秋篠宮邸にお金がかかりすぎ、皇居の晩餐会会場は雨漏りを職員がバケツで対応 悲劇の転落死亡事故も

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皇居・豊明殿の天井を雨漏りから守ろうと、職員たちは危険を冒して屋根裏に上っていた。(画像は『GETTY』のスクリーンショット)
皇居・豊明殿の天井を雨漏りから守ろうと、職員たちは危険を冒して屋根裏に上っていた。(画像は『GETTY』のスクリーンショット)

先に『秋篠宮邸改修・増築工事に45億円投じることのバカらしさ』その1を執筆したが、一級建築士の方のお話を伺うなか、2年近く前に皇居で起きていた、ある悲劇的な事故の話題を思い出してしまった。「その2」に進む前に、皆さんにはどうしてもその事実と共に、犠牲者の無念さを知っておいて頂きたいと思う。



◆事故は皇居・豊明殿で起きた

マスコミがほとんど報じなかったニュースのひとつ。2021年12月に皇居・豊明殿で雨漏りを原因とした死亡事故(画像は『産経新聞』のスクリーンショット)
マスコミがほとんど報じなかったニュースのひとつ。2021年12月に皇居・豊明殿で雨漏りを原因とした死亡事故(画像は『産経新聞』のスクリーンショット)

 

事故は2021年12月8日、皇居・豊明殿(ほうめいでん)の廊下部分で起きた。そこは明治宮殿のものが戦後に再建され、天皇の即位の礼、大嘗宮の儀に続く「大饗(だいきょう)の儀」、海外の要人を招いての晩餐会など、大規模な宴会が数多く開催される場所だ。

こういう場こそ迅速な修繕工事が入るべきだったのでは…!?(画像は『GETTY』のスクリーンショット)
こういう場こそ迅速な修繕工事が入るべきだったのでは…!?(画像は『GETTY』のスクリーンショット)

 

豊明殿の天井は鳥取県産の杉板のパネルに覆われ、永原浄さんデザインの32個のシャンデリアが下がり、とにかく大きい。立食なら最大600名の席を設けることが可能だそうだ。

そんな中、宮殿管理課の職員たちは雨漏りが起きていることに気づいた。その日は、50代男性職員が天井裏に上っていたが、使用していた脚立の約3メートルの高さから転落。肋骨を骨折し、搬送先の病院で死亡した。



 

◆バケツを手に1人で作業

宮内庁によると、その職員はたった1人で屋根裏に上り、天井に向けて置いたバケツに水がたまっているか、確かめようとした。

職員たちは普段は複数人数で、数日おきにバケツを確認していたが、当日はグループのほとんどが休暇を取っていた。本人から宮内庁に「転落して負傷した」と連絡を入れており、同16日にメディアが同庁に取材したことで事故が明らかになったようだ。

 

◆完成から55年経過でかなり老朽化

豊明殿は鉄骨鉄筋造りの地上2階、地下1階で、1968年(昭和43年)に完成したが、すでに老朽化がひどい。

皇居・豊明殿は雨漏りを起こしていた(画像は『Google Earth』のスクリーンショット)
雨漏りを起こしていた皇居・豊明殿の屋根。補修工事はどの程度行われたのだろうか(画像は『Google Earth』のスクリーンショット)

当時も、ただちに宮大工を派遣してもらい、修復してもらうことが急務であったはずだが――。

 

◆まとめ:秋篠宮邸にお金を使いすぎて…

屋根からの雨漏りは、建物の構造そのものを傷めることになる。顧客から施工会社に「雨漏りしています」と連絡が入ると、責任者は青ざめながら現場に向かうものだ。

屋根の雨漏りは構造そのものを痛める。ただちに修繕工事が必要だ(画像はイメージです)
屋根の雨漏りは構造そのものを痛める。ただちに修繕工事が必要だ(画像はイメージです)

 

だが豊明殿では、雨漏りをバケツで受けるシロウトのチームが作られただけで、根本的な修繕工事には至っていなかった。

バケツにどれほど水が溜まっているかを確かめるのも仕事のうちだったのだろう(画像はイメージです)
バケツにどれほど水が溜まっているかを確かめるのも仕事のうちだったのだろう(画像はイメージです)

 

すべては、秋篠宮邸の改修・増築工事に44億円(すでに50億円超えという声も)もの大金を持っていかれてしまったからではないだろうか。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)


画像および参考:
『産経新聞』皇居・宮殿の点検作業中に転落か 宮内庁職員死亡

『Wikipedia』豊明殿

『JC-net』宮中・豊明殿が落下死亡事故 雨漏り点検中

『Getty Images』 Imperial palace Homeiden

※ 豊明殿の完成時期について、1968年(昭和43年)とすべきところ、昭和48年となっており訂正いたしました。申し訳ございませんでした。