高市首相は「悠仁さままではゆるがせにするな」の“真実”をご存じない 有識者会議ヒアリング大半が女性天皇を検討するべき時だと

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高市首相が国会で、「悠仁さままでゆるがせにしてはならないと有識者会議でも…」という皇位継承順位の件を持ち出した。

そこで、またこの話を書かせて頂きたいと思う。

「悠仁さままでの順位をゆるがせにしてはならない」とは、有識者会議のために内閣が選んだ清家篤座長の弁であって、会議に出席した有識者の主張ではない。それどころかヒアリング協力者はの多くは、と…。

 



 

◆ヒアリング協力者の大半が「女性天皇容認の検討・議論を」と

高市首相がとりあげているのは、2021年の「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」のこと。そこでは5回の会議にヒアリング協力者21名が呼ばれていた。

結論として、主張はこう分かれていた。

●女性天皇に賛成、女性天皇を議論するべき=10名
●法整備が揃うなら女性天皇を容認=2名
●暫定順位を秋篠宮さま1位、悠仁さま2位としている以上、議論は難しいのでは?=2名
●男系男子に限定するべき=7名

はっきりと男系男子限定と主張したのは、ヒアリング協力者の3分の1であったのだ。

 

◆女性天皇容認に前向きな意見が続々と

高市氏は悠仁さま推しの根拠として「有識者会議の報告書」を挙げたが、ヒアリングでこのような意見が出たことをご存じないのだろうか。

女性天皇容認に関して「賛成」「検討、議論をするべき時」「法整備が進むなら」などと論じた方々について、その部分のみ抜粋でご紹介してみたい。

 

笠原 英彦氏(慶應義塾大学教授)

皇位継承資格を男系女子まで拡大し、内親王に限り皇位継承資格を認めるべきと考える。わが国は古来、男系女子に皇位継承資格を認めてきた伝統があり、これは、古来、10 代 8 方の女性天皇が誕生しているという歴史的事実がある。逆に男系男子に限定されたのは、明治 22 年制定の明治皇室典範以降の短い期間にすぎない。

 

国民の強い要望により直系長子を最優先し、歴史上 10 代8方在位した女性天皇の先例に従い、天皇の子である内親王に皇位継承資格を認めることが想定される。憲法第 14 条の謳う男女平等にもかない、国民に分かりやすく、いわゆる帝王学を修得することが期待される。

 

今谷 明氏(国際日本文化研究センター名誉教授)

内親王・女王に皇位継承資格を認めることをどのように考えるか。その場合、継承順位をどうするか。現在の私の立場は、女系は国民的な議論も必要で、すぐに慌てて結論を出すよりも、しばらく国民的な議論を続けた方がいいという立場で、いずれ悠仁様が成人されて御結婚され、あるいは、践祚、即位されて、相当の日数が経っても皇子が生まれないという段階になってからどうするかというのを決めなきゃいけないというふうに思っている。

 

しかし、その準備として、もし女系にする場合は、ヨーロッパのどういう国の先例、あるいは伝統を使うかというようなことが問題となる。ヨーロッパでも差異があるようなので研究が必要であると。

 

やはり、ヨーロッパの王室の歴史に詳しい方を、こうしたヒアリングでお呼びになって議論された方がいいんじゃないかと私などは思う。

 

古川 隆久氏(日本大学文理学部教授)

女系天皇を認めるかどうかということだと思うが、これについて私は賛成する。皇位継承順位についても長子優先がいいと思うが、全体としてここについては、私は2005 年の有識者会議の報告書が非常によくできていると思うので、基本的にこれに賛成ということになる。

 

ただ、ルールの適用は、このルールをちゃんとやるためには皇室典範の改正が必要だと思うが、原則は皇室典範改正後に生まれた方から適用すべきだろうというふうに思う。その理由はそこにも書いたように、今、既にお生まれになっている皇族の方々は、今の制度を前提に人生設計されていると思うので。

 

ただし、ちょっとそれでは間に合わないという場合は、御本人の同意が得られたらその部分から適用するということはあり得ると考える。その後も女性天皇・女系天皇に対する国民の支持率は非常に高い。7割、8割という、7割を超えているということである。

 

本郷 恵子氏(東京大学史料編纂所所長)

内親王とか女王に皇位継承資格を認めることは、もうこれは自然な流れではないだろうか。

 

単純にいなくなってしまうというだけではなくて、現在の社会的な状況、男女をめぐる、女性の社会進出とか、家族に対する感覚というものを考えれば、やはり女性にも皇位継承資格を認めてよろしいんではないかと。

 

その場合に継承順位は最も分かりやすいやり方で直系長子優先というのがよろしいんじゃないかと思う。

 

皇位継承順位についても、男子がいない場合に女子がということではなくて、男女を問わず長子優先ということで考える。

 

岡部 喜代子氏(元最高裁判所判事)

女系天皇は憲法違反であるとの説を採ることができない。

 

というのは、平成 17年の「皇室典範に関する有識者会議」報告書に記載されているとおり、「憲法において規定されている皇位の世襲の原則は、天皇の血統に属する者が皇位を継承することを定めたもので、男子や男系であることまでを求めるものではなく、女子や女系の皇族が皇位を継承することは憲法の上では可能」と考える。

 

また、立法者の意思もそのようであったと理解している。

 

皇位継承は世襲であり、つまり、皇位継承の根拠というのは血縁ということになる。これは、血縁には原則として人智が及ばないということが求められているからである。生まれながらにして天皇になるべく決定され、その資格があるということになるわけである。そして、そのような者として育てられていく。

 

こういうことで、世襲というものが皇位継承の正当性として認められているということになるのだと理解している。

 

そして世襲を要求されているのであれば、血の濃いほうが皇位に近いと考えるのが自然である。血の濃さという点について見れば、男女の区別はない。

 

血の濃い女性皇族と、非常に血の薄い男性皇族を比べたとき、血の濃い女性皇族に親愛の情を抱き、また尊敬の念を持つのが国民一般の気持ちであり、これが皇位の根拠であるとすれば、そのような人が天皇になるというのは、天皇制の支持の基盤ということが言えるのではないか。

 

大石 眞氏(京都大学名誉教授)

男系男子というところの問題、あるいは嫡出というところに踏み込まざるを得ないと思う。

 

もちろん、この第1の要件については、従来から議論があるように、男系の女子への拡大、これは最小限の拡大になるが、もう少し広げると、およそ女系皇子孫への拡大ということが考えられる。

 



 

宍戸 常寿氏(東京大学教授)

一般に憲法第2条の定める世襲は女性を排除するものではないと解されている。したがって、皇室典範の改正により、内親王・女王に皇位継承資格を認めることは可能であると考える。

 

進んで、国事行為及びそれに準ずる活動は女性の天皇でも可能であり、また、日本国の象徴及び日本国民統合の象徴としての役割が、女性が天皇になることを妨げるものではないと考える。

 

したがって、皇位継承者数が限られている現状に照らして、国家制度としての天皇制を維持する前提を採る以上、内親王・女王に皇位継承資格を認めることに賛成する。

 

君塚 直隆氏(関東学院大学国際文化学部教授)

男系男子のみに皇位継承資格を与えるということについては、それからもちろん、俗に言う臣籍降下、皇室典範第 12 条に当たるが、皇族の女性が皇族以外の男性と結婚した場合は皇室を離れなければいけないと。これはもちろん改正しなければいけない。一切廃止するべきだ。

 

内親王・女王にはもちろん皇位継承資格を認めていくべきだというふうに思っている。

 

1979 年にスウェーデンでいわゆる絶対的長子相続制、男女を問わず第一子が優先される継承法にしていこうというふうになった。実は北欧でも 20 世紀の終わりまで女性に継承権がなかった。

 

それが 1953 年にデンマークで女性にも継承権を与えようということになり、憲法が改正され、ご存じのとおり、今現在のマルグレーテ2世女王陛下が 1972 年から即位されているわけだが、もちろん国民から絶大な信頼を寄せられている。

 

橋本 有生氏(早稲田大学法学学術院准教授)

内親王に皇位継承資格を認めるべきであると考えるし、国民意識の変化によっては、女系天皇の可能性も十分に論じる余地があるものと思う。まず、可否について。女性天皇は過去にも存在しており、伝統の観点からも否定されないものと思われる。

 

また、憲法において、天皇が日本国及び日本国民統合の象徴としての役割を担うとされていることに鑑みても、日本国民は男性のみによって構成されているわけではないので、女性天皇が日本国の象徴として活動することが不合理であるとは思われない。

 

次に皇位継承順位について。継承には相応の準備期間が必要であるので、その観点から、継承者はなるべく早い時期に決定されるのが望ましいと思う。したがって、長子を優先すべきと考える。

 

男系男子でそのままつないでいくということを決定した現行の皇室典範ができたときと今とでは、国民感情がかなり変わってしまっているというところに着目し、また、直系の承継というものを尊重するという考えも国民の意識の中に根強いというか、あるということを考えたときに、法律、法技術的な問題としては、例えば今、今上陛下がいらっしゃる間に皇室典範を改正するということになれば、そのままそれが効力を発生して、その時代から適用するということは、法律論としてはできるものである。

 

都倉 武之氏(慶應義塾大学准教授)

法理論上、皇位につける方が安定的に存在するようになっても、皇位につく者の正統性に疑問を生じて国論を二分し、極端に言えば、異なる天皇を担ぐ勢力が誕生したりするような事態さえ生じかねない。

 

それが慢性化すれば、皇室に対する「国民の総意」が失われていき、さらにはその疑義も世襲されていくことで、後代では挽回し難い状況を生むことさえ考えられる。

 

内親王・女王に皇位継承資格を認めることについて。皇位継承資格を男系女子に拡大する女性天皇は、法的な条件が整えば容認に賛成であり、将来的には皇位継承を長子優先とすることも選択肢であろうと考える。

 

綿矢 りさ氏(小説家)

中学生の頃、百人一首のカルタをしているとき、女性天皇である持統天皇の札を見て、女性の天皇もいらっしゃったのかと思ったことが今も強く印象に残っている。

 

国民の考えも時代により変わっていく中で、象徴としての天皇の存在を考えたときに、女性天皇の誕生を歓迎する風潮もあるかと思う。皇位継承順位に関しては、今既に決まっている継承順位を軽く扱っていいのかという意見もあると思われ、今すぐ決められる問題でもないかもしれない。

 

里中 満智子氏(マンガ家)

女性天皇は歴史上認められてきたし、各女性天皇は立派に務めておられると思う。男系女子に皇位継承資格はあって当然だと思っている。

 

しかし、現代において、結婚なさった場合について、その御夫君やお子様ができた場合のそれぞれのお立場についての取り決めを先にまとめておかないと、波乱を招くと思う。この問題は先に夫、子供の立場について多くの国民の理解を得られなければ、決められないことだと思っている。

 

継承順位については男系男子優先、男系男子が存在しなくなった場合を考えて、いろんなケースごとに準備をしておくことが望ましいと思っている。

 

◆有識者会議でも容認論が上がりかけたが…

そして、2021年6月中旬からは以下のメンバーだけで有識者会議が始まる。

(敬称略)
大橋 真由美  上智大学法学部教授
清家 篤    日本私立学校振興・共済事業団理事長・慶應義塾学事顧問
冨田 哲郎   東日本旅客鉄道株式会社取締役会長
中江 有里   女優・作家・歌手
細谷 雄一   慶應義塾大学法学部教授
宮崎 緑    千葉商科大学教授・国際教養学部長

 

議事録を読むと、会議の雰囲気が時には「女性天皇容認の議論もしたほうが」「国民の総意を汲まないと」と傾くことがあったようだ。

すると、すかさず「悠仁さままでの皇位継承順位をゆるがせにしてはならない」「そんなことを話し合うための会議ではない」とくぎを刺されてしまうのだ。

 

専門家らのヒアリングを経て有識者会議のメンバーはそれを討論してきたはずだが、この発言はやはり清家篤座長によるものか(画像は『内閣官房』PDFのスクリーンショット)
こんな風にくぎを刺されれば活発な意見交換など難しいだろう(画像は『内閣官房』PDFのスクリーンショット)

 

つまり有識者会議も、そして報告書も最初から結論ありきのものだったのだ。

 

◆憲法は男尊女卑、性差別、門地の差別を認めていない

ただ、どれだけ座長が「悠仁さままでゆるがせにしてはならない!」と考えていようが、この国は「世界で最も優れた憲法」と称される日本国憲法で守られている。

最高裁判所の判事を経験された法曹界の重鎮2名は、それぞれの有識者会議で、現・皇室典範にある男女不平等の問題にふれ、女性天皇を容認しないかぎり安定した皇位継承の実現は難しいといった見解を示していた。

80年間一般人として暮らしていた人を、旧宮家の子孫だからという理由で皇族とするなら、それは「門地の差別」に抵触する。シンプルに、天皇家でお生まれになった直系長子に皇位を継承していただくことをなぜ自民党は議論したがらないのか、本当に不思議な話である。

 

詳しくはこちらの記事でご確認を!

最高裁判事経験者2名が「女性天皇」推し 皇室典範改正は有識者会議の座長次第なのでは…?【前編】

最高裁判事経験者2名が「女性天皇」推し 皇室典範改正は有識者会議の座長次第なのでは…?【後編】

 



 

◆秋篠宮家のために働いて、働いて大出世?

清家篤座長は今、日本赤十字社の社長である。とにかく秋篠宮家のために働いて、働いて、働いて出世街道をいっきに上り詰めたようにも見えてしまう。

 

清家篤氏は、皇位継承のあり方などを議論する政府・有識者会議の座長でもある(画像は『NHKニュース』のスクリーンショット)
清家篤氏は、皇位継承のあり方などを議論する政府・有識者会議の座長でもある(画像は『NHKニュース』のスクリーンショット)

 

Wikipediaや日本赤十字社に掲載されている経歴を簡単にまとめてみた。

 

【学歴】

 

青山学院高等部から慶應義塾大学経済学部経済学科に進み、1983年3月に同大・大学院商学研究科博士課程を単位取得満期退学。これは海外だと修士号取得者の扱いになるが、日本では博士号取得者と同等にみなされるという。

 

【2000年以降の経歴】

 

2007年10月 – 慶應義塾大学商学部長および同大学院商学研究科委員長、慶應義塾理事(2009年5月)

 

2009年4月 – 慶應義塾長(学校法人慶應義塾理事長兼慶應義塾大学長)。3選を目指した安西祐一郎を破り、5月28日に就任

 

2013年4月 – 慶應義塾長に再選

 

2017年 – 慶應義塾学事顧問

 

2018年4月 – 日本私立学校振興・共済事業団理事長、慶應義塾大学客員教授、国立大学法人一橋大学経営協議会委員(任期は2024年3月31日迄)

 

2018年5月 – 一橋大学「社会科学の発展を考える円卓会議」委員

 

2019年6月 – 全国社会福祉協議会会長就任 中央共同募金会会長就任 全国老人クラブ連合会会長就任

 

2021年3月 – 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」有識者会議の座長

 

2022年7月 – 日本赤十字社社長

 

2018年4月から大変立派な肩書きが増えている清家氏。このあたりが「異例の大出世」と噂される根拠なのであろう。

 

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◆まとめ

女性天皇容認に向けた動きがピタリと止んでしまったばかりか、今では「皇族数の確保こそが重要だ」として養子縁組による旧皇族男系男子の皇族復帰案まで出ている。

80年近く一般人の地位にあった人達をまた皇族とするなど、憲法が許していない門地の差別である。また、宮内庁の運営に大変な額を要し、皇室の維持に年間ほぼ200億円の予算が組まれているなか、皇族の数が増えればさらに多くの税金が必要になるだろう。

そんなことより、秋篠宮家がなさっている無駄なお出かけご公務と海外旅行を削り、皇室行事全般スリム化を図るべきである。世間は徐々に「秋篠宮家なら来なくていい、覇気のない声で棒読みされるおことばなど不要」と言うようになっているではないか。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

画像および参照:
『内閣官房』「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議

『内閣官房』「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議」に関する有識者会議「報告書」

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