【皇室、徒然なるままに】第76話:後につづく者たちへのシュプレヒコール 裁判 Part IV 西村 泰一

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【弁護士哀歌】

弁護士の数は増え続けています。

参考:https://www.agaroot.jp/shiho/column/number-lawyers/

その大きな要因は、2001年頃の司法制度改革にあります。この改革により、旧司法試験から新司法試験に変わり、司法試験の合格者数も著しく増加することになりました。こちらが司法試験合格者数の推移です。

参考:https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2021/1-3-2.pdf

弁護士が増えても、弁護士にお願いする仕事が増えているわけではありませんから、そこでは経済学で言うところの「需要供給の法則」が発動することになります。弁護士がエリートであったのは昔の話です。



 

【裁判についてのいくつかの注意】

・訴状には被告がどんなに悪い野郎かということが色々書いてありますが、あれは歌の枕詞みたいなものなので、あまり気になさらなくてもいいと思います。私も訴状を初めて頂いた折には、世の中にこんな悪いやつがいるのかと驚き、それが私のことだと知って、更に驚きました。

 

・民事裁判というのは、要するにお金の請求なんですね。名誉毀損の裁判なんて、最終的に裁判所が認める賠償金なんて大した額ではありませんから、あまり気になさらなくてもいいと思います。大学生が1,2ヶ月アルバイトをして稼げる金額です。ただし訴状にはかなり大きめの請求額が書かれています。びっくりなさらないように。訴状に大きめの金額を書くというのには、簡易裁判所を避けたいという理由もあります。請求額が60万円以下の訴訟は「少額訴訟」といって簡易裁判所が取り扱うことになっています。でも、みんな簡易裁判所は避けたいので、これより大きい金額を請求額とします。なぜ簡易裁判所を避けたがるのかをこれから説明します。裁判官というのは司法試験を通らないとなれないと思っている方も多いかと思いますが、簡易裁判所の裁判官はそうではありません。簡易裁判所の裁判官の多くは裁判所書記官から内部試験で登用されており、手続きとしては推薦委員会から推薦を受け、筆記試験等の法律試験や人物試験を経て選考されているんです。要するに「門前の小僧、経を詠む」の論理なんです。私の本職の数学で言えば、大学の数学の事務を何年かやったから、数学者にしましょう、という論理なんですね。ですから、簡易裁判所が往々にとんでもない判決を出すというのは、有名な話です。そういうわけで、法曹界のそうした事情に通じている方は、当然簡易裁判所を避けるわけです。

 

・弁護士ですが、つけなくてもよいかもしれません。刑事だと弁護士は必須ですが(お金がなければ、国選弁護人をつけてもらえます)、民事は被告の判断に委ねられます。これからなぜそうなのかを説明します。まずお金がかかります。確実に言えることは、あなたがネット上のどなたかに名誉毀損をしたと裁判所に認められたとして、実際にその方に支払わなくてはならない金額を、弁護士費用は大きく上回っています。それからこの裁判に要する法的知識なんてインターネットで簡単に集められますから、わざわざ弁護士さんのお世話になることはありません。また被告が弁護士をつけていない場合、裁判官やその他の裁判所の方々も、あなたに対してかなり優しく対応してくださると思います(これは北川弁護士がYouTubeで解説なさっていました)。

 

法廷には書記官がいますが、この書記官は、国会での書紀の方のように一言一句を記録なさっているわけではありません。ですからあなたの言い分は必ず準備書面で詳述なさるようにお願いします。文書で出されたものは、裁判官は判決を書くにあたって参照することができますが、口頭でなされたものはどれだけ裁判官の記憶に残っているか、心許ない限りです。テレビドラマなんかですと、裁判というと、有能な弁護士が弁舌巧みに裁判の帰結を決定するなんていう場面が頭に浮かぶかもしれませんが、あれはあくまでドラマです。必ず文書で、論理展開を明快に、自分の主張を述べてください。

参考:https://www.courts.go.jp/osaka//vc-files/osaka/2021nendo/minji_syosiki/min_syosiki_02.pdf

 

・もう一度私の裁判を振り返ってみましょう。私が起こしたのは物損事故です。当然損害賠償はしないといけません。それで裁判となって相手側からは請求額とその内訳といいますか然るべき業者によって作成された見積もりが提示されるわけです。「なんか高すぎない?」なんて話が裁判で通用するわけもありません。このあたり悠仁君の蜻蛉論文の話と似ています。とにかく彼の論文は体裁は見事なものですし、国立科学博物館という権威のある組織から出版されている学術誌に掲載されています。そこで朝比奈さんたちの、そこに掲載されている写真がいかに如何わしいものかを暴く大変な作業が始まるんです。私の裁判で、私がやったのもこれと同じことです。然るべき業者が作成したことになっている見積もりの欺瞞性を暴くために大変な努力を強いられました。前にも言ったように、私が損害を与えた多くのものは園芸関係のものです。私は園芸関係については全くの素人でした。ですからその見積もりにあがっている物品の名称が一体何を指しているのかすらわからなかったのです。花の名前なんてチューリップとバラぐらいしか知りませんでした。したがって、見積もりの欺瞞性を暴くどころか、まず園芸関係について勉強するところからしなければならなかったのです。それじゃ、弁護士をつけておれば、そういうことは弁護士の先生がやってくれたとお思いですか?とんでもありません。何もしてくれなかったでしょう。そして私は原告が最初に提示した請求額を支払わせられたと思います。弁護士をつけたとしても、学者貧乏の私がつける弁護士は格安の弁護士です。そういう弁護士は薄利多売でとにかく忙しいんです。いくつもの案件を同時に抱え込んでいます。私の案件にとても私がしたのと同じ時間と労力を割くなんて芸当ができるわけもありません。勿論そこまでやる弁護士もいます。それはとても有能な弁護士で、売れっ子で、当然それに見合った弁護士費用の支払いを求めてきます。Goglo 13みたいなものです。たとえば「無罪請負人」と巷間囃される弘中惇一郎弁護士なんかがそうです。例の村木厚子さんを冤罪事件から救いだした方です。

参考:https://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/visualisation/falseaccusation/case1.html



 

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■第72話:裁判 Part I『もしも訴えられたら』はこちらから!

■第73話:裁判 Part Ⅱ『上級審への旅立ち』はこちらから!

■第74話:裁判 Part Ⅲ『弁護士もいろいろ… 費用負担その他』はこちらから!

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それでは第76話の締めくくりの1曲、AniRap AniRapさんの『Higuruma Hiromi (Jujutsu Kaisen) | Tribunal 』をどうぞ!

(理学博士:西村泰一)

【皇室、徒然なるままに】のバックナンバーはこちらから。

【西村先生のご経歴】
1966年4月ー1972年3月  洛星中高等学校
1972年4月ー1976年3月  京都大学理学部
1976年4月ー1979年10月 京都大学大学院数理解析専攻
1979年11月ー1986年3月 京都大学附置数理解析研究所
1986年4月ー2019年3月  筑波大学(数学)

画像および参考:
『YouTube』Higuruma Hiromi (Jujutsu Kaisen) | Tribunal | AniRap AniRap

『裁判所』準備書面の書き方



4件のコメント

  • 弁護士さんというご職業に関しまして、当初の記事に問題のある表現がございました。

    不快に感じられた方が複数いらっしゃったことを西村 泰一先生にご説明し、ご了承をいただいたうえで、該当部分を削除させていただきましたことを、ここにご報告申し上げます。

    このたびの件でご迷惑をおかけしましたすべての方に、心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

    朝比奈ゆかり

  • この物損事故について。
    任意保険にはいっておられなかったのでしょうか?
    (相手側との交渉も保険屋さんがやってくれると思ってました。保険屋さんが間に入っていたら相手はそもそも足元みて法外な値段をふっかける真似はできなかったかも??)

  • 「めい」さま、および「弁護士の~~」さまへ

    いつもエトセトラジャパン・ブログを応援していただき、誠にありがとうございます。

    にもかかわらず、このたびの【皇室、徒然なるままに】第76話:裁判 Part IVの一部の表現が、大変不快な思いをさせてしまいましたことに、心を痛めております。

    「弁護士の~~」さまは、最後に「ネットには載せないで下さい」とございましたので文章の公開はいたしておりませんが、西村先生にはいただきました内容を必ずお伝えいたします。

    このたびの件、誠に申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。

    (朝比奈ゆかり/エトセトラ)

  • なにか弁護士に恨みがあるのですか。あまりに失礼ですね。

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