悠仁さま論文アキアカネ写真No.66は翅の付け根に黒いコブ まさかここにも有頭虫ピンが?
いきなりではあるが、こちらで頻繁に参考にさせて頂いていた『神戸のトンボ』さんというウェブサイトの「第3章 デジタル図鑑」にあるアキアカネの写真を、まずはじっくりとご覧いただきたいと思う。
きわめて鮮明に撮影されているこちらの1枚は、2016年6月26日、羽化してまもないアキアカネのメスを捉えたものだという。
続いては、秋篠宮家の長男・悠仁さまによる論文『赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―』にある写真No.66のアキアカネをご覧いただきたい。腹部の先端(尾の先)に丸い穴が開いていることがわかっているが、どうやら翅の付け根にも何やら黒い丸いモノがあるようだ。
◆こんなモノ、アキアカネの背に付いていただろうか
この異物に気づかれたのは長野県在住のMKさん。「イネの状態が “穂ばらみ期” に見える。すると7月2日に撮影というデータはおかしい。撮影は7月下旬だったのでは?」と、農家さんならではの考察を寄せてくださっていた。
ただし7月下旬だとすると、アキアカネは猛暑を避けて高地に移動していたはずだという。MKさんは「何かが矛盾している」とじっくりとアキアカネの写真No.66を見ていて、ふとその翅の付け根にある黒くて丸いものに目が留まったそうだ。
アキアカネの背にそんなモノが付いていただろうかという勘。これは、何十年と水田でアキアカネを間近にみていた方にしか備わっていないのかもしれない。もう1匹、WIKIMEDIA COMMONSで別のアキアカネを見てみた。やはり黒いコブなど見当たらなかった。
いくつかの写真に対し、ここまで複数の方から指摘されていた「昆虫針」の存在。そろそろ外国製の昆虫針も視野に入れなければと、あれこれショップを見ていたところ、金属ではなくナイロン製、そして黒の有頭針が販売されているのを見つけた。
◆査読は本当に行われたのか
この論文はテキストおよび画像、そしてそれらの不一致など、とにかく杜撰さが随所に目立つ。論文の最初に「2023年3月28日受領;2023年9月20日受理」とあるが、よく査読が通ったものだ。半年もかけて誰もおかしい点に気づかなかったのか、それが不思議でならない。
写真だけではない。数日前にお伝えしていたが、論文ではシオカラトンボの学名が、Orthetrum sabina sabina(Drury,1770)、つまり九州~南西諸島でみられるハラボソトンボの学名になってしまっている。その道の専門家が見たら、瞬時におかしいと思うミスであろうに…。
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信じられない、信じたくないとおっしゃる皆さんも、どうか下のいずれかの論文にある実際の写真No.66を拡大してご確認頂きたいと思う。
■『J-Stage』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―
■『国立科学博物館』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―
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(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
画像および参考:
・『WIKIMEDIA COMMONS』アキアカネ メス
・『複葉機と昆虫マクロの世界』トンボ3種
・『神戸のトンボ』第3章デジタル図鑑 ― アキアカネ
・『Amazon』Stainless Steel Insect Pins – Size #4
・『Amazon』100PK Premium Insect Entomology Dissection Pins
・『Benz Microscope Optics Center』PREMIUM BLACK ENAMELED STEEL INSECT PINS
・『エトセトラ・ジャパン』絶賛の東大理系教授も真っ青!? 悠仁さまトンボ論文に学名誤記4か所 なんと南国のトンボが赤坂御用地にいることに!
・『エトセトラ・ジャパン』トンボ論文写真No.66「本当に7月2日の撮影ですか? 穂ばらみ期に見えますが」と農業従事者さまより
・『エトセトラ・ジャパン』トンボ論文写真No.66アキアカネのヤゴは全くの別物 腹の先端の穴は内臓を取り出した跡か