やはり千切れているトンボ論文写真No.82「シオカラトンボ」の翅脈  “元気に生きている個体” 見事なお写真が読者さまから

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82番の写真も「ツッコミどころが満載だ」と話題に(画像は『J-Stage』のスクリーンショット)
トンボ論文、82番の写真もツッコミどころが満載だ(画像は『J-Stage』のスクリーンショット)

今年1月上旬、秋篠宮家の長男・悠仁さまのトンボ論文について、写真No.82「交尾するシオカラトンボ」のメス(右)の翅脈(しみゃく)が切れていること、腹とその脇に金属製の昆虫針らしきモノが写っていることを記事にしていた。

翅脈(しみゃく)とは昆虫の翅にある筋のこと。トンボは他の昆虫にくらべ、とても複雑でたくさんの翅脈がある。翅は水生であった時の気管鰓(きかんえら=幼虫、さなぎにみられる呼吸器官)、そして翅脈は気管のなごりと考えられているそうだ。

メスは交尾の後、水辺にて何度でも尾の先を水面に叩きつけながら産卵をする。すぐ脇に池があるにもかかわらず、写真No.82のペアは芝地で交尾をして翅が裂けてしまった? シオカラトンボなら多数確認されたであろうに、そんな写真をわざわざ掲載することに何の意図がある…?

その後この件は、研究論文における画像捏造を暴くことにかけては世界最強と言われる不正論文ハンターのエリザベス・ビクさんの目にもとまり、写真No.19「オツネントンボ」のおかしな画像とともに、話題は世界に拡散した。



ところが、その記事に対して「トンボのその部分は折れて見えるのが普通だ」という意見が寄せられた。トンボ全般、折れてみえるその部分が「結節」と呼ばれることも知った。

ただし、「折れて見える」のと「翅脈が切れている」のとは違う。何とか真実をつかみたいと思っていたところ、Con…さんという方がメールをくださり、ご自身が撮影された貴重なお写真を提供してくださった。とにかく解像度が高く、どこまで拡大してもクリアなのだ。

頂いたメールには、このようなことが綴られていた。ほぼ原文の通りをご紹介してみたい。

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昨日、カメラのSDカードを整理しておりましたら、2022年7月30日の正午頃、珍しいトンボを撮影していた画像が出て来ました。シンビジュームの鉢植えを、夏の強い陽射しを避けるため自宅北側の庭に置いているのですが、その葉に止まっていたのです。

ご自身で撮影されたお写真を提供してくださいました!
Con…さんがご自身で撮影されたムギワラトンボのお写真

 

すっかり忘れていたのですが、ネット図鑑で検索し、どうやらシオカラトンボのメスで、ムギワラトンボと判明しました。続いてエトセトラさんの2024/1/16ブログがピッタリのテーマでした。

(赤)翅脈がちぎれ、翅が折れている。(黄)暗色の棒で支えられている?(青)昆虫針か
(赤)翅脈がちぎれ、翅が折れている(黄)暗色の棒は支柱か(青)昆虫針か(画像は『J-Stage』のスクリーンショットに加筆)

 

ITもカメラもトンボも全くの素人で、ひたすらAutoで撮影する私ですが、論文と違って鮮明な画像でしたので送信させて頂きます。トンボが逃げないよう後ろからソロッと、一番小さいのが標準Autoで、大きい画像はズームです。偶然の出来事にびっくりしております。

 

 

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以上、Con…さんから頂戴したメールの内容とお写真である(トンボ論文写真No.82は『J-Stage』のスクリーンショット)。

ちなみに腹の先端(尾)の部分の形については、シオカラトンボ(オス)だと長めの角が2本出ているが、メスは短めの角の間に、もう1つ小さな山のような突起があるそうだ。

また、翅は「結節」の部分で折れているように見えるものの翅脈は千切れてはいない ― これが元気に生きているトンボの生態であるようだ。

翅脈は繋がっている。切れていては飛べない
翅脈は繋がっており、ここが切れていてはまともに飛べないという

 

◆もう1つの謎も解けたかも…

先月15日、こちらで『悠仁さま論文、写真No.66アキアカネは翅の付け根に黒いコブ』という記事を書いていた。翅の付け根にあるコブは、つり上がった黄色っぽい目を持つ、黒い頭の宇宙人のようにも見える。

写真No.66のアキアカネ、翅の付け根の上部に黒い虫ピンでも刺さっているのでは?(画像は『J-Stage』のスクリーンショットを合成後加筆)2
写真No.66のアキアカネ、翅の付け根の上部に黒い虫ピンでも刺さっている?(画像は『J-Stage』のスクリーンショットを合成後加筆)

 

これについても、実は「トンボには翅の付け根にこういう部分があるんだよ!」というお叱りの声を受け取っていた。そこで筆者は、他のアキアカネの写真を多数確認してみたが、どの個体にもそんなものが付いているようには見えなかった。

写真No.66では、かなり大きいモノが中央にひとつ付いているため、どうしても「背中のコブ」のようにしかみえないが、これに関しても解像度が非常に高い画像で確認してみたいとずっと思っていた。

思い切り拡大しても、まだこれだけクリア。「黒い宇宙人の顔」は小さく左右に存在することがわかった
Con…さんからお預かりした画像を思い切り拡大。「黒い宇宙人の顔」は大変小さく、左右に存在することがわかった

 

◆まとめ

ついに筆者は、“元気に生きているシオカラトンボのメス・ムギワラトンボ” のリアルな画像を確認することが叶った。これにより、悠仁さまのトンボ論文にある写真No.82の個体は、やはり翅脈が切れていると確信。さらに写真No.66のアキアカネの背中にある黒いコブも、自然のものではなく異物であろうと確信した。

こちらは、改めて『悠仁さま論文アキアカネ写真No.66は翅の付け根に黒いコブ まさかここにも有頭虫ピンが?』でご確認いただければと思う。

トンボ論文の写真No.82については、どうか以下のPDFを実際に開き、拡大してご確認を。

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『J-Stage』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―

『国立科学博物館』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―

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Con…さん、お写真のご提供を本当にありがとうございます!

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)



画像および参考:
『J-Stage』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―

『国立科学博物館』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―

『自然を楽しむ』生駒山麓のトンボ

『エトセトラ・ジャパン』シオカラトンボ・メスは産卵を前に翅が折れ、オスの腹には昆虫針か トンボ論文写真No.82の交尾が悲しすぎる

『エトセトラ・ジャパン』悠仁さまトンボ論文写真No.19タグの謎を解く 実は写真No.82にも写っているコレでは…?

『エトセトラ・ジャパン』悠仁さま論文アキアカネ写真No.66は翅の付け根に黒いコブ まさかここにも有頭虫ピンが?