次々と建つ豪華な図書館 by清水建設 東大の巨大寄付金プロジェクトは今年も絶好調

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このところ、X(Twitter)でよく話題になる、秋篠宮家と清水建設の関係。『教養課程の東大駒場キャンパスで校舎1棟新築って悠仁さまのため? 農学部1号館の改修工事だけじゃない』という記事に続き、先日は一級建築士さんのご意見なども混ぜながら『東大駒場1号館改修工事もやはりココが受注 もう隠せなくなっている秋篠宮家と清水建設のズブズブ感』という記事を書いてみた。

今回は、東大の駒場キャンパスの図書館で始まる工事について。「東大よくそんなにお金があるね」と、不思議に思われる方も多いかもしれない。



 

◆駒場で図書館に新館が

2023年2月、東大新聞オンラインは「駒場Iキャンパスが再び姿を変えようとしている」として、『図書館増築、講義棟新営、1号館改修…… 駒場工事の全貌は』という記事を出した。1号館は改修工事が行われ、地上3階建ての講義棟も新しく建設されるが、今回注目したのは駒場図書館の増築計画である。

新たな図書館が隣に建てられるという東大駒場キャンパス
新たな図書館が赤い丸の部分に建てられる東大駒場キャンパス(画像は『東大新聞オンライン』のスクリーンショット)

 

現在、駒場キャンパスにある図書館は地上4階・地下2階で、総床面積 約8,600平方メートル。2002年3月に竣工し、同10月に開館したという。その東隣に2025~2026年の工期で新館として建つ「Ⅱ期棟」は、アーカイブ化、多目的スペース、グループワーク用エリア、アクティブ・ラーニング機能を持ち、建物は地上4階地下1階、総面積は約6890平方メートル、閲覧席1000席を予定しているという。

 

◆誰が建てるのか

駒場キャンパスの図書館増築を施工する業者については、上の画像の最下段にあるように「Private Finance Initiative(PFI)事業」とだけ示され、まだ詳細の発表はない。

一方、清水建設の公式ホームページから『PFI事業の実績紹介 ー教育・文化施設ー』を開いてみると、京都大学、金沢大学、千葉大学、大阪大学などの事例が計8件紹介され、うち東大が2件であった。

国立大学のPFI事業のうち、東大の案件を2つも手掛けていた(画像は『清水建設』のスクリーンショット)
国立大学のPFI事業のうち、東大の案件を2つも手掛けていた(画像は『清水建設』のスクリーンショット)

 

PFI事業とは、経営上のノウハウと高い技術を誇る企業に設計、建設、整備、運営、維持、リスク管理を効率的に行ってもらうことで、コスト削減が期待できるというメリットがあるそう。一方で、1度契約してしまうと7~30年という大変な長期契約となるため、見直しが必要になってもそれが難しいというデメリットがあるようだ。



 

◆清水建設との契約を疑う理由

筆者は駒場キャンパスにおける図書館増築・PFI事業を、やはり清水建設が担うものと予想している。

理由は、本郷キャンパスにある東大総合図書館。ここは明治25年(1892年)に文部省建築課が設計し、清水満之助(現清水建設)の施工で最初に建てられ、1928年には現在ある煉瓦造りの中期ゴシック様式が美しい総合図書館が竣工した。近年そこで続いた図書館改修・増築工事はことごとく清水建設によるものだ。

 

東大駒場キャンパスには立派な総合図書館がある
東大本郷キャンパスには立派な総合図書館がある

 

東大の総合図書館については、2016年に竣工した別館(地上1階・地下4階)もフォルムの独創性と美しさが評判で、なんと本館前の広場にある噴水の底から明かりをとっているという。

本郷キャンパス総合図書館の前に建てられた別館も清水建設によるものだった(画像は『清水建設』のスクリーンショット)
本郷キャンパス総合図書館の前に建てられた別館も清水建設によるものだった(画像は『清水建設』のスクリーンショット)

 

そして東大新聞オンラインは2020年12月、『総合図書館改修工事が完了 新たにグループ作業用個室などオープン』という記事を出していた。

そこにも清水建設の名があるが、辻昌志建築設計事務所の公式ホームページから『東京大学総合図書館_Ⅲ・Ⅳ期工事』という記事を見ると、 工期は2018年8月から2021年2月とある。書庫の工事が済んでも、清水建設は展示や学生たちの学び、集いの場を整えるといった工事を続けていたようだ。

また『東京大学(本郷)図書館別館階段昇降機改修工事』は、2012年に開始した新図書館計画のうちの一つであろう。nSearchの資料によると、やはり清水建設が1,320万円で落札していたようだ。

築まだ6年ほどの本郷キャンパス総合図書館・別館の階段昇降機改修工事も清水建設が入札に成功(画像は『nSearch』のスクリーンショット)

 

ちなみに2023年度決算では、鹿島建設が前期比14.2%増の950億円だったのに対し、清水建設は501億円の営業赤字を記録し、1961年の株式上場以来初の大転落となったそうだ。「宮内庁との随意契約」では断トツの強さを誇ってきた清水建設だが、なぜそんなにも赤字なのか不思議である。

 

◆東大の寄付金今年はすでに40億円が

東京大学のホームページに、「UTokyo NEXT150/東京大学と 次なる150年へ」なるプロジェクトのページがある。

責任者は東大の総長である藤井 輝夫氏。2024年度は、現時点で40億円を突破という4,022,375,368円が集まっており、国内外からの寄付件数は1,063件だったという。

本年度はすでに40億円が集まっているが、それでも達成率は45%だと(画像は『東京大学』のスクリーンショット)
本年度はすでに40億円が集まっているが、それでも達成率は45%だと(画像は『東京大学』のスクリーンショット)

 

2022年10月15日にプロジェクトが発足し、ここまでの累計寄付金額は67億円超。このプロジェクトの期限は2027年3月31日までで、150億円という目標額への達成率は、まだ45%だ。しかし、なんと大きな目標額であろう。

2022年と言えば、悠仁さまが東大進学率が高い筑波大附属高等学校に入った年であり、悠仁さまのご入学が現実味を帯びてきたと考えた東大が、タイミングよく強気な寄付金専用ページを設定してみた…?などと疑いたくなる。

いやはや、仮に秋篠宮さまから破格の寄付金があったとしても、その原資は国民の納めた税金である。悠仁さまにではなく、国民の豊かな暮らし、健康長寿のための研究に費やしていただきたいものである。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)



画像および参考:
『清水建設』東京大学総合図書館 別館

『東京大学図書館』駒場図書館について

『東大新聞オンライン』2020年12月18日 総合図書館改修工事が完了 新たにグループ作業用個室などオープ

『architecturephoto』川添善行+東京大学施設部+清水建設による、「東京大学総合図書館新館+ライブリープラザ」の写真

『東大新聞』図書館増築、講義棟新営、1号館改修…… 駒場工事の全貌は

『清水建設』PFI事業の実績紹介 -教育・文化施設

『辻昌志建築設計事務所』東京大学総合図書館_Ⅲ・Ⅳ期工事

『東京大学』東京大学と 次なる150年へ 総長メッセージ

『エトセトラ・ジャパン』東大駒場1号館改修工事もやはりココが受注 もう隠せなくなっている秋篠宮家と清水建設のズブズブ感

1件のコメント

  • 以前は宮内庁関連の建設関係は大林組が主に請け負っていましたね。東宮御所を建て替えて徳仁皇太子殿下がお住まいになっていましたが、10年経たずに耐震強度が足りないことが分かり、耐震強度を上げて再び建て替えたと聞きました。ニューズにならなかったのが不思議。
    その理由か分かりませんが、大林組から清水建設に工事依頼が移って、現在に至る。創業以来の大赤字だって中抜きで埋め合わせして治めているのではないか? 単価は工事だから一式でなんぼ。億単位に上がっちゃいます。狡~~い内部工作で経費を弄るのね。
    大阪万博は先行き不透明で開催できるのかね? 子どもを出汁にする狡い遣り方。ああ、そうか。秋篠が名誉総裁ね。最初から詰んでいるし、「廃墟の法則」は清水建設にも及ぶのか。子どもに内緒の仕事をする会社…。
    東京大学も同じ定めに遵うのね。惨めな結果が見えている。日本国民の血税が消えていく。

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