【YOUR VOICE】江戸の女性天皇と宮家創設 ~天皇家女性の事例と男系男子限定の危うさ 第3弾~
前回までに、6名8代の女性天皇の歴史をみてきましたが、江戸時代には、2名の女性天皇がいらっしゃいます。
109代の明正天皇は、先代の正室の長子で、先代に少なくとも18人の皇子がいましたが、先代の譲位により女子ながら即位、先代が譲位の相談を公家10人余に行った際、久しぶりの女性天皇ながら、覚書の二条目には、女性天皇は「不都合なものではない」とされており、在位14年で弟に譲位されました。
117代の後桜町天皇は異母弟の先代の遺詔を受けて践祚しており、実質は先代の皇子が幼かったための即位であったようですが、皇統の傍流への移行以後も、幼い119代光格天皇をよく輔導し明治維新の端緒を担い、当初は118代の中継ぎとしての即位であっても、実質的な功績は大きかったとも思われます。
余談ですが、江戸時代の2代の女性天皇の間にあたる113代東山天皇の時代において、113代の生母と生母が寵愛する公家が、113代を廃し、113代の同母弟の京極宮文仁親王を立てようとしていたとの風説があり、113代は、内親王への譲位の意向を幕府に伝えたが許可されず、当初後継と目されていた113代の第三皇子も実は父親が弟の文仁親王であるとの噂が流れ、皇位継承から外し、第五皇子を114代中御門天皇としています。
女性の子供は確実に実子と分かり得ますが、男性の子供は現在のようにDNA鑑定といった手段がない限り、実子でない可能性はあり得る事で、その危険性を回避しようとした継承も行われていたようです。
女性天皇は、現在のところ、後桜町天皇が最後となっていますが、その譲位を受けて即位した118代後桃園天皇が崩御した際、子が1歳の欣子内親王のみであったため、傍系で宮家創設していた世襲親王家から新帝を迎える事となったものの、直系存続のため欣子内親王が入内する前提で、複数の候補者から最も歳の近かった114代の弟の閑院宮の孫が選ばれ、母は町医者の娘の生まれであったこともあってか、118代の養子となったうえで119代光格天皇として即位されたそうです。
しかし、欣子内親王の生んだ皇子が皇太子とされるも2歳で夭折してしまい、典侍の子が皇太子とされた際に実子として公称したようです。第2皇子も5歳で夭折してしまった後は子宝に恵まれず、心の病を患ったとされています。119代は傍系からの継承となるため、欣子内親王による直系継承が期待され、強いプレッシャーを受けていたのではないでしょうか。
なお、現在、天皇継承資格者の減少対策として、政府与党を中心に、旧宮家の皇族復帰案の検討が進められており、その口実の一つとして、光格天皇が傍系の宮家から迎え入れられた事例があることも挙げられているようですが、奈良時代以降、天皇の妃はほぼ藤原氏またはその庶流から嫁いでいた状況で、珍しく皇女が皇后となっていたことからも、本来は女系による継承も前提とされていたとも考えられるように思えます。
次回は、その旧宮家について、見ていきたいと思います。
ちなみに、一般的な天皇系図は、最終的に天皇になった方のみ記載され、男女の別も分からないようになっているため、一見、男系男子による万世一系の伝統があると主張される方もいらっしゃるようですが、天皇の両親等も含めた系図とすると、また様相が変わって見えてきます。これまで3回に渡って、女性天皇がいらっしゃった時代の状況を図としてご紹介してきましたが、初代から現在までの両親や時の権力者なども含めた系図と、各天皇の概略をまとめたものを、今回ご紹介させて頂きます(女性継承含む天皇家・政権・宮家の家系図.pdf)。
ここで、天皇の婚姻関係について、基本的に、最終的に天皇の母や先祖となった方も掲載していますが、実は昭和天皇までは側室や子供が非常に多くいた状況は記載しきれていません。また、上皇陛下が民間人の正田家から妃を迎えるまで、天皇の母は、藤原氏又は藤原庶流の公家65名、天皇の皇女11名、天皇の子孫20名、蘇我氏5名、他の豪族・国造17名、貴族(官職)家3名、事代主神の子孫3名、天皇子孫の妻2名、将軍家1名、社家(神主)1名、朝鮮王室子孫1名となっており、現在とは明らかに状況が違っていた事も見て取れるかと思います。
【主な出展】
https://ja.wikipedia.org/wiki/明正天皇
https://ja.wikipedia.org/wiki/後桜町天皇
https://ja.wikipedia.org/wiki/京極宮文仁親王
https://ja.wikipedia.org/wiki/欣子内親王
(東京都在住:Yさんより)
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山尾しおりさんは、代もかなり下で面識ありませんが、高校の後輩です。
国民民主からの推薦外された後、国政への熱意捨てきれないと無所属で参院選に立候補されるそうです。
第一に訴えに、女性天皇を容認することを掲げています。
確かに異性関係問題やらかした過去がありますが、私含めて全て清廉なな人ってどれだけいるでしょうか。
母校は、男女共学の自由闊達な風通しの良くて、利に聡いというより泰然として個性豊かな生徒の多い高校です。加えて、彼女はアニー主役になる程のガッツとパワーがある人です。
彼女の本気と能力を信じて応援したいと思います。
そして山尾さんには、是非ぜひ、とうサイトでの論点あれこれを知って欲しいと願います。