講書始の儀、大阪大学名誉教授が「男女を問わず天皇になれた時代」の理由を 宮内庁の人選にも感動!
1月の皇居で、天皇皇后両陛下をはじめ皇族の方々が、さまざまな分野の第一人者として活躍しておられる方から説明をお聴きになる講書始の儀。
今年は10日に宮殿で開かれたが、日本古代史・服装史の専門家で大阪大学名誉教授の武田佐知子氏から、素晴らしい内容のご進講があったことをX(Twitter)で相互フォロー中のbunchan(@bunchan86447563)さんより教えていただいた。
◆日本古代史・服装史の第一人者がご進講
文部科学大臣、日本学士院会員、日本芸術院会員なども陪聴しておられるなか、和服姿の武田氏は卑弥呼の時代までさかのぼり、日本の古代の服装には男女の性差がなかったこと、中国の皇帝から送られた男性の服をも違和感なく受け入れたことなどを説明された。

「古代に6人、8代の女性の天皇が現れたのは、男女同形の礼服の存在が大きいと思っている」と述べられた武田氏は、著者に『礼服 天皇即位儀礼や元旦の儀の花の装い』があり、令和3年秋の叙勲では瑞宝中綬章を受章されている。

「奈良時代、東大寺の大仏開眼に出席した聖武太上天皇と妃の光明皇太后、娘の孝謙天皇が同じ白の礼服だった」と、ここは非常に具体的であった。古来天皇の礼服は白で男女の区別もなく、ゆえに天皇に男女を問うこともなかった ― ということであれば、何より帝王学を心得た優れた人物で健康であることが重要視されたのではないだろうか。
ちなみに、メディアによっては “淡いミントグリーンのドレス” などと伝えているところもあるが、筆者の目に敬宮愛子さまのドレスはパールホワイトにも見える。
◆講書始で皇族・皇室に関する話題は殆どない
これまでの5年間、講書始の儀でどのような内容のご進講が行われてきたのか、宮内庁のホームページからチェックしてみた。
(令和6)
ことばのステレオタイプ “役割語”について(進講者:金水敏)
捜査法の進化と課題(進講者:井上正仁)
ゆらぎで探る物質の構造(進講者:西川惠子)
(令和5)
地中海交易と「離散の民」の商人たち(進講者:深沢克己)
自己組織化の時代―持続可能な社会のために(進講者:今田髙俊)
生命の要、分子モーター、細胞内のミクロの運び屋(進講者:廣川信隆)
(令和4)
ボン教研究の新段階(進講者:御牧克己)
アジアからアフリカに広がる日本の稲作技術(進講者:大塚啓二郎)
人工知能(進講者:金出武雄)
(令和3)
「勢」と「機」の歴史哲学-『日本外史』の方法(進講者:揖斐髙)
米中の新たな遭遇と日本(進講者:五百籏頭眞)
細胞のリサイクルの仕組み(進講者:大隅良典)
(令和2)
遣唐使に見る日本の対外交流(進講者:東野治之)
歴史のなかの工業化(進講者:斎藤修)
沈み込み帯の地震の発生メカニズムと火山の成因(進講者:長谷川昭)
◆まとめ
それ以前の話題も調べたが、テーマは多岐にわたるものの、皇族、皇室が直接関係する話題は殆どない。そのためこのたびの講書始で宮内庁が進講者として武田氏を選び、内容についても原稿を事前にきちんと精査したであろうことを思うと感動的なものがある。
こちらでは3ヶ月ほど前に「天皇家は『2600年以上も男系男子』という説に騙されないで」と呼びかける記事を書いていたが、《その3》で孝謙天皇や、統治者として大変優れていた持統天皇についても触れていた。お時間があれば是非ともご一読を!
■「天皇家は2600年以上も男系男子」に騙されないで《その3》 女性天皇が8人、昔も理知性が重要だった
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
画像および参考:
・『テレ東BIZ』皇居で講書始の儀 両陛下が出席 古代の服装を講義
・『宮内庁』講書始
・『テレ朝news』天皇陛下ら出席「講書始の儀」 学問の第一人者による講義
・『YouTube』天皇陛下ら出席「講書始の儀」 学問の第一人者による講義(2025年1月10日) ANNnewsCH
・『FNNプライムオンライン』天皇皇后両陛下が学問の第一人者から講義受けられる「講書始の
・『毎日新聞』2025年 講書始の儀
・『読売新聞』皇居で「講書始の儀」…天皇、皇后両陛下ら「古代の衣服」「産業革命サイクル」など聴講
・『YouTube』皇室の新年行事「講書始の儀」 天皇皇后両陛下や長女・愛子さまほか皇族方が服装史学の名誉教授らの講義を受講 両陛下は頷きながら熱心に聴講|TBS NEWS DIG
・『NHK』天皇皇后両陛下が研究者から講義受けられる「講書始」皇居で
・『Instagram』宮内庁 ― 令和7年1月10日(金)、宮殿において、講書始の儀が行われました。
・『エトセトラ・ジャパン』「天皇家は2600年以上も男系男子」に騙されないで《その3》 女性天皇が8人、昔も理知性が重要だった