【YOUR VOICE】科博から「正誤表」が出て終わりでしょうか より深刻な疑義にもご説明を
国立科学博物館が悠仁さまの『赤坂御用地のトンボ相』論文について、「査読でちょっと見落としがありました」といった部分についてだけ、正誤表を発表したようだ。
だがX上では「トンボ論文の写真の捏造・加工疑惑への説明は?」という声がいまだに鳴りやまない現状で、32種ものトンボが発見されたことになっている菖蒲池で、大がかりな改修工事が始まることにも「証拠隠滅か」と騒がれている。
2023年12月19日のエトセトラブログの記事『トンボ論文のおかげでトンデモ工事発注事案が露呈? 宮内庁の概算要求とGoogle Earthから』によると、こんなこともわかり、それに多くに人がコメントしていた。
菖蒲池周辺芝張替え 2010年 6.23 1837万円
菖蒲池改修工事 2010年 12.21 5670万円 工期2011年3月末
大池擬木改修設計ほか 2012年 8.9 780万円
中の池浚渫工事 2012年 12.11 1038万円 工期2013年3月15日
大池浚渫工事 2013年 11.14 2100万円 工期2014年3月14日
これだけの工事が、生態系に影響を及ぼすであろう工事が、一切論文には記載されていない。トンボ相論文から読み取れたのは、次のものだけである。
なまず池 2017年 水抜き
杏水田 2015年 造成
表町水田 2020年造成 2021年5月から水田として2022年から 多数の幼虫が見つかる
表町池 2021年から2022年 浚渫工事のため、調査は2021年秋まで
今回のトンボ相調査は2012年から2022年までの期間だとしながら、都合のいいように省いている。意図的ではないかとさえ疑われる。
トンボ相論文 P136 表1では、「2012年から2016年は調査頻度が少ないため、まとめて示す」とうまく逃げている。これだけ工事をしていれば調査などできない。トンボもいなくなっているだろう。
また、この調査に先んじて2005年の「赤坂御用地のトンボ類」は国立科学博物館専報(Memoirs of the National Museum of Nature and Science)の第39号(2005年3月25日発行)の、「赤坂御用地のトンボ類」に収録されている。専報とは科博が実施する研究プロジェクト等の成果の報告集で、不定期に出版されるそうだ。つまり、科博のプロジェクトでトンボ他全ての動物の調査がされている。
上記によると…
2005年39巻では『赤坂のトンボ類』他赤坂の生物の全調査が行われていることがわかった。
2006年43巻では皇居の動物相のモニタリング。2014年には50巻で皇居の植物相のモニタリング。
実は「赤坂御用地のトンボ相」も国際昆虫学会議発表予定の「皇居のトンボ相」も、これらの追跡調査である。この二つの論文は「トンボ相論文」と比較すると、当然ながら科学論文としての誠実な書きっぷりである。
NEWSポストセブンは「悠仁さまたちの研究チームが研究を始めたのは12年前のことであり、工事によって生態系を壊すことはできないという配慮があった可能性もある」と書いている。
研究チームと表現しているが、「赤坂御用地のトンボ類」でも「皇居のトンボ類」でも、宮内庁庭園課や調査員の名前を付し、援助や補助の謝辞が述べられているにもかかわらず、「赤坂御用地のトンボ相」では、専門的知識の助言をいただいた研究者3名への謝辞だけで、実際にトンボの採集や撮影にあたったメンバーの氏名がない。
また、生態系を壊すことはできないという配慮。これも今述べたことから考えると、全く配慮はされていないだろう。
2005年の「赤坂御用地のトンボ類」を見てみると、秋篠宮邸池(現・表町池)は植生、環境が特段優れている、とされている。
「赤坂御用地で記録された24種のうち、発生が確認できた種は半数の12種でこのうち11種が秋篠宮邸池(現・表町池)発生している。・・・今後この池で発生・定着するトンボ類が増加することが期待される。」
ちなみに『赤坂御用地のトンボ類』では2002年夏、中ノ池改修工事水抜きと記載がきちんとされている。しかし、2005年に植生、環境が特段優れて調査に適していると総括された秋篠宮邸池(現・表町池)での観察が極端に少ないことについては、きちんとした説明がないと納得できない。
2023年『赤坂御用地のトンボ相』研究報告から
「今回行った2012年から2022年までの11年間の 調査では,8科38種が確認された(表1).確認された種数は,前回調査(斉藤ほか,2005)の24種 よりも14種も多かった.今回,羽化や羽化殻を記 録したのは,6科19種だった.また,幼虫や産卵 行動,羽化直後個体を確認したのは3科8種で あった. 」
あれほど「植生、環境が特段優れている」「今後この池で発生・定着するトンボ類が増加することが期待される」などと結ばれているのに、秋篠宮邸池(現・表町池)はすっかり影を潜めてしまったようだ。
2022年「赤坂御用地のトンボ相」では、こちらの一覧表にあるように舞台が菖蒲池に移ったことがわかるが、その菖蒲池は絶滅危惧種の宝庫だとしながら、なんと改修工事だそうだ。あまりにもおかしくはないか。
絶滅危惧種がいきなり菖蒲池に沸いてくるものだろうか。むしろ、秋篠宮邸池(現・表町池)はどうしたのかと問いたい。やはり放虫を疑うほうに妥当性がある。
産卵や羽化の確認もほとんどは17年以降、20年以降も多い。科博の研究チームは2017年以降に入ったのではないかと推測する。これを副題の「多様な環境と人の手による維持管理」というなら、いかにも恣意的で生態系の保護とは言えない。
赤坂ベルサイユ、秋篠宮邸の工事は2020年3月に始まり、今も延々と続いている。
2021年から2022年までの3年間は池も浚渫工事中で表町池の調査はできなかった。それも見越して早い時期から池の改修が終わった菖蒲池や2015年造成の杏水田や2020年造成の表町水田に、幼虫の移管や放虫があったとは考えられないか。確かに、2022年から多数の幼虫が見つかるとの記載がある。
もしもこれらが、でっち上げ論文を作るための作為的なものでないなら、多くの種が秋篠宮邸池(現・表町池)から菖蒲池に移ったことの考察をお願いしたい。
(関西在住:Kさんより)
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飛翔力や移動性が弱いオオアオイトトンボがなぜ2018年から表町池で多産するようになったのか不思議に感じる。
前回調査の「赤坂御用地のトンボ類」によると、A宮邸池ではクロイトトンボがイトトンボ科の最優占種だった。
前回調査でオオアオイトトンボが確認されなかった理由について、論文の考察(p.151)で「調査頻度の増加や調査時期・時間帯の違いなどによる影響」としているが、トンボの生態を熟知した専門家が実施したのだから、オオアオイトトンボの越冬卵の産卵痕がないか樹木の枝を調べただろう。調査日程にある2002年11月6日、2003年11月26日がそれを思わせる。
3年かけて調査して見つからなかったのだから、当時棲息していなかったのではないか。