鶴岡八幡宮も離脱の宗教法人「神社本庁」 万世一系・男系男子論で秋篠宮家を推し、やがて天下を取ろうと…!?

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神社本庁とは親しいご様子の秋篠宮ご夫妻(画像はネットで拾ったもの)
神社本庁とは親しいご様子の秋篠宮ご夫妻(画像はネットで拾ったもの)

 

神奈川県鎌倉市にある源頼朝ゆかりの神社、かの有名な鶴岡八幡宮「も」、あれこれ騒動が報じられてきた神社本庁から離脱すると決めたそうだ。2020年には「こんぴらさん」こと、香川県琴平町の金刀比羅宮も離脱を発表していた。

全ての都道府県に神社庁が設けられ、本部である神社本庁は東京都渋谷区代々木一丁目の明治神宮の脇にある。ここの関連団体として政治活動を行っている「神道政治連盟国会議員懇談会」は殆どが自民党の議員で構成され、大勢が入閣している。

なお、万世一系の男系男子論を振りかざす神社本庁は、男児を産んだ秋篠宮家と親しい関係を維持しているうえ、故・安倍元首相と仲良しで憲法改正を高らかに叫ぶ “極右の女神”、櫻井よしこさんとも強烈なタッグを組んでいる。

戦後から現在まで、全国の7万8,000ともいわれる神社を包括している神社本庁は、「庁」とあるため公的機関のように勘違いされてきたが、実は宗教法人で、かつ内閣を相手に要望をどんどん突きつけている。神社の「単なるまとめ役」ではないことには注意が必要だ。

 

◆こんぴらさんはご立腹の末に離脱

2019年11月、天皇陛下の即位関連儀式である「大嘗祭(だいじょうさい)」を祝う「大嘗祭当日祭」を巡り、神社本庁が供え物の「弊帛料(へいはくりょう)」の5,000円が届かなかった。

同宮は皇室との特別な縁を誇りとしており、約100年前から継承している「讃岐風俗舞」を当日祭でも披露。それだけに「天皇陛下に対して不敬極まりない」と神社本庁を批判していた。

幣帛料は2020年1月末に、神社本庁の香川県支部である香川県神社庁を通じて現金書留で送られてきたが、こんぴらさんは翌月に離脱の方針を決めて法的手続きに入っている。

 

◆相次いで離脱した有力神社

すでに離脱した神社は、栃木県の日光東照宮、京都府の霊山護国神社、梨木神社や建勲(たけいさお)神社、石川県の紀多大社、栃木県の日光東照宮、東京都の富岡八幡宮など。観光名所になっている有名神社も多い。

そのうち気多大社の三井孝秀宮司は「神社本庁は、全国の神社の自治や信教の自由を最大限に尊重するべきなのに、中央集権的な支配を強めてきた。このままでは離脱の動きは止まらないだろう」と指摘している。

神社本庁による人事や運営への介入が反感を買った面も多いようだが、東京新聞は「保有財産を巡る不透明な売却や訴訟などもある」と報じており、きな臭い話題や混乱が続いているもようだ。

神奈川県川崎市の新百合ヶ丘にある本庁職員宿舎の2015年の売却においては、本庁上層部が不動産業者に便宜を図った疑いが浮上し、しかし本庁は内部調査で「適法」と結論づけた。疑惑を告発した幹部職員2人が懲戒処分を受け、不満だとして裁判沙汰に。いずれにせよ、疑惑の声がくすぶり続けているという。

 

◆神社本庁は秋篠宮家とベッタリ

さて、その神社本庁は男児が誕生して以来、秋篠宮家を熱烈に応援している。平成の時代にも、ご夫妻は設立60周年および70周年の記念式典に臨席され、開会の言葉などを寄せておられるようだ。

2006年5月には神社本庁設立60周年記念式典へ(画像は『宮内庁』のスクリーンショット)
2006年5月には神社本庁設立60周年記念式典へ(画像は『宮内庁』のスクリーンショット)

 

2016年5月には神社本庁設立70周年記念式典へ(画像は『宮内庁』のスクリーンショット)
2016年5月には神社本庁設立70周年記念式典へ(画像は『宮内庁』のスクリーンショット)

 

2020年に秋篠宮さまが立皇嗣の礼を済ませると、神社本庁と一心同体の「神道政治連盟」は2021年1月上旬、ホームページの「神政連て何?」を変更した。

まずは、それまで掲げられていた理念から。

悠仁さまご懐妊の前となる2021年1月1日の時点では、まだ「悠久」の文字は見当たらない(画像は『神道政治連盟』ウェブ魚拓のスクリーンショット)
2021年1月上旬まで、「悠久」「万世一系」の文字は見当たらなかった(画像は『神道政治連盟』ウェブ魚拓のスクリーンショット)

 

 

そして2021年1月、それまでは『神政連の主な取り組み』としていたページを、なんと『神政連が目指す国づくり』に変え、そこには悠仁さまのお名前を連想させるような理念が掲げられた。国づくりとは大きく出たものだ。秋篠宮さまに皇統が移ると決まれば、もうこっちのもの…?

万世一系の皇統と悠久なる歴史を持つ皇室と日本の伝統文化を尊重し、自国の文化に誇りを持てる社会づくりをめざします。

今の時代に「万世一系の皇統」を持ち出すなら、DNA鑑定とセットでと求める声も増えている(画像は『神道政治連盟』のスクリーンショット)
「仁」の文字は決まっているため、悠に久をからめて悠仁(ひさひと)に?(画像は『神道政治連盟』のスクリーンショット)

 

◆女性宮家創設には反対

神社本庁は『神社新報』なる新聞も発行している。秋篠宮さまの立皇嗣の礼が済んだあたりから、紙面は「皇統は万世一系」や「男系男子で継承」という言葉が喧しく並ぶようになった。どちらかというと、秋篠宮さまより悠仁さまを、国や皇室の宝物として称えていることが文面から伝わってくる。

ただし、興味深いのは2012年1月16日付の論説「皇室典範改正問題 検討方法に十分な時間を」だ。女性宮家の創設を検討し始めた野田内閣に対し、神社庁は「悠仁さまがいらっしゃるのだから」と考えを改めるよう訴えている。

今回の検討開始のきっかけとなったものは、十月五日におこなはれた羽毛田信吾宮内庁長官の野田首相に対する三十分程度の説明と進言だったといふ。

(略)

首相が「女性宮家」問題に関して、さうした感覚と認識を持ったとするなら、考へを改めるべきだ。

(略)

長官がこの時期に進言した理由としては、秋篠宮家の二方の内親王のうち長女の眞子内親王殿下が昨秋に成人され、結婚年齢に達せられたことが大きいといはれてゐる。

 

眞子さんと小室圭さんが親しく交際するようになったのは、2012年の6~7月ごろ。もしもここで、発言に強い力がある神社庁が女性宮家に反発していなかったら、小室夫妻でひとつ宮家が創設されていた可能性がある。これは危なかった…とは思う。

 

◆神社本庁と統一教会

強烈な「男系男子論」をぶつけてくる神社本庁、および日本会議と自由民主党はまさに三位一体。ところが安倍氏銃撃事件を受け、自民党と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の癒着が大きく発覚した。

そもそも神社と旧統一教会は宗教的に相容れないはずで、教祖の故・文鮮明は昭和天皇の暗殺や日本侵略すら望んでいた。なぜ自民党は両極端な2つの宗教法人と、長いことうまくやってこれたのだろう。

神社本庁は「自分たち神社関係者の大きな票田で当選させてあげている」くらい思っていただろう。推薦する議員と教会との蜜な関係を、果たして知っていたのであろうか。

 

それにしても、こうした映像をみるたびに恐ろしさしかなくなる。どちらも短い動画なので、是非ご覧いただきたいと思う。

 

◆櫻井よしこさんとタッグ

神道政治連盟が催す改憲イベントなどで、必ず中心的立場で登壇するのが「極右の女神」こと、ジャーナリストの櫻井よしこさんである。女性でありながら強烈な男系男子論者なのが不思議でならないが、2017年5月、産経新聞発行の『別冊正論』で組まれた櫻井よしこさんの特集記事をめぐり、『リテラ』がとても面白いことを書いていた。

これは赤坂・氷川神社であろうというのがもっぱらの噂である(画像は『リテラ』のスクリーンショット)
これは赤坂・氷川神社であろうというのがもっぱらの噂である(画像は『リテラ』のスクリーンショット)

 

実は、櫻井氏は住宅地でなく、“神社のなか”に住んでいるのだ。

 

東京・港区の一等地にあるH神社。素盞嗚尊(すさのおのみこと)などを御祭神とする有名な神社だが、そんなH神社の木々茂る東側入り口から境内に入ると、社殿の方へと向かう道脇に、衝立で囲われた一軒家がある。

 

白を基調とした外観の巨大な鉄筋コンクリート造の建物。表札こそ見当たらないが、ここが「櫻井良子」の自宅である。

 

登記簿によれば、地上2階地下1階、総床面積約520平方メートルに及ぶ、個人の邸宅とは思えないような超のつく豪邸。ちなみにこの建物には建築した2004年の翌年、2005年に1億7000万円の根抵当権がついているが、わずか6年で抹消されている。

 

場所については、「素盞嗚尊(すさのおのみこと)などを御祭神とする港区の有名な神社H」がヒントであれば、赤坂にある氷川神社のことになるだろう。こちらはその氷川神社の境内の図。ここにはないのに、下のGoogle Earthの画像には存在する白亜の豪邸。それが櫻井氏の住処ということ…?

 

なお、朝日新聞は2021年に「神社界の実力者」として、歴代最長4期目の神社本庁総長である田中恒清氏と、神道政治連盟会長である打田文博氏の名を挙げ、櫻井さんが「美しい日本の憲法をつくる国民の会」をおおいに盛り上げていることを紹介している。

気になるのは、櫻井さんに旧・統一教会を擁護する一面があること。Wikipediaには、関連する勤務先やエピソードについて書かれていた。それを理解した上で、神社庁は櫻井さんとタッグを組んでいるということ…!?

櫻井よしこさんは旧統一教会を擁護(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)
櫻井よしこさんは旧統一教会を擁護(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)

 

◆内閣にも強い発言力を発揮

関連組織の神道政治連盟が、所属の議員を内閣に大量に送り込んできたせいで、神社本庁はとにかく強気である。『時の流れ研究会』なる会をも結成し、平成から令和へという天皇の譲位による「御代替わり」では、なんと6回も見解や要望を提示。現在の皇位継承問題においても、様々な形で内閣に働きかけを行っているもようだ。

『神社新報』に、こんな記事を見つけた。

本紙は先週号で、神社新報社が設立した「時の流れ研究会」が四月十九日に発表した「皇位の安定的な継承を確保するための諸課題」についての見解を掲載した。

 

同研究会は、二百余年ぶりの御譲位による皇位継承においての諸儀式・行事などの望ましいあり方について専門分野の学識者などによって検討を重ね、これまで六回に亙り見解・要望を提示してきた

 

今回の見解は、御代替りに伴ふ一連の諸儀式の最後となる立皇嗣の礼にあはせて発表すべく準備が進められてきたものである。

 

すでに二月十日の衆議院予算委員会において菅義偉内閣官房長官は、政府部内では「事務方が有識者から個別に話を伺ふなど、最近の議論の動向などを踏まへて検討をおこなってゐるところだ」と答弁してゐる。

 

今回の見解における提言が、政府の今後の検討に裨益し、皇室に関心を有する多くの人々の参考となることを期待したい。

 

(論説 御即位満一年を迎へ 皇位継承の安定化に尽力を 令和2年05月04日付)

 

この組織の人々には、自分たちが内閣を牛耳っているという意識がありそうだ。もしも秋篠宮さまが天皇になるなら、「軽い神輿」となるのは目に見えている。その世には、皇室をも簡単に牛耳れると考えているのではないだろうか。

 

◆上納金システムから解放される

面白いのは、神社にはその土地の神社庁から離脱しても、大したデメリットがないこと。その土地や神社の規模、そして初詣の参拝客数に応じて納めることになる分担金から解放され、代表役員など人事を決める際も、神社本庁から承認を得る必要がなくなるそうだ。

経済基盤がしっかりとしている神社は特に加盟しているメリットもなく、一方の神社本庁は、そうした上納金システムにより年間に10億円ほどの収入、さらに寄附をも得ているという。

そんな神社本庁については、「自浄を願う会」というのが結成されている。『自浄.jp』には様々なゴタゴタが赤裸々に紹介されており、ちょっと目を通してみたが、驚くような話ばかりだった。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

画像および参考:
『東京新聞』「こんぴらさん」が神社本庁を離脱 大嘗祭の供え物届かず「天皇陛下にも不敬極まりない」 2020年11月18

『東京新聞』鶴岡八幡宮が神社本庁を離脱へ 総長ポストで対立?「こんぴらさん」に続き…ゴタゴタ収まらず 2024年3月12日 20時42分

『ANNnewsCH』「安倍派中心に関係強化を」旧統一教会 創始者・文鮮明氏が信者に政界工作説く(2022年11月7日)

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『宮内庁』秋篠宮家のご日程 (平成18年)

『宮内庁』秋篠宮家のご日程(平成28年)

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『リテラ』“極右の女神”櫻井よしこは「神社」に住んでいた! 神社本庁と改憲運動の一方、神社の所有地に520㎡の豪邸

『Google Earth』東京都港区赤坂6丁目10−12

『赤坂氷川神社』境内の地図

『神道政治連盟』神政連って何?

『自浄.jp』神社本庁の自浄を願う会

『神社新報』論説 令和初の新春を迎へ 斯界挙げ今年の課題に対処を 令和2年01月13日付 2面

『神社新報』論説 立皇嗣の礼を終へて 今後の皇位継承に向けて 令和2年11月30日付

『神社新報』論説 御即位満一年を迎へ 皇位継承の安定化に尽力を 令和2年05月04日付 2面

『Wikipedia』櫻井よしこ

『女性セブン』神社本庁の集金システム 全国約8万の神社から10億円の収入 2016.10.20

『エトセトラ・ジャパン』最高裁判事経験者2名が「女性天皇」推し 皇室典範改正は有識者会議の座長次第なのでは…?【前編】