10以上の(名誉)博士号を持つ研究者のはずが… 異常気象のご感想が悲しいほど庶民レベルな秋篠宮さま

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令和元年のお誕生日会見に臨まれた秋篠宮さま(画像は『宮内庁』HPのスクリーンショット)
令和元年のお誕生日会見に臨まれた秋篠宮さま(画像は『宮内庁』HPのスクリーンショット)

 

先にこちらで、『秋篠宮さまのお誕生日会見に見る妻・紀子さまへの冷淡さ』なる記事を執筆した。秋篠宮さまは兄の今上陛下に比べ、ご家族や周囲の人々への思いやり、優しさなどを言葉にすることが苦手なタイプなのだろうか。そこで今回は、あえて秋篠宮さまの方がお得意であろう自然科学の分野におけるご発言に注目してみた。軍配は今度こそ…?



◆ご自身の研究や環境問題に関して今上陛下は…

(2000年・40歳のお誕生日会見で)
地球環境についても温暖化が進んで,これからの地球をどうしていったらいいかということを,今真剣に考える時期にきていると思います。また,一度失われた自然というのは,元に戻すのが非常に大変ですし,また,滅びてしまった希少動物は,これを復活させることは不可能に近いことであると思います。

 

「人間も動物も植物もそれをつなぐ鎖で結ばれている。」という表現をあるところで読んだのですけれども,地球上の生き物が共に合い携えながら生きていく道を探ることは,今後の人類の未来を考える上でも非常に大切なことだと思います。

 

ところで私の誕生日は2月23日ですけれども,今この2月23日を「フジサン(富士山)の日」として,そして,美しい富士山を再生させるという運動が起こってきているというふうに聞いております。先日も静養先でもって,美しい富士山を毎日のように眺める機会がありまして,この美しい山が今後とも美しい姿を保ち続けていくことを願わずにはいられませんでした。

 

また,今後とも日本の将来を担っていく若い世代の人たちの活動にも関心を寄せていきたいと思っていますし,自分の研究分野以外でも国の内外の情勢ですとか,今申しましたようなこと,こういったことに引き続き関心を寄せて毎日を過ごしていきたいというふうに思っています。

 

(2003年・満43歳のお誕生日会見で)
私は今後地球環境の問題がとても大切になってくると思います。昨年,第3回世界水フォーラムが京都市を中心として開催され,世界における様々な水問題が討議されました。私も名誉総裁としてこの催しにかかわることができましたが,水に関する問題が実に多岐にわたっていることに驚かされました。

 

中でも世界では約11億人が安全な水を飲むことができない,そして約24億人が下水道施設を持っていないこと,劣悪な水環境のために8秒に1人子供の命が失われているという事実には,水は安全と思われがちな日本において大いに考えさせられるものがありました。

 

恐らく水フォーラムを通して我が国でも多くの人々が世界における水問題について認識を深めたことでしょうし,私自身公務としてこのようなフォーラムに関係することができたことを大変嬉(うれ)しく思っています。水フォーラムなどの催しを契機として水の問題が少しでも解決の方向に向かうことを願っております。

 

21世紀は水の世紀とも言われますけども,今は私としては今後日本そして世界における水をめぐる様々な問題について理解を深めていきたいと思っていますし,この問題に今後とも何らかの形でかかわることができれば幸いだと思います。

ちなみに今上天皇は、学歴こそ学習院大学大学院・人文科学研究科の博士前期課程修了とあるが、卒業論文は「瀬戸内海の水運」がテーマで、英オックスフォード大留学では「テムズ川の水上交通」について研究をなさった。

水問題の研究者として講演を持つこともあり、海外の国際会議にも参加されている今上陛下は、水不足、水の衛生管理、津波、洪水などの問題、そしてそれらと関わりの深い発展途上国における貧困や性差別の問題などに強い関心を寄せ、心を痛めておられるという。



◆ご自身の研究や異常気象に関して秋篠宮さまは…

(2007年・42歳のお誕生日会見で)
私の研究についてですけれども,テーマとしては私自身は家畜化というものに非常に興味があるわけですね。その内の一つがタイと日本との両方の研究者が共同して行っている鶏(とり)と人の多面的関係の研究ということがあります。それをこれはいろいろな分野の人が集まるわけですけれども,様々な家畜というのは人間が作ったものですから,常にそれ自体を,対象物自体を,単独で見てはいけないわけですね。

 

様々な関係性の上で考えないといけないものですので,いろいろな視点から,どうして人間は鶏を家禽(かきん)にしたのか,家禽にした後どういう周りの文化や環境によっていろいろな種類ができてきたのか,そういうようなことを,今調べているところです。

 

それが一つありまして,もう一つは,私は葉山にある総合研究大学院大学の葉山高等研究センターという所の特任研究員でもあるわけなんですけれども,そこで行っているのが,これは鶏に限らずそれ以外の動物も含めた家畜化をどういうふうにモデルで表せるか。家畜化モデルの構築なんですけれども,先ほど話した鶏と同じような形で,いろいろな家畜についてどのようなモデルを構築できるかという,その二つのことが主だったものであります。

 

なかなかこういうものは結論が直ぐ出るというものではなくて,時間もかかるでしょうし,それから,例えば鶏を一つとっても,今例えばタイと日本でやって,北タイを中心に見るわけですけれども,やはりその周りの地域も見ていく,つまり伝播(でんぱ)というものがあると思います。

 

その意味で,マダガスカルというのも,大切な場所だと思います。アジアから鶏(にわとり)が移動しています。ですから,今回マダガスカルに行ったのは,それを少し調べてみたい,資料を集めたいという気持ちもありました。

 

一方,マダガスカルに行く用事が幾つかあったのですけれども,植物,動物ともに非常に固有種がある独特な所で,家畜も非常に面白いんですね。あの地域は主にコブ牛,ゼブーと呼ばれているコブ牛なんですけれども,以前からずっと気に掛かってたのが毛色(もうしょく)とか紋様のバリエーション。普通のいわゆるゼブーでない牛の毛色や紋様がゼブーの方でも見られるんですね。

 

どうしてそのようなものが,できてきたのか,果たしてヨーロッパから入ったものとの交雑がどれくらいあるのか,そういうのが非常に関心がありますし,これからもフォローしてみたいと思っております。

 

また,植物についても,有名なのがバオバブの木ですけれども,かなり長時間ドライブをしますと,3種類くらいのバオバブが,移動中に自生地が変わっていくわけですね。そのようなものや,様々な植物がある。別に地理的なバリアが表面から見ているとあるわけではないのですけれども,ある所から突如として違うものに,別の種類に変わるとか。そういうのはやはり順を追って見ていくことによって気が付く,教えてもらわないともちろん私などは分かりませんけれども,そういうことが大変私にとって印象に残っています。

 

(2021年・満56歳のお誕生日会見で)
今年のこの一年で特に印象に残ったこととしては,私は異常気象,日本でもしばらく夏になると豪雨とかで洪水があったりとか大きい被害が起こっていますけども,今年こう見てみますと例えば夏に7月ですか,ドイツを中心に洪水の被害がありましたし,中国の山西省でも豪雨による被害がありました。

 

今度はあれはアメリカでしょうか,熱波が来たり,それから干ばつが起こったり,それから確かブラジルのパンタナールの水の量も雨季に雨が降らなくて減ったということがあったかと思います。それでこういう自然災害であったり,自然現象,それといわゆる気候変動ですね。これが非常に密接に結びついていて,気候変動に関する政府間パネルの第6次報告書では,地球の温暖化についてその人間の活動に起因することは疑う余地がないという報告書を出しました。

 

これはその前のときの第5次報告書だとその可能性は極めて高い95パーセント以上としていたのに加えて今度はもう疑う余地がないということを報告書で出したわけですね。そうするとやはりこの人間の活動,それから気候変動,そして災害,そしてもう一つそれによって生物多様性の消失。そういうものがこうつながってきているっていうのが,すごく印象に残る今年の出来事だったと思うんですね。

 

しかも生物の多様性の消失により,感染症が広がるということにも影響があると言われています。これは生物の多様性が減少することによって好適宿主というんですかね,好適宿主が密度が高く,そうすると,これを主に節足動物媒介の感染症ですけれども,そういうものが増えやすくなる。

 

一方でそれ以外の宿主とかがこういろいろな物がいることによって感染を制御できる可能性があるという希釈効果と言うそうですけれども,そういうことにもつながってきて,今いろいろなものが,事象がこうつながってきたなというのがやはり今年の私にとっては一番印象に残っていることです。

 

(2022年・満57歳のお誕生日会見で)
この1年、様々なことがあったと思います。例えば、ロシアのウクライナ侵攻や各地での紛争や内戦、また異常気象ですね。それから大きな事故とか事件によって多くの尊い命が失われたり、また人々の生活を脅かすようなことがあったと思います。

 

中でも気候変動によると考えられる異常気象、これは洪水であったり、干ばつであったり、それから熱波などもありますね。それから山火事などいろいろあるわけですけれども、この気候変動というのは非常に気に掛かっています。そしてこれは生態系にも大きな影響を及ぼしますし、また、例えば食料不足など私たちの暮らしにも大きく影響するものだと思います。

 

そして、この気候変動というのはもちろん地球規模のものであるわけですが、これは人間活動によるものも非常に大きいウェイトを占める、気候変動に関する政府間パネルの第6次評価報告書で言われていますけれども、そのようなことから、個人個人もそのことに意識を向けていくということが必要なのではないかなということを感じています。

秋篠宮さまは学習院大学・法学部のご出身だが、生物学においてはタイの複数の大学から10を超える名誉博士号を授与され、1996年には日本の総合研究大学院大学「生命科学研究科」でも博士号を取得している。



◆まとめ

お誕生日会見にはそれぞれの知性、知識、お人柄が如実に現れるものだとつくづく思う。たとえ10を超える博士号をお持ちの研究者であろうと、異常気象や環境問題について、国民がすでに知っている内容を超えた説明をするのが難しい場合があるということもわかった。

ちなみに秋篠宮さまは、公益財団法人・世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)の名誉総裁を務めておられる。来年のお誕生日会見はぜひとも「動物保護」に関する質問をしてみていただきたい。独特なご回答で、おそらく次こそ兄に大差をつけるのではないかと思う。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

画像および参照:
『エトセトラ・ジャパン』記者の奇妙なフォローで成り立つ秋篠宮さまの「お誕生日会見」 トンボ観察を応援も宮邸改修工事が延々続いた矛盾

『宮内庁』天皇皇后両陛下の記者会見など

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