皇室美術品のMET貸出しの件、上皇ご夫妻も何かをご存じと考えざるを得ない1枚の写真

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メトロポリタン美術館に日本の美術品を大量寄贈したメアリー・バーク氏との再会を喜ぶ美智子さま(画像は『THE BURKE COLLECTION』のスクリーンショット)
メトロポリタン美術館に日本の美術品を大量寄贈したメアリー・バーク氏との再会を喜ぶ美智子さま(画像は『THE BURKE COLLECTION』のスクリーンショット)

Twitterで絡まれたことをきっかけに、このところ元証券アナリストで菅政権下の政策ブレーンでもあったKB工藝社・社長のDA氏に関する記事が続いていた。だが今回は少しだけそこから視点をずらし、ニューヨークのメトロポリタン美術館(以下MET)と著名コレクター、そして上皇ご夫妻の関係について考察してみることにした。

相変わらず伏せ字ばかりで大変申し訳ないが、METの学芸員は博士号取得者ばかり…というなかでのM子さんのズル就職が「どうにも納得できない」という話題に、もう少しだけお付き合いいただきたい。



まず最初に、M子さんがMETに就職を希望するなかで「自分なら皇居・東御苑にある三の丸尚蔵館の収蔵品を有利な条件で貸し出すことが可能」と売り込んだという件。そう報じているメディアは多いが、筆者は「本当に貸し出しだけで済むのだろうか」と疑問に思う。

METは2018年から入館料を徴収(成人25ドル、65歳以上17ドル、学生12ドル)するようになったが、長きにわたり大企業や富豪からの寄付、行政からの助成金、そして作品は寄贈あるいは協賛金での購入に頼って来た。いわば「もらい慣れている」組織なのだ。

そんななか、M子さんの就職の見返りとしてこっそりと…というのでは、作品は少なくとも長期にわたる展示となるだろうし、やがては「METに譲ってほしい」「M子がお世話になっていることだし、どうぞ」となってしまうのではないだろうか。

こんな不安な事態を招いた人物は、前首相の菅義偉氏。そして2017年から「皇室の財宝を観光資源として活用すれば」と政権の中枢に提言していたのは、弊ブログでここまで何度も触れてきたKB工藝社の社長DA氏。奇しくも2017年はKK夫妻が結婚の意思を公表した年だ。

実際に昨年9月には、皇室の所蔵品であった『蒙古襲来絵詞』、『唐獅子図屏風』、伊藤若冲の『動植綵絵』ほか5点が国宝に格下げされ、今後も数百点以上が国宝と化す見込みだそうだ。国宝や重要文化財に位置づけられると、国際交流や相互理解を深めるためとして海外への貸し出しが可能になる。

さて、ここからが本題となる。Twitterのユーザーさんから、またしても大きなヒントを頂いたのだ。



METでは今、日本、中国、朝鮮、そしてビザンティン美術の愛好家であるジョン・C・ウェバー氏のコレクションとして、着物ファッションの歴史を辿る展覧会を開催している(2023年2月20日まで)。

そのウェバー氏がアメリカで親交を大切にしていた人物が、1960年代から40年間にわたり、夫のジャクソン・バーク氏(1975年没)とともに日本の高価な美術品を数百点も収集した故・メアリー・グリッグス・バーク女史(2012年没)。今回の記事における重要人物だ。

 

■バーク女史のコレクションの多くがMETに
海外における日本美術のコレクターとしては、数と質で彼女の右に出る者はいないといわれるバーク女史。しかも、225点以上の絵画を含む300点超の日本の美術品を、なんとMET美術館に寄贈していた。METにしてみれば大変な恩人であり、寄贈された16世紀から19世紀までの30セットもの屏風は、ギャラリーのなかでも圧巻の存在だという。

なおMETにおけるバーク・コレクションの管理は、岐阜県民と多治見税務署を怒らせたジョン・カー●●●ー氏が任されているもようだ。

 

■平成天皇皇后両陛下はホワイトハウスでバーク女史と再会
平成天皇・皇后両陛下はニューヨークなどを訪問していた1994年6月、13日にはビル・クリントン大統領(当時)夫妻がホワイトハウスで主催した晩餐会に国賓として招かれた。著名人数十名がゲストとして招かれたなか、リストを見ていて気になったのはこの方々だ。

◎メアリー・バーク女史
ニューヨークから両陛下に会いにやってきたバーク女史は、自身の公式ウェブサイト『THE MARY GRIGGS BURKE COLLECTION』で、美智子さまと嬉しそうに再会の挨拶を交わす様子を写真付きで紹介している。晩餐会のゲストは両陛下に喜んでもらえる人々が招かれるわけで、このふたりはどこでどう接点があったというのだろうか(むむむ…)。

◎ミロ・クリーヴランド・ビーチ氏
アーサー・M・サックラー美術館(ワシントンD.C.)の当時のディレクター。女性セブンは『眞子さんに近づくメトロポリタン美術館 狙いは皇室に受け継がれた貴重な美術品か』という記事で、この美術館には1997~1998年にかけ、三の丸尚蔵館から多くの美術品が貸し出され、大規模な特別展が開催されていたと報じている。

◎マイケル・マンスフィールド氏
24年間にわたる上院議員生活のなか、1977~1989年まで、なんと11年半も駐日大使を務めていたマンスフィールド氏。引退後は米国に戻り、ゴールドマン・サックスの極東部門アドバイザーを務めたという(まさか部下に…?)。

 

■平成天皇皇后両陛下はMETの晩餐会にも
その3日後となる1994年6月16日、平成天皇・皇后両陛下はMETで開催された晩餐会にも招かれた。
クオモ知事、ジュリアーニ市長、銀行家のデヴィッド・ロックフェラー氏、当時は不動産王と呼ばれていたドナルド・トランプ氏、ニューヨーク・タイムズ紙のアーサー・オックス・スルツバーガー会長などに混じって、日本からはデザイナーの森英恵氏、元首相である中曽根康弘氏、宮澤喜一氏の顔もあったという。

 

■まとめ
1963年に来日して以来、40年をかけ大変な数の日本の美術品を手に入れたメアリー・バーク女史。そして実はMETやコレクター界隈と親交を温めていた平成天皇・皇后両陛下。この写真は、M子さんをMETに就職させるためなら(お礼に?)皇室美術品を…という流れについて、上皇ご夫妻も何か大きく関わっておられるのでは…と考えざるを得ない1枚といえそうだ。

その後、上皇とバーク女史の親しい関係について調べてみた。得られた情報については、こちらの記事『METに大量寄贈した日本美術のコレクター 上皇后とは「長年の知り合いだった」という証言も』でどうぞ!
 



画像:
『The Mary Griggs Burke Collection』History of the Collection

参考:
『女性自身』眞子さん 一部では不満も…日本政府の“皇室の宝貸し出し施策”がNY再就職の追い風に!

『THE NEW YORK TIMES』Guest List for White House Dinner for the Emperor and Empress of Japan

『AP通信』Akihito, Empress Michiko Visit Big Apple

『The Maureen and Mike Mansfield Foundation』マイク・マンスフィールド大使について

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)