テレビが秋篠宮家のゴタゴタに触れることができない理由 「放送基準」2023年もアノ部分は改正されず…

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ラジオ・テレビは「放送基準 第2章(7)により、宮内庁や皇室批判をタブーとしている(画像は『日本民間放送連盟 放送基準』のスクリーンショット)
ラジオ・テレビは「放送基準 第2章(7)に縛られ、宮内庁を批判することができずにいる(画像は『日本民間放送連盟 放送基準』のスクリーンショット)

国民の反対を押し切っての、秋篠宮家の長女・眞子さんと小室圭さんの結婚。長男・悠仁さまの、作文剽窃問題と筑波大附属高等学校へのゴリ押し入学。そして44億円もかかったという2棟の豪邸建設に、英国戴冠式後のインタビューへのあまりにも情けない回答…。

国民はすでに、はっきりと「あの宮家を敬うことは難しい」「皇統を移しては皇室そのものがおかしくなる」「陛下の帝王学を間近で学んでこられた愛子さまを女性天皇に」と言うようになっている。筆者の高校2年生の甥っ子ですら、「学校ではそんなことは話題にならないけれど、秋篠宮家のゴタゴタについては結構知っている」と言っていた。

これだけ皇室がグラついているというのに、マスコミ、とくにテレビはなぜ情報番組などで、きわめて「旬」といえるその話題をお茶の間と共有しようとしないのだろうか。それを縛る「民放連・放送基準」に注目してみたところ…。



 

◆民放連・放送基準とは

先月の26日に開かれたという民放連理事会。筆者はここで「民放連 放送基準」の、ある部分の改正が行われることをひそかに期待していた。

1951年に民放連が設立されると、まずはラジオに関して放送基準が制定され、1958年にはテレビについても同基準が制定された。その後に統合され、社会情勢と照らし合わせながら、およそ5年ごとに民放連理事会が見直しと改正を行ってきている

「民放連 放送基準」は現在150条文。前半は主に番組作りに関して、また後半は主に広告に関してとなる。『民放オンライン』はこのように解説している。

基本的な精神は、

 

▷人権の尊重

▷法令・公序良俗の尊重

▷真実であること▷明確であること

▷公正であること

 

――の5つで、さらにその土台となる考え方は「視聴者・リスナーの利益」です。この視点で各条文が成り立っています。

 

◆期待に反し改正がなかった第2章

同サイトの『民放連 放送基準」2023年改正 その経緯と趣旨』という記事によれば、久しぶりの見直しが行われた今年は152条文のうち2条文が削除され、45条文が改正されるという非常に大きな改正となったそうだ。

たとえば「報道活動」に関する現行32条は、これまで「ニュース」は事実に基づいて公正でなければならないという条文だったが、そこにノンフィクションのドキュメンタリーや情報番組も含まれることになるそうだ。それは良いことだと思う。

ただ、3年かけて全条文をチェックした際、何より大切にしたのは「視聴者・リスナーの利益は何か」という視点だったとある。であれば、これだけ秋篠宮家のゴタゴタが世間の話題となっているのに、なぜ第2章「法と政治」の(7)を改正しなかったのだろうか。

ラジオ・テレビは「放送基準 第2章(7)により、宮内庁や皇室批判をタブーとしている(画像は『日本民間放送連盟 放送基準』のスクリーンショット)
ラジオ・テレビは「放送基準 第2章(7)により、宮内庁や皇室批判をタブーとしている(画像は『日本民間放送連盟 放送基準』のスクリーンショット)

 

「国及び国の機関に宮内庁や皇室も含まれている」という見方があり、調べてみるとテレビ愛知の公式HPにある『放送基準解説書2014』にそうした記載があった。

「国の省庁としての天皇もここに含まれる」とある。秋篠宮さま、悠仁さまも「将来の天皇だから」ということで同じ扱いなのか(画像は『テレビ愛知』PDFのスクリーンショット)
「国の省庁としての天皇もここに含まれる」とある。秋篠宮さま、悠仁さまも「将来の天皇だから」ということで同じ扱いなのか(画像は『テレビ愛知』PDFのスクリーンショット)

 

民間企業で何かが起きれば、株価が暴落しようがお構いなしに叩いて報じるというのに、これはまさに片手落ちだ。しかし、その下の法令の部分に「憲法 前文、第1条(天皇の地位と主権在民)」と示されていることには苦笑した。

視聴者・リスナーの利益は何かという視点で考えてくれるなら、まだ皇統が移ったわけではない秋篠宮家、引退なさったはずの上皇ご夫妻、そして宮内庁に関しても、お茶の間が本当に知りたがっている報道がなされてもよいのではないだろうか。

 

◆二重権威に加担しているテレビ番組

「お忍び、お忍び」と言いつつ、チャッカリ御用記者たちを率いてあちこちにお出かけになる上皇ご夫妻。報道の頻度でみても確実に天皇家を上回っており、国民からは「とんだ二重権威だ」と疎んじる声があがっている。今後も、まだそのような報道を続けるつもりだろうか。

上皇ご夫妻は、現役の頃となんら変わらない頻度でお茶の間にその姿が報じられている(画像は『TBSテレビ』のスクリーンショット)
上皇ご夫妻は、現役の頃となんら変わらない頻度でお茶の間にその姿が報じられている(画像は『TBSテレビ』のスクリーンショット)

佳子さまについても同様に【速報】の文字まで加えて報じられることが多いが、国民の多くが「天皇家のご様子について、もっともっと報じてほしい」と願っている。このことを、どうか忘れないで頂きたいと思う。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)



参考および画像:
『民放オンライン』「民放連 放送基準」2023年改正 その経緯と趣旨

『テレビ愛知』放送基準解説書 2014

『放送倫理・番組向上機構』日本民間放送連盟 放送基準

『日本民間放送連盟』よりよい放送のために ― 放送基準