ツクフの生徒さんの研究作品はここまで高レベル あのトンボ論文を「学校推薦も当然」と報じるメディアは無責任すぎる

この記事をシェアする
2016年『科学の芽』賞・中学生の部の受賞者たち(画像は『筑波大学』のスクリーンショット)
2016年『科学の芽』賞・中学生の部の受賞者たち(画像は『筑波大学』のスクリーンショット)

 

秋篠宮家の長男・悠仁さまの大学進学に関するヤフーニュースで、とにかく気になるのがマネーポストWEBによる『【悠仁さまと東大推薦入試】トンボ論文「特権」批判が的外れといえる2つの理由 一般受験生の提出書類にも「大人の添削」は当たり前、研究者としては不自由な立場』という記事である。



昨年11月発表の『赤坂御用地のトンボ相』論文について、これだけ全国の方々(約半数の方が理科の先生方であることも特徴)から画像や記録に関して疑義の声が集まり、「撤回あるいはきちんとした説明を」と求められているにもかかわらず、放置しておられる筆頭著者の悠仁さま。それにマスコミが加担し、論文そのものにある「不正疑惑」から国民の意識や視点を「共著はズルではない」に逸らすような記事ばかり放つわけだ。

問題の記事には、東大の推薦入試を受験することを目標とした場合、あそこまで完成度の高い論文にする必要はないという一文があり、呆れていたところ、ある読者さまから貴重な情報がコメントとして寄せられた。

 

匿名希望さんより

 

筑波大附属中学でもこのレベルです。
「クワガタは右利き? 左利き?」

 

文章レポートだけでない、実地の学生の姿に真の研究素質を感じます。

https://www.tsukuba.ac.jp/community/students-kagakunome/shyo-list/pdf/2016/jrhs1.pdf

 

自室で多数のクワガタムシを用いた実験を行ったのは、筑波大附属中学校1年生の嶋田星来さん。調べてみたところ、2016年の第11回『科学の芽』賞・中学生の部を受賞した8名のうちの1名であった。


 

◆知的好奇心や研究の動機からして違う!

「匿名希望」さんより案内されたPDFを開くと、最初の「研究のきっかけ」にはこう書かれていた。

甲虫のはねの構造は前翅と後翅からなり、硬い前翅の内側に折り畳まれた薄くて柔らかい後翅が格納されている。標本を作る時に、前翅を開いてみると、その下には約半分の長さに折りたたまれた左右の後翅がぴったりと重なり合って格納されているのがわかる。何回かクワガタムシで見た記憶ではいつも右側の羽根が左側の翅の上(前面)にあった。そこで常にクワガタムシの後ろ羽は右側が上になっているのではないかと仮説を立ててみた。誰に教えられたわけではなく、いつもクワガタムシが右側の翅を左側の翅の上に重ねているとすれば、それも遺伝子によってプログラムされているのかもしれない。この仮説を確かめるため、標本用に保管しておいたクワガタムシや生きているコガネムシなどを調べてみることにした。

 

「クワガタムシの利き手を知ろう」とは、昆虫好きならではの発想と知的好奇心であろう。

クワガタの利き手を知るためには、ここまでする必要があった(画像は『●』のスクリーンショット)
クワガタの利き手を知るためには、ここまでする必要があった(画像は『筑波大』PDFのスクリーンショット)

 

筑波大附属中学校の生徒さん。昆虫をより深く知ろうとする知的好奇心が素晴らしい(画像は『●』のスクリーンショット)
筑波大附属中学校の生徒さん。昆虫をより深く知ろうとする知的好奇心が素晴らしい(画像は『筑波大』PDFのスクリーンショット)

 

非常に優秀な生徒さんがそろう筑波大附属の、本物の「研究者の卵」である嶋田星来さん。中学校1年生でもこれほどまでの実験をやり遂げていた様子には、まさに天晴れである。

 

◆『科学の芽』受賞者たちが取り組んだ研究の内容

ちなみに筑波大学のホームページによると、嶋田さんは筑波大附属小学校6年生で「クワガタムシの死んだふりのひみつ」という実験の結果を発表し、第10回『科学の芽』では奨励賞を受賞していた。たゆまぬ努力で着実にステップアップし、次の年に最優秀賞を獲っていたことがわかる。

『科学の芽』賞は、昨年9月にこちらでも『筑波大主催の小中高生向けコンクール締め切り迫る! 悠仁さまが参加なら審査員は忖度せずにいられる…!?』という記事で紹介していた有名なコンクールである。

嶋田さんと喜びを分かち合った2015年、2016年の受賞者たちは、小学生~高校生までどういった研究に取り組んでいたのか、最後にそちらをご覧いただきたい。

 

『筑波大学』第10回「科学の芽」奨励賞 受賞者

『筑波大学』第11回「科学の芽」受賞者

 

「ぼくんちの庭や池にこんなトンボが飛んでいたよ。写真も撮ってみたよ。ヤゴも入手してメダカを与えたら羽化したよ」では賞など取れない。そんな現実が、この表からもよくお分かりいただけると思う。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)



画像および参考:
『ヤフーニュース』【悠仁さまと東大推薦入試】トンボ論文「特権」批判が的外れといえる2つの理由 一般受験生の提出書類にも「大人の添削」は当たり前、研究者としては不自由な立場

『筑波大学』第10回「科学の芽」奨励賞 受賞者

『筑波大学』第11回「科学の芽」受賞者

『エトセトラ・ジャパン』筑波大主催の小中高生向けコンクール締め切り迫る! 悠仁さまが参加なら審査員は忖度せずにいられる…!?

2件のコメント

  • 論文の完成度が高いと言われる方は、おそらく収集したデータのまとめ方、専門用語の使い方、結論の付け方、などのレポートの体裁を仰っているのだと思いますが、そのような基盤になる部分は、練習すれば誰でもできることですので、評価の対象にはならないです。重要なのは、アピールしたいことが何かで、それを悠仁様ご自身がきちんとお持ちかどうかです。少なくとも、論文単体からは、私は読み取ることはできません。ましてや、内容に不正が疑われるものなら尚更です。悠仁様が、熱意をこめてプレゼン、質疑応答をなさらなければ、それが伝わることはないでしょう。最高学府ご進学にふさわしい方かどうかのポイントはそこです。

  • なるほど。賞を貰う人は目の付け所が違いますね。
    そして、それを調べよう、研究しようとする。
    ただこんなトンボがここに居たよだけでは駄目なのですね。
    トンボ論文を読んだ訳ではありませんがここに載せて戴いてる疑問点など見ると
    悠仁さまが書かれた論文は深く追及していないように思えます。
    写真や説明文もおかしいようで。でも、なぜそのことに研究者は気づかないのか。
    逆に悠仁さまの書かれた部分は添削してはいけなかったような。

    何かに秀でた人は違うなと改めて思いました。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA