【皇室、徒然なるままに】 第90話:悠仁君の「トンボ論文」今ひとつ英語にも間違い 西村 泰一
§1 Abstract
『赤坂御用地のトンボ相』は日本語の論文である。ただ、Abstractだけは英語で書かれていた。全部で8個のセンテンスから成る短いもので、論文に英語が使用されているのは、ここだけである。
このうち、3つ目の文は次のようである。
In comparative with this record, additional 16 species are newly recorded by our survey but two species were not re-observed.
この文の最初の「In comparative with」であるが、まず文法的におかしい。「In」は前置詞なので、その後には名詞もしくは名詞句がこないといけないのであるが、「comparative」は形容詞である。実は「in comparison with」というよく使われる慣用句があって、「⋯と比較すれば」ぐらいの意味で用いられる。
それが、この書き手の頭のなかでは「in comparative with」に化けてしまったものと思われる。「comparison」は名詞で、それに対応する形容詞が「comparative」である。誰でも間違いはするし、私も例外ではない。しかし、その間違いから、その人の英語がどのくらいのものか、ある程度推測できるのである。
ただ、これは出版される論文であるから、何度も見返し、査読も経たはずである。文法的におかしいということに、そこで気づかなければいけない。あるいは、この人は「comparative」を名詞だと思ったのかもしれない。
悠仁君の「トンボ論文」が公表された折、世間の多くの方が「本人は何もしなくて、清拓哉氏あたりが全部やって、そのくせ筆頭著者に自分の名前をもってくるなんてズルいことをしたのだろう」と批判した。
しかし第88話でも触れたが、神奈川在住のHさんのお話を読んでいると、少なくとも論文を「書く」という作業においては、悠仁君はそれなりに関わったものと思えてきた。特にこのAbstractは、清氏の過去の論文あたりを参照しながら、悠仁君自身が書いたのではないかと思えてきた。あるいは悠仁君と紀子さんの合作かもしれない。紀子さんの英語も酷いというのは、有名な話である。
実はこの「In comparative with」の間違いは、研究者向けSNSの「ResearchGate」に投稿した次の論考で指摘済みである。
『Oops !…Prince Hisahito did it again ! ― Hirokazu Nishimura, January 2024』
しかし、英語にも誤りがあったと気づく人がいなかったのか、先日発表された「正誤表」には取り上げられておらず、改めてこちらで日本語で論じておくことにした次第である。
§2 何故、こうも間違うのか?
なぜ清拓哉氏らは、悠仁君の間違いを直してあげられないのか。この点については、既に『第89話 もしも秋篠宮悠仁君が天皇になったら⋯』で論じてみたので、今回は「そもそも悠仁君が、どうしてこう間違いを連発するのか」について考えてみたい。
結論から先に言うと、悠仁君は精神を集中してなにかをするということが出来ないというか、不得手なのであろう。なぜそうなったかというと、彼はこれまで、精神を集中しなければいけないような状況に置かれたことがなかったためである。
宿題は家庭教師に丸投げし、入りたい学校には、別に勉強なんかしなくても寄付金ジャンプで必ず入れた。紀子さんからは怒られたことがない。なんというか、それはまるでオーストラリアの動物たちを思い起こさせる。天敵がいないので、コアラでも全然生きていけるように、要するに幸せすぎるのである。
トンボの学名を調べるのだって、別に小学生でもやれる話である。要するに、然るべきウェブサイトか専門書にあたって、間違いなく書き写すだけのことである。ただし、間違えないためには精神を集中することが求められる。悠仁君は学校で勉強する教科のなかでは、英語と数学が特に不出来という話であるが、この2教科は一番精神の集中を求められるからである。
悠仁君は、天皇になるのか、ならないのかは知らないが、少なくとも皇族という就職先が既に決まっているから、いい。そうでなければ、こういう人が就職先を見つけるというのは、至難の業であると思われる。
§3 Concluding Music
それでは音楽を聴きながら、サヨナラしましょう。
(理学博士:西村泰一)
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【西村先生のご経歴】
1966年4月ー1972年3月 洛星中高等学校
1972年4月ー1976年3月 京都大学理学部
1976年4月ー1979年10月 京都大学大学院数理解析専攻
1979年11月ー1986年3月 京都大学附置数理解析研究所
1986年4月ー2019年3月 筑波大学(数学)
参考:
・『J-stage』赤坂御用地のトンボ相―多様な環境と人の手による維持管理―
・『YouTube』[Live] 張靚穎Jane Zhang “Writing’s On The Wall” 007: Spectre (湖南衛視《天天向上》) Zhang Jane HK
いまは英文チェッカーサイトがあって、すぐに文法チェックから、気の利いた言い回しの提案までネットでしてくれるのに、それさえ悠仁さんはしていなかったのですね。これは恥ずかしい。
試しに、Gingerというサイトに悠仁さんの文章(①)を入れ、文法チェック後の正しい文章が②で、③以下はもっと気の利いた言い換え提案と、瞬時に表示されました。
①In comparative with this record, additional 16 species are newly recorded by our survey but two species were not re-observed.
②In comparison with this record, additional 16 species are newly recorded by our survey, but two species were not re-observed.
西村先生御指摘の通り、①の悠仁さんの原文を、GrammarCheckerに通すと、②の文章が正しいとなり、In comparison withしかありえないことが示されます。さらに、by our surveyの後には、カンマが必要とも指摘されました。
雅子さまや愛子さまは、悠仁さんの英文をみて、どのように思われたでしょうか。
③以下は、同サイトが示す言い換え提案です。
③In comparison to this record, we have recorded 16 additional species in our survey, but two species were not re-observed.
④Compared to this record, we have observed 16 more species in our survey, but only two were re-observed.
⑤Compared to this record, we have observed 16 additional species in our survey, but two species were not observed again.
⑥Our survey has recorded 16 more species compared to this record, but two of them were not re-observed.
⑦In comparison to this record, we have identified 16 more species in our survey, but two of them did not get re-observed.