写真52番タイワンウチワヤンマには新しい関節と脚が? まだまだ出てくる悠仁さまトンボ論文の謎
秋篠宮家の長男・悠仁さまによる『赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―』。悠仁さまには残念なお話だが、国民からの「ご指摘」はまだまだ終わりそうな気配はない。
写真No.19でオツネントンボの脇に昆虫針、そして肩に白い端子状のモノを発見してくださった、神奈川県在住のHさん。そしてX(Twitter)のあるフォロワーさんから、このたびほぼ同時に「写真52番・タイワンウチワヤンマの止まり方、脚がおかしくないだろうか」という疑問の声が寄せられた。
◆写真No.52はどうおかしいのか
あら、52番さんだってサークル綱渡りに見えちゃいましたケド🙄
植物の茎で縄跳びしてますか?
止まって居るのでしょうか? pic.twitter.com/0ei2XSjfb2— bunchan (@bunchan86447563) February 10, 2024
筆者は、体長が7cm強もある種類なのに、ずいぶん細い枯れ草に止まっているなという印象はあったものの、脚のことはあまり見ていなかった。さすが皆さんの注意力は素晴らしい! Hさんからのメールにも「このトンボ、どうやって体を支えているのでしょうか」とあり、説明のための画像が何枚か送られてきた。
Hさんからは「茎を掴んでいる脚が1本もなく、中脚と後脚の左右4本が茎より手前にある」とあったが、プラス、異物が存在するというのだ。
水色の丸で囲んだ部分に、関節のような感じの黒々としたモノがあることがおわかりになるだろうか。
そして、中脚付近がどうにもゴチャゴチャとしている。Hさんのメールには「最も謎なのは、左の後脚付近に正体不明の物体があることです。何でしょうね、この超極細なパーツのような物体」とあった。脚に色が大変似ているようだ。
まさか新しい関節とそこから生えてきた新しい脚…? 胴部の右側がどうなっているのかも見てみたいものだ。
なおHさんによると、トンボの体長を75mmと仮定してこの物体の大きさを推定すると、約0.5mm x 1.0mm、583px、 物体 4px x 8px)となるそうだ。皆さんも確認される場合は、下のいずれかの論文の15/25頁にある写真No.52を500%まで拡大してご確認頂きたいと思う。
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■『J-Stage』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―
■『国立科学博物館』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―
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◆ほかのタイワンウチワヤンマも確認
他のタイワンウチワヤンマはどうなのか。Googleの画像検索でオスを探してみたが、胴部の下から何かモノが生えている個体は、どうやら悠仁さまの論文のトンボだけのようだ。
また、止まっている状態についても、他のタイワンウチワヤンマの写真をあれこれ検索して確認したが、悠仁さまの論文の写真とはまるで違うようだ。
枯れた草や茎に止まっている写真がとにかく多いが、悠仁さまのトンボ論文のような「極細」の草に止まっているトンボは、どうしても見当たらなかった。草の場合、止まると自分の重みで丸くたわみ、ユラユラと揺れてしまう。どのタイワンウチワヤンマもしっかりと脚を絡め、掴まっていることがわかった。
◆まとめ:堂々と標本を並べればよかったのに
悠仁さまは「この写真おかしくない?」と疑われるような事をせず、堂々と標本の写真を並べればよかったのに…とつくづく思う。トンボ研究の権威・須田真一氏と清拓哉氏が調査を行い、2014年3月に発表した論文『皇居のトンボ類』でも、トンボ写真の後半は標本がずらりと並べられているではないか。
このたびの論文でそうならなかった理由は、「長いこと赤坂御用地のトンボ調査で発見されなかった種類のトンボ、絶滅危惧種、準絶滅危惧種を悠仁さまが次々と発見し、写真撮影にも成功!」と報じてもらいたかったからであろうか。
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
画像および参考:
・『デジタルトンボ図鑑』神戸のトンボ ― タイワンウチワヤンマ
・『J-Stage』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―
・『国立科学博物館』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―
・『国立科学博物館』皇居のトンボ類