会でも継承者について意見が割れ、結局はカーブース国王の遺言書が優先された。そこには「次期国王はいとこのハイサム・ビン・ターリク・アール=サイードを」と書かれていたという。

 

■世襲のつもりが権利を失うことも

興味深いのがスウェーデンだ。王位継承法が1980年に改正され、「男子優先」から「長子優先」へと変更されたことを受け、王位継承順位の第1位は長子である姉のヴィクトリア王女へと移ってしまった。
それまで第1位だったカール・フィリップ王子(第2子で長男)は第4位へと転落。継承順位の第2位は、ヴィクトリア王女の長子であるエステル王女(10)で、弟のオスカル王子(6)が同第3位だという。

なお、継承権を失う最も多い事由は、国王や議会の承認が得られない結婚や宗教関係だというが、なかには事件を起こし失脚する例も。有名なのは、エリザベス女王(96)の次男で、2001年にアメリカで当時17歳の女性に性的暴行を働いた罪に問われたアンドリュー王子だ。

あらゆる名誉職を辞退し、被害者に多額の慰謝料を支払って昨年には和解に至ったが、今年になって王子は英国軍の名誉職をも返上した。敬称であるHis Royal Highness(殿下)も、2度と使えなくなったという。



 

■王室関連の資産公開を迫られた例も

スペインでは今年の春、野党が議会で王族の資産、王室関連の会計の透明性、説明責任を強く求めた。これを受け、2014年に即位した国王フェリペ6世の個人資産について、約260万ユーロ(約3億6千万円)の預金などがあることが発表された。このうち預金は9割。残りは美術工芸品、骨董品、宝飾品などだという。

2014年まで国王だった父親のフアン・カルロス1世は、恋愛スキャンダルや不正金銭授受の嫌疑が原因で、国民の突き上げにあい失脚。それだけに、新王室を任された息子のフェリペ6世は王室の信頼を挽回しようと必死だ。努力の甲斐あって、最近では国民からの支持率が6割に回復したと伝えられている。

 

■そんななか、日本では…

KK問題のなかでも、国民を敵に回す形で暴走婚を遂げた長女。そして長男の作文剽窃問題、名古屋下着販売会立ち寄り疑惑、仲良しジャーナリストに書いてもらった奇妙な釈明本などを経て、国民におけるA宮家の支持率はかなり低迷している。

先週、宮内庁に刃物と皇室批判の文書を送りつけた男が逮捕されたというニュースが話題になった。文書はAの宮家を批判する内容だったのではないかと考える人が圧倒的に多いが、そんな不穏な状況でも無理やりAの宮家に皇統を移すつもりだろうか。有識者ではなく、皇族会議を開いて、その点を何時間でも、何日間でも議論してほしいものだ。

 

■まとめ

今後に次々と女王が誕生する予定のヨーロッパの王室にとって、「皇位継承順位は男系男子にこだわる」という今の日本の方針は、理解しがたいものだろう。「プリンセス・アイコはすばらしいエンプレスになる」と期待している王族も少なくないように思う。

彼らが「男子」ではなく「長子」を優先させる理由は、単純に国王陛下のそばにいる時間が長く、帝王学を間近で学んできたという点を評価すべきと考えているからだという。

上記のような理由から、筆者は愛子内親王が皇太子になられることを願ってやまない。そして、信頼できる家柄の息子さんと良き縁で結ばれることが、長きにわたり健全で安泰な皇室を維持できる、たった1つの道だと感じている。

画像および参考:
『現代ビジネス』愛子さまと同年代!世界で活躍する麗しき「プリンセス」たちをご存知ですか?

『朝日新聞DIGITAL』刃物と皇室批判の文書、宮内庁に送りつけた疑い 皇宮警察が男を逮捕

『Wikipedia』王室

『Wikipedia』王位継承

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)