科学・工学系の学術論文に詳しい研究者さまより重要な解説が 専門分野の学者と共著の場合、本文は誰が…?
21日にお伝えした『怒れ受験生! 東大推薦型選抜「論文は専門分野の学者が共著でOK」はR7年度だけの極秘ルールだった可能性大』という記事に続き、昨晩には『「論文の取り扱いに変更なし」東大入試事務室キッパリと 国民感情より皇室への忖度を選んだか』という記事を書いた。
東大は説明のなかで「グループ」での研究・共著という表現をサラッと使うようになったが、推薦志願の材料として認めるなら、グループの構成や、本文執筆の担当者か否かも評価の際の重要なポイントになるだろう。
そんななか、このたび後者の記事に専門家の方(匿名)がコメントを寄せてくださった。
今回の秋篠宮家の長男・悠仁さまのケースと一般的な推薦志願者とを比べ、問題があるとしたらどういった点なのか。改めて皆さんで一緒に考えていきたいと感じ、勝手ながら記事として取り上げさせていただくことにした。
以下が、頂戴したコメント(原文ママ)である。
論文(科学・工学系)の共著についてコメントさせてください。私も科学研究業界の一角で仕事しており、先週も、私が助言と執筆を手伝った同僚の論文が学術誌に受理されたばかりです。
日本語でいう論文には、paperとthesisが含まれ、thesisは学士、修士、博士の取得のために執筆して学位を審査する大学・大学院に提出する論文です。paperは、学術誌に掲載されるものを指します。おそらく、東大の言うところの論文は、paperおよび科学コンクール等の応募作品の写しを想定していると思います。
科学コンクールの作品は、しばしば単著もあり得ます。しかし、科学・工学系のpaperについては、単著はほとんどありません。ましてや、プロの研究者の執筆したpaperと同じ並びで高校生の単著のpaperが学術誌に掲載されるのは、万に一つもない、といった可能性です。”High school students section”みたいな節を設けている学術誌があれば別ですけれども。
私の印象では、私の専門分野の学術誌のpaperで、みかける単著は数百報に1報以下。また、悠仁様の分野に近い、クオリティの高い学術誌の例として、Journal of Applied Ecologyの最新号『Journal of Applied Ecology:Volume 61, Issue 7』でも単著のresearch articleはみかけません。単著が少ない理由は、端的に言えば、学術誌の審査を通過して掲載されるに足る研究のクオリティおよびpaperという文書としてのクオリティを持つpaperを作成するには、ほとんどの場合、院生やプロの研究者からなる複数人の手によるチーム研究が必要であるということです。
ましてや、高校生がpaperを書く場合、どこかの大学、研究所、博物館といったプロの研究者のいる研究機関との共同研究を行い、研究者に本文を書いてもらう必要があり、その結果出てくるpaperは、受け入れ先研究機関の研究者との共著しかあり得ないという仕組みがあります。
以上の事情より、東大が提出書類として共著論文を除外していないと思います。ですから、「共著も可」ということに関して忖度はないと私は思います。
しかし、主様も指摘されているように、研究機関と共同研究できる機会に恵まれた高校生がどれだけいるか?ということは、受験生に対する機会均等の観点では大問題です。
また、大学院生ですらpaperを1報書くのに3年、あるいはそれ以上掛かってしまうことがしばしばなのに、夏休みのインターン制度みたいな機会で数週間研究機関に通って行った研究だけでpaperを書くなんてことは、極めて稀な幸運に恵まれない限り無理だと思います。
以上、参考になれば幸いです。
◆まとめ
確かに今どきの学術論文は3名ほどの共著が多く、国立科学博物館は論文を受理する条件として、同館に所属する研究者最低1名との共著であることを条件づけている。
一方、一般的な高校生が共著で論文を発表する「グループ」とは、何年も一緒に調査にあたってきた部活動の仲間や指導にあたった顧問の先生あたりまでを指すのだろう。極めて恵まれた人脈というべき悠仁さまのケースを、フェアな受験と受け止めることはやはり難しい気がする。
また、「研究者に本文を書いてもらう必要があり…」というご説明にも驚いてしまった。
ということは、研究者の皆さんはあの論文の本文を「科博のトンボ研究者である清拓哉氏が書いた」と思っておられる可能性が高いのだろう。
ところがあの論文は学名(英語)を何か所もミスし、雄雌や植物を誤認。撮影の日付もキャプションと本文が一致せず、画像でも違うヤゴ殻を組み合わせた標本にしか見えないトンボが登場する。早い話が、昆虫大好き小学生が「なんだコレ」と感じるようなミスが目立つのだ。
悠仁さまの『赤坂御用地のトンボ相』論文は、もしや清氏の顔に思い切り泥を塗ったことになるのではないだろうか。
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
画像および参考:
・『東京大学』学校推薦型選抜 学生募集要項と出願に必要な提出書類様式
・『エトセトラ・ジャパン』「論文の取り扱いに変更なし」東大入試事務室キッパリと 国民感情より皇室への忖度を選んだか
・『エトセトラ・ジャパン』気になる国際昆虫学会議ICE2024「本人のプレゼンなしでも実績に?」と問われ、東大入試事務室の回答は…?
・『エトセトラ・ジャパン』悠仁さま国際昆虫学会議での英語の質疑応答がマストか 東大が「一般論として欠席なら活動実績とは認められない」と
・『エトセトラ・ジャパン』学校推薦型選抜の提出論文について、なんと「専門家との共著でもOK」と
・『エトセトラ・ジャパン』怒れ受験生! 東大推薦型選抜「論文は専門分野の学者が共著でOK」はR7年度だけの極秘ルールだった可能性大
・『エトセトラ・ジャパン』悠仁さまトンボ論文の学名に複数のミス 指摘に「実力は国内トップクラス ケチをつけられるいわれはない」とは!
匿名さんのコメントが遅れて掲載されたので不思議な想いで読みました。漸く研究サイドの詳細な説明にエトセトラジャパンさんも頼もしく感じられたのでしょうね。恐らく憤りを感じての投稿と思われますが、立場上、些かの勇気が必要だったのかも知れません。エリザベス=ビク博士の怒りが輻輳します。故人庭園課課長さんの恨みも。
貼り付けのサイトを見ましたら全部英語!! 当たり前か。確かに共著。英語はサッパリ解らないので専門用語の羅列で朦朧としてしまいます。凄いな。気迫を感じます。皆様の投稿でも窺える、優れた才能の持ち主が切磋琢磨して論文提出に及ぶのですね。
さて、振り返って、ヒサ君、どーなの? とーちゃん始め、かーちゃんもねーちゃんも英語は話せないね。とーだい入学して何するの? 秋篠廃宮の行程でも国民は不幸だよ。天皇にはなれない。安西家の血筋だから。
嵐山通船関連裁判の不可解、久保田京氏のトーンダウンなど、言論弾圧が強まり危機感は増幅しているんだもん。芸人タモリ氏の「戦前の始まり」が冗談で済むと良いな。
追記ですが、問題の解決になるかどうかの参考意見です。出願に関しては、共著論文も致し方なしと思います。問題は、選考基準の方です。選考基準(配点)を公開するのがよいと思います。そして、例えば、共著の場合、配点を共著人数で割るなどすれば、幾らか公平感は保たれると思います。一般入試の場合、配点が公開されているので、推薦入試も同様にすればよいと思うのですが。
トンボ論文は皇室が何年もかけ、しかも高額な国費(人件費含め)も使い専門研究機関である科博と共同研究を行った成果物そのものである。その成果物の一般評価が昆虫大好き小学生が「なんだコレ」と感じるようなミス(学名記載ミス、雄雌・植物名誤認、標本使用疑惑、他多数)が目立つような論文で済まされるのだろうか?学会発表とは切り離し、皇室及び共同研究者は共同記者会見を開きそのような結果になった理由を是非詳細に説明し国民を納得させる義務がある。
開かれた皇室であるからには国民への隠し事一切無しの皇室としての義務でないか
私のコメントを取り上げて頂き、ありがとうございます。
一つだけ枝葉の情報を追加させて頂くと、論文の共著者の数は本当にピンからキリです。私は、一度だけ、単著の解説記事を出したことがあります。昨年は、私+1名の共著論文を出しました。私の専門分野の論文では、著者の数は数名~10名程度が多いです。大規模研究(例えば、NASA火星探査機のデータの報告とか、CERNの素粒子実験など)だと著者名リストが1ページでも全然足りないという場合もあります。CERN LHCの論文をちらっと見てきたら、共著者が1000名以上の論文が沢山ありました。
https://lpcc.web.cern.ch/lhc-data-publications
ただし、上記のurlの論文の多くは、審査前のいわゆるプレプリントのようです。とりあえず、参考まで。
論文のプロセスには詳しくない、一介のエンジニアとしてのコメントになります。私の視点は、当該の共著論文から、ご本人の真の実力を読み取れるのかどうかが全てだと思っています。入学判断においては、本人の実力や熱意を把握できる判断材料でなければ全く意味がありません。少し別の例を挙げますが、確か小学生の中頃に信号機の模型をご製作されていたと思います。写真で私も拝見させていただきました。ご年齢にしては、完成度が高過ぎるというのが正直な印象です。果たして、あの作品でもって、類稀なる工作能力をお持ちである、と判断することはできるのでしょうか?「できる」ということであれば、この度もきっと可能なのでしょう。