【YOUR VOICE】旧宮家皇族復帰について ~天皇家女性の事例と男系男子限定の危うさ 第4弾~

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2021年12月、政府の有識者会議において、旧宮家の男系男子の子孫を皇族復帰させる案が提言され、2025年3月の各党代表者による議論では、自民、公明、日本維新の会、国民民主各党は賛成、立憲民主党とれいわ新選組は引き続き検討が必要だと主張、共産党と社民党は反対の姿勢を示したようで、4月の全体会議後に議長は「できるだけ早く取りまとめたい」と述べられていますが、国民には、この対象者等について、あまり認識されてはいないのではないでしょうか。

実は、その対象者を含む1947年(昭和22年)に皇籍離脱した旧11宮家全て、97代天皇の時代に、併存した北朝3代の皇子(1368年に親王宣下)が創設した伏見宮の20代当主が、江戸末期の119代光格天皇の猶子(実親子でなく親子関係を結んだ関係)となることで親王宣下を受けた伏見宮邦家親王を祖先としており、妃と多くの女房等の間に少なくとも17男15女を設け、そのうち当初は一代限り前提で、子の代で久邇宮等の9の宮号を創設または継承、そのうちの北白川宮および久邇宮の2人の孫の代で竹田宮、賀陽宮、東久邇宮等7宮家を創設または継承しており、そのうちの4人が明治天皇の内親王を妃として迎えています。

現在、自民党は復帰後の子孫を皇位継承者に含める前提で、政府与党中心に可決が急がれている皇族復帰案は、皇籍離脱から80年近く経過し、4つの旧宮家にいらっしゃるとされる独身男性は皆、一般家庭で生まれ育っており、直系の男系の血筋としては、126代今上天皇からは600年以上前に遡る方々が、現在の憲法では世襲による象徴とされている皇位継承資格を得る事に、国民感情としては疑問を感じる声も多いのではないでしょうか。

一方で、過去に認める方向で進んでいた女性や女系天皇については、秋篠宮妃の妊娠6週での報を機に棚上げされたままですが、旧宮家の方も女系で見ると明治天皇の血をひいていらっしゃる方もおり、まずはその議論が先になされるべきではないかとも思われます。

なお、旧11宮家の共通祖先である伏見宮邦家親王は伏見宮の20代ですが、その継承において兄弟が当主を継いでいる場合もあり、世代数としては、天皇から14世代となっているようで、その伏見宮20代から、現在皇族復帰の対象と目されている独身男性の方は、さらに5~6世代離れており、仮に皇族復帰してその子孫が皇位継承権を持つとなると、過去の天皇から最短で21世代離れていることになります。血の濃さが1世代で1/2となることから1/2の21乗を計算すると1/2,097,152となり、即ち0.00005%にも満たないことになります。

旧宮家の皇族復帰を推進されている方の根拠の一つとして、過去に直系後継者が途絶えた際に、宮家から天皇がたてられた事例があるとされていますが、伏見宮家からの102代後花園天皇も、閑院宮からの119代光格天皇も3世代目であり、血の濃さで見ると、12.5%で、先の0.00005%未満となる状況の先例とするには少々無理があるのではないでしょうか。少なくとも、皇位継承者となる場合は、皇室典範より上位の憲法で「世襲」が規定されている以上、今上天皇陛下の直系長子である敬宮愛子内親王殿下のように、あまりにも明らかな場合でない限り、DNA鑑定等による血縁関係の証明も必要ではないでしょうか。

そもそも、先例としては、宮家による継承より女性天皇による継承事例の方が多く、天皇のみの系図では認識し難いですが、先にお伝えしましたように、傍系での継承がなされた際には混乱が生じがちで、実は皇女によって直系維持されていた事例も多くあります。
血の濃さもさることながら、環境要素としても、天皇家で直系長子として生まれ育った場合と、先代の直系ではない場合では、意識の面など含め、違いが生じるようにも感じます。

現在の皇位継承者が限定されている状況の打開策として、今上天皇に直系長子の非常に人格的にも尊敬の念を感じる人も多い敬宮愛子内親王殿下がいらっしゃるにもかかわらず、旧宮家の方に皇族復帰して頂き、その子孫が皇位継承者となって頂くことが、果たして国民の象徴たる立場に本当にふさわしいと言えるのでしょうか。実際、政府与党が積極的に実現を目指しているこの案に対して、2024年春の世論調査では74%が反対であったとのこと。そもそも、一般家庭に生まれ育った方が、皇室に入る事を了承される方がいらっしゃるか自体にも問題があるようにも思えます。

次回は、現在の憲法と改憲や創憲案における天皇の位置づけについて見ていきます。

 

【主な出展】

旧宮家養子案、自公維国が賛成 衆院法制局「合憲違憲両論」(時事ドットコム 2025/3/10)

https://ja.wikipedia.org/wiki/伏見宮邦家親王

伏見宮系図

皇統が途絶えて「王朝交替」となり「天皇系図」が一変する可能性…「旧宮家養子縁組プラン」の致命的な欠陥(PRESIDENT Online 2024/5/24)

(東京都在住:Yさんより)



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