トンボ論文不正疑惑を海外に広めたエリザベス・ビク博士 専門家らが強すぎる正義感を心配か

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ギリシャのアテネで今月上旬に開催された『WCRI 2024』。研究や論文の不正を暴くスペシャリストや学術誌の編集者たちが集う国際会議だが、ここで大きく期待されたのが、捏造された画像の分析においては世界最強と言われているエリザベス・ビク博士による、日本の悠仁さまのトンボ論文の紹介であった。

WCRI2024においてセミナーを持ちたいと申請をしていたにもかかわらず、寸前でその機会を拒否されたビク博士は、納得できない様子をX(Twitter)に綴っていた。一方、WCRI事務局は日本のあるブロガーさんからの問い合わせに「セミナーの申請はあったが、概要を提出しなかったから却下した」などと説明したが、そこに「日本の権力者からのアプローチなどは断じてないと言える」と強い文章を添えており、長めの返事であることにヘンに怪しいものを感じてしまう。

そんな不可解な展開のなか、筆者は神奈川県在住のHさんという方からメールを頂戴した。ビク博士の数ヶ月前のXに気になる点を発見したというのだ。なお、悠仁さまのトンボ論文がビク博士の目に留まったのも、Hさんが訴えた画像「No.19/オツネントンボ」についての疑義であった。



 

◆各種の申し込みと締め切り日

WCRI2024において、投稿論文や各種の発表など参加を募集する “Call for papers”、“Call for Sessions” をウェブ魚拓でたどってみたというHさん。プレゼンの抄録もワークショップの提案も、スケジュールを確認したところ、トンボ論文の問題が公になる前の2023年中にすべて締め切られていた。

2023年5月2日 ワークショップ、プレナリーセッション、シンポジウ ム、フォーカストラックの提案についての提出期限

 

2023年9月21日 会議のプログラム枠にそれらが割り当てられる

 

2023年10月17日 プレゼンの抄録(abstracts)の提出期限

 

2024年2月15日 この日までに応募者に審査結果が通知される

 

2024年3月15日 採択された講演者の登録を締切る



 

◆セミナーを開催できると信じてアテネへ

こうした流れから、ビク博士のセミナー開催が却下された場合は、遅くとも今年の2月15日までに本人にそう通知されていたはずだ。つまりそれがないままビク博士は現地に向かい、会場入りし、6月5日にいきなりセミナーの開催を拒否されてしまったのだろう。

おそらく抄録の審査もパスし、本人はセミナーを開催するつもりで準備を整え、現地に向かったものと想像される。Hさんからのメールにも「プレゼンの内容について、より詳細のものを提出したところで誰かから横槍が入ったのでしょうか」と書かれていた。

 

◆2月中旬に何が起きた?

こちらは、ビク博士がXに2月17日に投稿した内容のスクリーンショットである。サンフランシスコ ― アテネの渡航および3日間の滞在費用にたった500ドルしか支給されないことを不満に感じ、スポンサーを募集しておられたようだ。

 

交通費がほんのちょっとしか支給されないことに困惑しておられるビク博士(画像は『X』のスクリーンショット)
交通費がほんのちょっとしか支給されないことに困惑しておられるビク博士(画像は『X』のスクリーンショット)

 

問題はこのスレッドの最後の一文である。

「やらない方がいいこと」という忠言が複数入り、「一体どうしちゃったのかしら」とビク博士(画像は『X』のスクリーンショット)
「やらない方がいいこと」という忠言が複数入り、「一体どうしちゃったのかしら」とビク博士(画像は『X』のスクリーンショット)

いち微生物学者として、不正な画像を分析するスペシャリストとして、常に研究や学術論文に「誠実さ」を求めてきたビク博士。そんな彼女に同じ世界の仲間が次々と「何をするべきで、何をするべきでないか」について忠告をしてきたもようだ。

ビク博士があのトンボ論文についてXに投稿し、「より鮮明なオリジナルの画像を提示していただきたい」と呼びかけたのは、同月9日のこと。あっという間に表示件数は10万人を超え、大量のイイネとコメントが寄せられた。

仲間たちの心配はおそらくビク博士の正義感が強すぎること。セミナーを行えば日本のプリンスによる呆れるような論文を暴く可能性があり、その後のことを強く心配したのではないかと想像する。

 

◆まとめ

Hさんのおかげで、この件について水面下でどんなことが起きていたのか、かなり様々な可能性が見えてきた気がする。ギリシャでWCRI2024を主催した事務局も、この仲間たちと同じようにビク博士の安全を考えて、セミナーを開かせないという強硬手段に出たのかもしれない。

あの杜撰なトンボ論文が天下の国立科学博物館に受理されただけでもおかしいというのに、さらに週刊誌は連日のように「東大の教授も称賛」「専門家らが絶賛」「東大を狙うのも当然」などと報じている。ただ、このあたりの情けない事実も海外にはしっかりと漏れ伝わっているだろう。こんな茶番劇はどこかでピタリとやめるべきである。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)



画像および参考:
『Wayback Machine』 WCRI2024 ― Abstracts-new

『Wayback Machine』 WCRI2024 ― Call for Sessions

『Wayback Machine』 WCRI2024 ― Scientific-Program

『X(Twitter)』Elisabeth Bik@MicrobiomDigest

『エトセトラ・ジャパン』不正論文分析の世界最強スペシャリスト、ギリシャの国際会議で何があった…!? 主催者の主張と合わない説明は何を意味する?

『エトセトラ・ジャパン』怪しいのはやはりWCRI2024主催者 HPのプログラムをいつまでも曖昧にしてエリザベス・ビク博士を牽制か

3件のコメント

  • 公の場で間違いを間違っていると言えないことに失望を感じます。世界的に有名な方にもこんなに簡単に圧力をかけ思い通りにしてしまえる。声をあげ続けているエトさん達は大丈夫でしょうか?心配です。
    私は思う。残念ながら東大は確定。嘘で塗り固めた学生生活の末人の研究を横取りしての卒業論文をにて卒業。きっと博士号も盗るだろう。
    東大の大学院で研究をしていた学生が「実験室から出て来ると時間の感覚が無くなっている。今はいつ?ここはどこ?ってなる」と言っていた。一体誰がこの計画を操っているのだろう?
    エトさん最後迄応援します。くれぐれも身辺にはお気を付けて下さい。

  • 皇室もそうですが(引退婆と次男一家だけだとおもいますが)、今話題の都知事の学歴詐称。
    日本という国は
    お金を出せば全てのことを思い通りに出来る、そんな国だったのですね。それも対外国。
    都知事も若い意欲のある不正に屈しない人が当選し、もうひとつの方は
    引退組が本当の意味で引退し、力を無くした某家は家を無くし平民に戻る。これを切に切に願います。
    エリザベス•ビク氏がこのような事になった事で、はっきりと間違いだらけの不正論文だと証明されました。

  • ビク氏が悠仁さまの論文の事をXに書いてなかったら
    セミナーは開催出来てたのでしょうね。
    ビク氏もこんなことになるとは思ってなかったでしょう。
    身の安全を考えると出来なくてよかったのか。
    関わると怖い皇室って、、、。

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