奇妙すぎるトンボ論文写真No.74について皆さまからのご意見 2名はなんと「ここにも異物が」
先月こちらで、秋篠宮家の長男・悠仁さまのトンボ論文に掲載された画像No.74:コシアキトンボ・オス・羽化(菖蒲池)2022/06/01が、翅といい、撮影時の状況といい、どうにもあり得ない奇妙な写真であることをご紹介した。
■トンボ論文お次はコシアキトンボの写真74番 後ろの翅の画像を合成か
■写真No.74コシアキトンボ羽化 特徴の「早朝」「倒垂型」「ヤゴ殻」なく
コシアキトンボの羽化には「早朝」「倒垂型」「ヤゴ殻にずっとぶら下がる」という3つの特徴があるそうだが、悠仁さまの論文ではそれらを無視。たくさんの個体を目撃したという記述が本文にあるのに、なぜか不具合だらけの個体の写真が掲載されている。
不気味なものを感じるこの画像に、広く皆様からご意見・ご感想を伺ってみたいと感じ、ブログで呼びかけてみたところ、たくさんのメールを頂戴した。X(Twitter)に寄せてくださったお声も含め、ご紹介させていただきたいと思う。
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論文P146コシアキトンボ本文には、産卵、交尾、幼虫、羽化殻を確認とある。羽化とは書いていない。写真73,74とも嘘くさいですね。羽化したてでも縁紋はくっきりとあるのが本来。
神奈川県在住の昆虫写真家、尾園暁さんのブログ『トンボ湘南むし日記』から羽化殻付きの写真を送ります。羽化殻にたかったような状態。羽化したてでも、もちろん縁紋もきれい。
(うのきぬこさんより)
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倒垂型のトンボの羽化時間は20~30分、その前に、場所選びなど羽化準備に30~60分。春は昼間だが、暖かい時期は夜間に羽化し、じっと待ち日が昇る前に飛び立つ ― と『昆虫バイブル』さんの「ヤゴ羽化までの期間と時間について」に。
論文画像の2022/06/01は暖かい時期。夜間の羽化直後翅が開ききらぬ状態で採集、昼間別な処に置き、悠仁様が撮影と推理も可能では?
(bunchanさんより)
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よりによってこの異常な写真を論文に掲載した理由は、ズバリ「手間をかけて、せっかく捏造作業をしたから」だと思います。
こういう「思い入れ」がなければ、”あちこちでたくさん見られた”と説明文に書いているコシアキトンボの自然な写真を排除してまで、この異常写真を選ぶわけがない。
(AkikoHSさんより)
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私にもう犯罪を起こさせないで、って犯人が叫んでいる、とか言う小説パターンを思い出したw。
齟齬のある写真を選んだのも、指摘して欲しかったとか、深読みか笑
(yukino fumioさんより)
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翅の展開不良についての私の推測です。
(長野県在住のMKさんより:その1)
ヤゴが水中から出るとき、あたりに草の茎などがなかった。しかたがないので、壁面を登ることにした。
壁は木で羽目板(重ね板)のような状態で、全体としては垂直だがそれぞれの板は(オーバーハングしない方向に)わずかに斜めになっていた。
ヤゴは倒垂型の種で、オーバーハングがなければ羽化できない。登って行くと、羽目板の木の継ぎ目が段(オーバーハング)になっているところを見つけた。そこでヤゴは体の傾きから羽化に必要なオーバーハングであると判断した。
しかし、それまで登っていた壁(下の板)はオーバーハングとは反対向きにわずかに傾いており、羽化には都合が悪いはずだが、壁面に近い位置にあるヤゴの目からは、それらを客観的に把握することは困難だった。(羽化直前のヤゴの目に周囲がどのように映っているかはわからないが…)
それで、壁面に張り付くようにして、しかも充分に反り返ることもない体勢のヤゴからの羽化となってしまった。
その状態で頭部と胸部がヤゴから出て、腹部がヤゴの中に残る形で垂れさがってしばらく休止する。そのときに壁面に背中を向けることになるのだが、背中の翅が壁面に触れる(またはぶつかる)可能性の高い状況になる。
壁面には乾いたコケのようなものが付いていたので、それらに触れた結果、あるいはヤゴの腹部の先などに触れた結果、まだやわらかい翅の一部が傷つき、変形した。それが後に翅を乾かす際に、展開不良となる原因となった。
あるいは、腹部を引き抜いてから翅を乾かす段階でも、翅が壁面に当たってしまうなどの問題が起こったかもしれない。
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国立科学博物館は何しているんだ、これで東大推薦入学なんて冗談でしょ、といった意見が多いようですが、私は筑波大附属高校のダメージが一番気になります。
きちんとした研究を行い、真実に従って論文を書くようちゃんと指導されているのに、これはひどすぎる。こういう勝手なことをされ、おまけに悪い話題が広まってしまうと、「やっぱり入って欲しくなかったんだよね」と蒸し返されるだけです。
(東京都在住:Mさんより)
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息子は幼い頃から昆虫好きで、飽きることなく何冊もの昆虫図鑑を眺めていました。虫を見つける度に、得意になってあれこれ説明していましたが、幼い頃に覚えた知識はずっと残るのか、10代になっても変わらず昆虫の知識を披露しています。
正しいコシアキトンボの羽化の写真を見せながら、息子に「このトンボ何につかまってるんだろう。トウスイ型ってなに?」と尋ねたところ、「ヤゴ殻に必死に掴まって朝を待ってるの。倒垂型のトンボは、どこかにぶら下がりながら羽化するんだよ」と教えてくれました。
「さすが昆虫博士!」と褒めると「え、こんなの普通だから」と。悠仁さまは、本当にトンボ博士だったのでしょうか。
(北海道在住:Eさん)
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こちらは某推理小説のパロディーです。『羽化連盟』なんていかがでしょうか?
(長野県在住:MKさんより:その2)
「よろしくお願えしますだ!」
依頼人のMK氏はドアを開け、いかにも農夫らしい歩き方でドタドタと階段を降りていった。入れ違いに入ってきたハドスン夫人が持ってきてくれたお茶でのどを潤しながら、私たちはしばらくだまって考えこんでいた。
私はホームズに声をかけた。
「MK氏が持ち込んできた画像No.74について、私もあれこれ考えてみたんだが…」
「ああ、ワトソン。君の推理を聞こう。話してみたまえ。」
私は考え考えしながら、話し始めた。
「まず、No.74で分かっていることを整理してみた。
一つ目は、この個体は左後翅がしっかりと展開していない。
二つ目は、池の周囲の壁のようになった木材の、ヤゴ殻の近くにとまっている。
三つめは、No.74のコシアキトンボは、倒垂型の羽化をするので、こんな鉛直な壁面は羽化に適していない。ということだ。」
「そうだね。続けたまえ、ワトソン。」
「こういう推理はどうだろう。
研究者はビオトープを作っていたとする。そこでコシアキトンボのヤゴを育てる。ある朝、ヤゴが棒を登って羽化を始めた。翅の展開が始まったころ、まだ翅がやわらかいのに研究者が触ってしまった。扱いを誤って、翅を指でつかんだので、翅のうちの一枚、左後翅だが、それが折れ曲がったり変形してしまう。もちろんそれでは飛べないので、壁面に連れていき、飛べないのを幸いと、ヤゴを壁にくっつけて、成虫もそこにとまらせて撮影した。」
「すばらしいよ。ワトソン。ぼくもそれと同じことを考えていたところだ。だがね。こうしてまだ充分な証拠が揃っていないときは、同時に様々な場合を想定して考えてみることも大事だと思うんだ。」
「なるほど。どんな考えか聞かせてほしいな。」
「ここでは、全く異なる方向から考えてみよう。翅の変形が人の手によらないとし
た場合だ。」
「人ではない? いったい誰の仕業なんだ? ホームズ。」
「場所さ。この鉛直な壁が犯人だと考えてみたんだよ。これから、水中から出て羽化に至るヤゴの行動を想像してみることにしよう。まず、水の中から出ようとした場所が問題だった。草の茎ならよかったのだけどね。困ったことに、上に向かうためによじ登ったところは、池の周囲の壁面だっんだ。しかもそこは、羽目板のように鉛直からわずかに傾いた木材を端で少し重ねるように組み立てられていた。ヤゴはそこをオーバーハングを求めてよじ登っていく。こけむしさんの家では何とサンダルの甲をオーバーハングとして使っていたな。」
「待ってくれ、ホームズ。この壁面でオーバーハングするところなんてあるのか?」
「それがあったのだよ。ワトソン君。見たまえ。このヤゴの位置を。」
「本当だ。この板と板の境目で、僅かに段差になっている。」
「そうなんだ。この場所でヤゴの態勢は少しだけ仰向けに近くなる。ヤゴはオーバーハングを感じたのだ。そして、ここなら羽化ができると判断した。」
「え? ここではまだ危ないぞ。下の木材はオーバーハングとは反対向きの傾きだ。」
「ヤゴの目は壁からそんなに離れていないからね。広く見渡して客観的な判断をすることはできなかったんだろうね。」
「そこで、羽化。頭と胸をヤゴから出した。と…」
「そう。傾垂型の羽化では、腹部の先を殻の中に残して、頭を下に向けて逆立ち状態でしばらく休止する。」
「わかったぞ。ホームズ。そのとき背中の翅は壁やヤゴ殻の尖ったところとかに当たる可能性がある!なるほど。そのときに翅が傷ついた可能性も高いな!」
「そうなんだ。そして翅を損傷する機会は更にまだやってくる。休止期間が終わると、成虫は脚でヤゴに捕まって腹部を抜き出し、腹部と翅を重力に従って下垂させる。すると…」
「このヤゴはそんなに大きく頭を持ち上げてないようだから、腹部や翅は壁面に近い…」
「だから、そこでも損傷する可能性は高い。そんなこんなで結局、左後翅は完全には展開せずに折れたり一部が縮んだりしたままになってしまった。」
「羽化に失敗する個体もたくさんあると聞くが、この個体もそういう不運にみまわれてしまったのかもしれないね。」
「そうやって考えると、羽化というのはとてもリスクの高い行動なのだろうね。」
ホームズは、そういいながら、パイプをくゆらせ、遠くを見つめるような目をした。
「ねぇ、ホームズ。君はまだ先へと考えを進めているんじゃないのか?」
「聞いてみるかい?」
「ああ。」
「私が考えているのは、MK氏が1週間前に持ち込んできた No.66 のイネとアキアカネの画像なんだ。」
「MK氏は『わしゃ、分げつ期にこんな形したイネは見たことねえんでさぁ。』って、ずいぶん熱く語ってたなぁ。」
「ははは。彼にとってみれば現場そのものだからなぁ。無理もない。で、あの画像のイネの茎で、アキアカネはどのように羽化したのかを考えてみよう。君が考えを進めてくれるかい。ワトソン。」
「了解。まず、ヤゴが水の中から出ようとする。アキアカネの場合にはイネの茎がいっぱいあるから問題なさそうだな…そして、茎を登っていく。そしてアキアカネの羽化は倒垂型、と… 待てよ、ホームズ。この茎は鉛直じゃないか。オーバーハングなど見つからないぞ。私がヤゴなら、上の方の葉っぱの付け根まで登ってから羽化するだろうな。そここそがオーバーハングの場所なはずだ。」
「そこなんだよ。この画像の不思議さは。アキアカネは羽化の最初に腹部の先を殻に残したまま頭を下に向けて下垂し、休止する。そのときに、鉛直な茎だと、ヤゴ殻の先の鋭いとげに翅が接触する危険がある。そんなところで羽化しようなどとは、本能にプログラムされてないだろう?」
「まったくその通りだ。この場所で羽化をするのは不合理かつリスキーだね。」
「もし君の言う通り、茎の上の方で羽化したとしたら、こんな茎の途中までわざわざ歩いて戻ってきたりするかい?」
「しないだろうね。飛び立って戻ったとしても、葉の上にとまるていどだろうね。だとしたら、こんな鉛直な茎で羽化したことになるが…」
「そこに最も大きな謎があるんだよ。そして… もう一つ、N0.66には重要な登場人物がいるのだ。このヤゴ殻。アオイトトンボの仲間のヤゴの形をしているね。」
「腹部の先に尾鰓が付いているよね。」
「そうだ。この仲間の羽化は直立型だ。ただし、翅を重力に従って下垂して展開させる、という点では倒垂型と同じ、という、ややこしいヤツだな。羽化の時は、頭部と胸部を殻から出す。そのときの休止の姿勢が傾垂型と異なるんだよ。頭を上に向け、頭部と胸部はヤゴと平行。その姿勢を腹部が支えている。」
「それなら、背中の翅は茎と反対側にあるから、どこにも接触しないね。」
「そのとおりだ、ワトソン。これならば翅の損傷の心配はない。それだけじゃないぞ。この仲間は翅幅が狭く、しかもそれに比べて長い足を持っている。だから、垂直な茎であっても、どこにも触れずに翅を展開することができる。」
「なるほどねぇ。だから、アオイトトンボの仲間は5月頃からイネの茎が鉛直になる夏・秋にかけても水田で羽化ができるんだな。それに対してアキアカネは、分げつ期ころにオーバーハングした茎葉を利用してさっさと羽化を済ませ、涼しいところに避暑に出かける。それぞれの種のライフスタイル(生活様式)が、イネの成長にぴったり合っている、っていうわけだ。」
「まったくそのとおりだね。自然っていうのはみなつながっている...」
そう言うとホームズはまた、遠くを見る目をしてパイプをくゆらせ始めた。
「ねぇ、ホームズ。そうなると、このNo.66ももう一度調べなおした方がいいな。私たちはNo.74だけでなく、No.66にもこれまで以上に大きな問題がある、という新たな課題をも抱えてしまったことになるよね。」
「そう。だから、情報を求むって新聞に広告を出しておいた。そろそろ何か新しい展開が始まりそうな気がするよ…」
ドアをノックする音が聞こえ、紙片を持ったハドスン夫人が入ってきた。
「電報ですわ。ホームズさんに至急お知らせしたいことがあるって…」
◆「異物を発見」と2人の方から
コシアキトンボの胴体の黄色い部分の右側と翅の間に、虫ピンみたいなものがあるように見えませんか?
反対側が見えないのでなんとも言えませんが、ピンの上に翅が広がっているので、両方にあって上から差し込む感じで胴を挟んでいるのかな。
(T県在住のNNさんより)
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74番コシアキトンボの左前翅の付け根に、何かが刺さっていますので、画像を添付します。
(神奈川県在住のHさんより)
左側と右側とでちょっと違うので、トンボの体に元からある自然のものとは違うように思います。ブログの『荒川昆虫記』さんに、未成熟のコシアキトンボの背中を捉えた写真を見つけました。
74番写真に写っている物体は、フランジ付の六角ボルトとナットのようにも見えます。
この「ナット」の大きさ(対角距離)をトンボの全長との比率をもとに推定すると、約1.5mm〜2mmくらい。JIS規格での「ねじの呼び」M1.6(対角e= 3.41mm)サイズのものより小さいです。精密部品用に加工された特殊なもの、あるいは模型用の製品でしょうか。
ボルトは翅を貫通しているようですが、軸が浮いていて細く、ピアスみたいに付いてるだけで、トンボを板に固定する役目はないようにも思われます。一体何のために?
また、撮影場所は、菖蒲池中央付近にかかる木の橋の上だと思いますが、倒垂型のトンボはこんな平らな所で羽化しません。やはり、別の場所で捕獲した個体を撮影用に持ってきたのではないかと思います。
トンボが飛び立たないように、翅に細工したのでしょうか。
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ご意見を寄せてくださった皆様に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました!
◆まとめ
生物学の学術論文は調査で得たデータを誠実に記述し、正しい鮮明な画像を添え、読み手に真実を伝えることが何より重要である。
その道の研究者を目指すとしながら、なぜ筆頭著者デビュー作品とも言える『赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―』は、これほどまでに杜撰な仕上がりなのか。
悠仁さまは国民の側からあがる疑義の声にしっかりと向き合い、是非とも成年会見の場でご説明をいただければと思う。
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
画像および参考:
・『J-Stage』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―
・『国立科学博物館』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―
・『note』AkikoHS コシアキトンボの異常な羽化姿を説明なしに論文掲載したA宮ぼったまや共著者たち。その理由を私はこう考えます
・『荒川昆虫記』蜻蛉の仲間 ― コシアキトンボ
・『エトセトラ・ジャパン』あまりにも不可解な「トンボ論文写真No.74」なぜそうなった… 皆さまの推理や考察をお寄せ下さい