京都大学「特色入試」突破の学生さんはこうも違う 「トンボが好き」「稲に興味」「木とか草とか似ている」「毎年植えるのはなぜ?」ではちょっと…

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京都大学の特色入試で合格した学生さんはインタビューで何を語ったのか(画像は『京都大学ザッツ・京大』のスクリーンショット)

9月13日付でAERAdot.が報じた “悠仁さまの進学先に「東大の『と』の字も聞いたことはない” という記事。執筆された永井貴子氏のご友人が、紀子さまに関してこう話したそうだ。

「少なくとも妃殿下から東大の『と』の字も耳にしたことはありません」

そりゃ、そうだろう。悠仁さまは “実力で入学してきた”級友たちを見て委縮していらっしゃるはず。家族には「東大なんて僕には無理だよ(世間もウルサイし)」と弱音を吐いていらっしゃるのではないだろうか。

そんなことを考えていた中、昨年12月の『東大・京大の推薦突破には平均評定値4.8~4.9が必要ですよ?』というインタビュー記事でお世話になった「じょあん」さんという方からメールを頂戴した。

「京都大学の特色入試で理学部に合格した学生さんのお話です。【皇室、徒然なるままに】の西村先生の後輩にあたりますね」と、じょあんさんは京都大学公式ウェブサイトのあるページを紹介してくれた。



 

◆学力+意欲で「京都大学特色入試」を突破

先月30日、京都大学の総務部広報課が運営しているウェブサイト『ザッツ・京大』が、理学部3回生の青沼はる香さんとのインタビュー記事を紹介した。

青沼さんは小学生くらいのころから生き物が好きで、高3で京都大学の農学部を受験したが失敗。浪人中に、理学部の特色入試で生物科学入試が始まることを知り挑戦を決意。農学部を一般受験することにしたという。

実は、生物以外では社会や国語などの文系科目が得意で、数学はちょっと苦手だったという青沼さん。インタビューでどんなことを話したのか、抜粋でお伝えしてみたい。



「文化祭の実行委員や生徒会役員、学級代表など、運営に携わることが多かったです。高校1年生のとき、文化祭実行委員に立候補してみたのですが、みんなでひとつのものを作り上げていくのが楽しくて、3年生まで続けました」

 

「受験でもいかに数学をカバーするか、最後まで考えていました。解答できそうな問題は絶対に落とさないようにして、解答しきれない問題は部分点を狙う。そういう戦法を取っていました。あとは、得意な生物と英語で点数を上乗せするという作戦でした」

 

「『学びの報告書』をしっかり考えようと決めて、力を入れました。生徒会で活動したことや、日本生物学オリンピックに出場したこと、アカハライモリに興味を持っていることについて書きました。」

 

「主に、高校3年生のときに飼い始めたアカハライモリについて話しました。アカハライモリは日本の固有種なんですが、お腹の模様が生息地域によって異なっていて、まだ進化の過程にあるとも考えられるんです。身近な生物でありながら、遺伝的な進化の観点から形態の変化を見られるんですね」

 

「また、再生能力の高さにも触れました。アカハライモリは組織に傷がつくと、そこを覆うようにして細胞が集まってきて未分化な状態に戻ったのち、再び分化して再生します。しかも、再生はがん化のリスクを伴うにもかかわらず、イモリはがんにならないと言われています。その理由を解き明かせば、将来的に再生医療やがん治療へ応用できるかもしれません。 お腹の模様のような生態学だけでなく、細胞・分子レベルでも考察できる、興味深い生物だと思っていることを説明しました」

 

「高校の教科書に載っている生物学は、重要な点は押さえられていますが、それを深めるところまではいかないんですよね。でも大学で専門科目を受講すると、教科書では一つの章だったテーマが何十章分にも広がって、さらに分野が細分化されていくんです。」

 

「生物学には生態学、動物行動学、系統分類学などのように、個体や集団をマクロな視点で研究する分野と、分子生物学、細胞生物学といった、細胞レベルの生命現象をミクロな視点で研究する分野の2つの系統が大きくあります。学ぶうちに細胞内のDNAのように小さなところがおもしろくなってきました」

 

「(分子生物学の魅力は)まだ分かっていないことがたくさんあるところですね。DNAから必要な情報だけがRNAにコピーされる『転写』と、RNAからたんぱく質が合成される『翻訳』のプロセスを解明したくて。一つの細胞の中にある遺伝子の情報はすごく小さいはずなのに、そこに全てが詰まっていて、私たちのこんなに大きな身体を動かしている。その不思議について、もっと解像度を上げていきたいです」



青沼さんは京都大学に入学後、かの有名な「iPS細胞研究所」でアルバイトするという、きわめて栄誉な経験に恵まれた。

「細胞を扱うラボですし、調べてみたところ自分の興味にも一致していたので応募しました。先生が研究されていることのお手伝いをさせていただいています。先生からヒントや課題をいただいて実験したり、関連する論文を読んだり、結果をスライドにまとめて発表したりしています。実験手法の練習もさせてもらえますし、研究分野の展望もうかがえるので、今後にすごく役立ちそうです」

 

青沼さんは、なんとビッグバンドジャズのサークルでアルトサックスを担当していらっしゃる。2回生のときはバンドマスターも務め、コロナ禍で不安定な状況の中、スケジュール管理やライブ会場の手配を行っていたそうだ。

インタビューの最後に、京大の特色入試を検討している受験生たちへは――。

「興味があるのなら、怖がらずに受けてみてほしいです。私自身は生物が好きでしたが、生物部だったわけでも、専門書を読んでいたわけでもありませんでした。教科書や資料集といった、高校で与えられる範囲でおもしろいと思っていただけです。また、日本生物学オリンピックには出場しましたが、メダルを獲ったわけでもありません。それでも、アカハライモリのように、おもしろいと思ったことについては自分なりに考察し、特色入試の口頭試問で語ることができました。審査される先生方も、高校生であることは十分承知したうえで熱意や可能性を見てくださるはずです。ぜひ挑戦してみてください」

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青沼さんのインタビュー記事の抜粋は以上である。

おっしゃる通り、特色入試の面接では緊張でアガッてしまい、10の力を持っていても6しか発揮できないことは面接官は百も承知なのだろう。ただし、5しか持っていない受験者が2しか発揮できないようなら、それはもう論外だろう。

また、インタビュー記事のタイトルに “「好き」の気持ちが合格につながる” とあるが、実際にはそれだけではアピールにならないという事がよくわかった。京都大学はこれからも特殊な圧力や権力に屈することなく、青沼さんのような本当に優秀で向学心にあふれ、世の中に貢献できる力を秘めた若者「だけ」を受け入れていただきたいものである。

インタビューの全文は、こちらからご確認頂きたいと思う。

 

◆まとめ:もうこうなったら…

ブータン訪問では日本とは「木と草が似ている」と回答(画像は『ANN NEWS』のスクリーンショット)
ブータン訪問では日本とは「木と草が似ている」と回答(画像は『ANN NEWS』のスクリーンショット)

噂に上っている東京大学や筑波大学は、学力も自然科学の理解度もあやしい悠仁さまのために、本当に合格の一席を準備してあげるのだろうか。

であれば、いっそのこと「名誉学生として特別枠でご入学されました」とでも謳うのはいかがであろうか。受験票を握りしめて校門に向かう「一般受験に挑戦しました」風の演出など、もう通用しないのだから。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)



画像および参考:
『AERAdot.』紀子さま教育熱心の“風評”ご友人は悠仁さまの進学先に「東大の『と』の字も聞いたことはない」

『ザッツ・京大』No.143 学力+意欲で勝負。「好き」の気持ちが合格につながる、京都大学特色入試

『エトセトラ・ジャパン』「東大・京大の推薦突破には平均評定値4.8~4.9が必要ですよ?」 あるお母様から寄せられた進学情報