着床前診断技術かなり進歩もいまだ失敗例が 18年前の「男女産み分け」はかなり無茶をした?

7月20日付の【YOUR VOICE】写真集『悠仁さま 18年のあゆみ ご成年記念版』に違和感 佳子さまと悠仁さまの腕が…に、ある読者さまから興味深いコメントをいただいた。
最新の生殖補助医療であれば、難聴や発達障害などがない子が育っていたかもしれないという内容で、実は筆者がこれに関連するニュースを最初に目にしたのは10年ほど前だった。ある難病を回避するための体外受精~着床前診断と治療の試みが、このほどイギリスでまた1例成功したというが、なんとまだ世界で10例にも至っていないとのこと。
生殖補助医療の世界は全体的にかなり進歩があるようだが、受精卵はあまりにも小さい。誕生した子の長期的な健康観察も課題で、「100%の成功率で治療法が確立」といった話はなかなかできないのだろう。
それを考えると、悠仁さまに噂されている18年前の着床前診断による男女産み分けなど、ずいぶん無茶をしたのでは…?と首をひねりたくなる。
◆読者さまのコメント
最新の生殖補助医療、この技術なら、難聴や発達障害などの弱点がない子が育っていたのかも…
BBCの最新ニュースより。「3人のDNAを用いて誕生した赤ちゃん、遺伝性疾患がないことを確認 イギリス」
2025年7月17日 ジェイムズ・ギャラガー、BBC健康・科学担当編集委員
卵子に針を刺すシーンも出てくる動画付きなので是非オリジナルサイトで御覧を。
(https://www.bbc.com/japanese/articles/cvg85y5y5k7o)
イギリスでこのほど、3人の遺伝物質を使用して誕生した赤ちゃんに、親から遺伝する可能性のある疾患がないことが確認された。医師によると、この先端技術は、死に至る可能性もある疾患が親から遺伝するのを防ぐことを目的としたもので、イギリスではこの技術を使ってこれまでに8人の赤ちゃんが誕生しているという。
母親の卵子と父親の精子と、ドナー女性の卵子を組み合わせる技術は、イギリスの複数の科学者が開発した。イギリスではこの技術は10年前から合法化されているが、遺伝性のミトコンドリア病のない子供の誕生につながるという証拠が得られたのは今回が初めて。
ミトコンドリア病は治療法がなく、出生後数時間から数日で死に至る可能性もある。この病気で子供を何人も失っている家族もいる。
◆母親由来の難病を継がせたくない
すでにかなりの歴史と実績がある体外受精。受精卵の性別(性染色体X・Y)の数を針刺し~生検で確認する「男女産み分け」は、「男の子でも女の子でもいい、早く赤ちゃんが欲しい」と希望する体外受精とは別の扱いになる。
今の日本では、着床前診断を希望できるのは親が神経の難病などを抱えている場合と、染色体異常のため流産を繰り返してしまう場合のみ。倫理面で「男の子が欲しいから女の子になる受精卵は捨ててよい」といった考え方は許されていない。
一方、かなり前から生殖補助医療に力を入れ、認可のための法整備が済み、技術の進歩を待つばかりとなっていたのがイギリス。また一人、「3人のDNA」を持つ赤ちゃんが誕生した。母親由来の難病「ミトコンドリア病」を回避するための試みで、イギリスでは2015年の法改でミトコンドリア置換治療への道が開かれていた。
簡単に表現すると、まず夫婦の受精卵から核を抜き出したら、健康なミトコンドリアを持った第三者の女性から提供された卵子の核を抜き、夫婦の核をそこに移し替える(あるいは、健康なミトコンドリアを持ったカップルの受精卵を入手し、核を抜いたらそこに夫婦の核を移し替えることも)。こうして健康な胚を作ってから母親の子宮に移植するそうだ。
赤ちゃんは父、母、ドナーの3人から遺伝子を受け継ぎ、うち両親由来のものが99.8%以上で容姿その他は両親に似る。そして残りのほんのわずかな遺伝子は、ミトコンドリアを提供してくれた女性から受け継ぐという。
なお、2016年には米国でも同様のミトコンドリア置換治療が成功していたが、卵子に混じってしまった異常なミトコンドリアが妊娠中に増殖してしまうケースがあるため、いまだ100%信頼できるものではないようだ。
◆最新生殖補助医療の問題
2024年11月、Gigazineが大変気になる記事を出した。『胎児のIQを遺伝子で選別する企業が出現し専門家が道徳的・倫理的・医学的問題を提起』というもので、こんなことが書かれていた。
所々を抜粋し、まとめて紹介させていただくとーー。
アメリカのバイオテクノロジースタートアップであるHeliospect Genomics(ヘリオスペクト・ゲノミクス)は、遺伝子強化の倫理性に疑問を投げかけるような手段を採用していることを突き止めました。
顧客に対し、最大5万ドル(約770万円)でサービスを売り込み、遺伝子によるIQ予測に基づいて将来の子どもを選ぶ手助けしたと主張しています。「性別」「身長」「肥満リスク」「精神疾患リスク」の他、「IQや、誰もが望む下品な特徴」に基づいて、最大100個の受精卵をランク付けする方法が説明されています。
なお、予測されるIQに基づいて胚を選択することは、イギリスの法律では違法となります。また、胚発生学の規制がゆるいアメリカでは合法ですが、IQベースで胚をスクリーニングするサービスの提供は商業的に認められていません。
著名な遺伝学者や生命倫理学者たちは、Heliospect Genomicsのサービスは道徳的・医学的問題を提起していると主張しています。
その国の法が整っていないなか、倫理観に欠けた無理やりな着床前診断、遺伝子の操作などがあれば世間の批判は避けられないだろう。
◆遺伝性のがんについても
遺伝性疾患の数は7000を超えるといわれ、遺伝性の大腸がんや乳がんを子に遺伝させたくないと願う親は実に多い。現在イギリスでは、遺伝性のがんなど約600の重い病気を対象に、もちろん慎重な審査と判断が必要だが、着床前診断で遺伝子変異の見られない受精卵を選ぶことが許されるようになったという。
日本の産婦人科学会にはきわめて厳しい倫理面での規制があるが、海外のそうした取り組みに刺激を受け、緩和を求める声もそれなりにあるようだ。
◆「親を責めてはならない」と言うけれど…
悠仁さまは、耳、脚、腸などに何らかの不具合、不調を伴っておられるのかもしれない。秋篠宮さまも紀子さまも五体満足であり、遺伝子変異がどのように起きたのか疑うとしたら、噂されている男女産み分けの着床前診断(しかも技術も実績も乏しい18年前の日本で)しか考えられないようにも思う。
(お時間がある方は、そのあたりについての記事も是非どうぞ!)
■「着床前診断」で自閉症スペクトラム発症率が2倍に 皇族がリスク覚悟で男児を欲しがるものだろうか
■秋篠宮夫妻の着床前診断「産み分け」疑惑 技術も実績も乏しい中、これだけのリスク説明がなされていた
誕生する子供に関わるリスクの説明を受けた秋篠宮夫妻は、ひるんで断念するのではなく、(保険として)数個の受精卵を確保してもらい、移植には代理母の子宮も借り、育てていくうちに最も優れた子を “ショラテン“ とする ― という手段に出たのでは…?
とにもかくにも18年が経過した。悠仁さまは今、すべてにおいて順調と言えるのだろうか。加工だらけと思われるお写真を拝見する限り、結果として神様が秋篠宮夫妻や悠仁さまの味方をしたようには思えないのだが…。
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
画像および参考:
・『BBC』3人のDNAを用いて誕生した赤ちゃん、遺伝性疾患がないことを確認 イギリス
・【YOUR VOICE】写真集『悠仁さま 18年のあゆみ ご成年記念版』に違和感 佳子さまと悠仁さまの腕が…
『Gigazine』2024年11月01日 胎児のIQを遺伝子で選別する企業が出現し専門家が道徳的・倫理的・医学的問題を提起