自力で書けないような論文で悠仁さまは東大へ? 田上大喜さんの爪の垢を煎じて飲んでいただきたい!

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田上大喜さんはスーパーサイエンスハイスクールを経て、オックスフォード大大学院で研究に没頭(画像は『朝日新聞EduA』のスクリーンショット)
田上大喜さんはスーパーサイエンスハイスクールを経て、オックスフォード大大学院で研究に没頭(画像は『朝日新聞EduA』のスクリーンショット)

秋篠宮家の長男・悠仁さまが、このほど3名の共著で『赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理』という論文を発表された。ところが過去に作文で剽窃行為が発覚していただけに、「どうせ自分の実力ではないだろう」と世間の反応は実に冷ややかである。

そんななかX(Twitter)で、ある方が筆者に宛てて「悠仁さまにも田上 大喜さんほどの熱量と優秀さがあれば、認めてあげられるんだけれど」とポストして下さった。



田上さんは中学生のとき、日本の夏の大きな悩みの種である「蚊」についての研究を行い、『自然科学観察コンクール』の佳作を受賞。それ以来ずっと蚊の研究を続け、現在は英オックスフォード大の大学院生で学んでおられる。

自宅の1つの部屋を使い、4,000匹もの蚊を飼育しつつ研究に明け暮れた田上さん。その様子を、今年の1月から2月にかけ『PRESIDENT Online』や『朝日新聞EduA』ほかが大きく報じていたので、抜粋してお伝えしてみたいと思う。

 

◆中学3年の時に発表した論文で佳作を受賞

まずは京都府立命館宇治中学校の3年生のときに、『第55回 自然科学観察コンクール』中学校の部で佳作を受賞したことから。

「蚊に刺されるといつも大きく赤く腫れ、水ぶくれが出来てしまう妹を守ることができないかと思った。ヒトスジシマカの実験をするなか、蚊が足のにおいに反応して頻繁に交尾を行うことを発見し…」と研究の動機を語っている。

ヒトスジシマカの雌は一生に1度しか交尾しないといわれてきたが、田上さんはその研究で「最適な条件さえそろえば、足のにおいをかがせることで複数回交尾を行う」という新たな事実を突き止めたのだ。

 

中学生のときに佳作を受賞。その後は自身でずっと研究を続けた田上大喜さん(画像は『自然科学観察コンクール』のスクリーンショット)
中学生のときに佳作を受賞。その後は自身でずっと研究を続けた田上大喜さん(画像は『自然科学観察コンクール』のスクリーンショット)
引用:『自然科学観察コンクール』一生に一度しか交尾をしないヒトスジシマカの雌に、複数回交尾を行わせる条件について 京都府立命館宇治中学校 3年 田上大喜



◆実験の内容

「まず蚊が好きなニオイを出すものと嫌いなニオイを出すものを探そうとしてシャンプー、肉、リンスなど家中のニオイがあるものを嗅がせてみました。その際、靴底を嗅がせてみたところ、一斉に交尾行動をしはじめたんです。

 

一生に一度しか交尾をしないはずの雌の蚊が、あれだけ一斉に交尾したのを見たのははじめてで、とても感動したのを覚えています。そこで足のニオイと交尾行動との関連性について調べようとしたのが僕の実験の第一歩となりました」

 

翌年、文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、高度な実験器具、学外の専門家からの指導などに恵まれる京都教育大学附属高校に入学し、蚊の研究を発展させる。

 

妹の他、高校の教師たちから足のニオイのもとである菌を採取して培養。培養した菌を蚊に近づけた場合も、足を近づけた場合と同様に交尾回数が増えるのとともに、単離培養、すなわち菌を1種類ずつ近づけても蚊は交尾行動を起こさないことを突き止めた。

 

この研究では、足の菌を提供してくれた28人の中で、妹の足の菌に蚊が最も強く反応する一方、田上さんの足の菌には蚊が一切反応を示さないこともわかった。対照的なサンプルが、一番身近なところで得られたわけだ。

 

「蚊が活発に交尾するのは、夜中です。なので午後11時頃に、スイカとかパイナップルを餌として与えて、交尾済みの雌に僕の腕を吸血させて、足のニオイを嗅がせるなどして交尾回数を数えていました。実験が終わるのは午前1時とか2時です。一番時間がかかるのは、未交尾と交尾のすんだ蚊の仕分けです。

 

ここまでで誰もが思うのは「交尾数を増やせば蚊が増え、もっと蚊に刺されてしまう。それは本末転倒なのでは」ということだ。

高2のとき(2016年)の研究で、田上さんは本丸に切り込む。すなわち、蚊が人の血を吸いたくなる理由に迫り、吸血数が減る、つまり刺されにくい条件を探ったのだ。

 

NHK「ガッテン!」取材班の協力も得て、若手スタッフの献身(?)により様々な条件で刺されやすさが変わるのかを調べるなどした結果、明らかになったのは「足に棲む菌の種類が多い人ほど、蚊に刺されやすい」。

 

単離培養して1種類の菌に蚊を近づけても、交尾回数が増えなかったのと同様に、吸血数が増えないこともわかった。さらに、足を洗浄すると、足の菌が減り、蚊の交尾回数も、吸血数も減ることがわかった。

 

田上さんは、高3でさらに「卵」を温め、「芽」を育て、第12回「科学の芽」努力賞を受賞した(千笑さんとの共同受賞)。研究タイトルは「人間が50匹の蚊に3分間で何回刺されるのかを、肌の水分量とヒトスジシマカの交尾数により数値化する」。

 

足の菌の種類の多寡が、蚊の交尾回数、吸血数を左右する。それでは足の菌の種類の多寡を決める要因は何なのか。たどり着いた答えは、肌の水分量だった。田上さんは、肌の水分量から、その人がどのくらい蚊に刺されやすいかを予測する数式を作った。

 

「…高2のとき、京都で開かれる学会のために来日していたカリフォルニア大学アーバイン校教授で、蚊が媒介する感染症の研究者のアンソニー・ジェームズ博士から、いろいろお話を伺ったのも、アメリカの大学で研究したいと思った理由です。

 

博士の科学者としての経歴、蚊の研究に携わるようになったきっかけ、また今、蚊について研究されている遺伝子の話などを伺いました。他には将来良い研究者になるために今から多くの論文を読むように強く勧めていただきました。

 

それまで僕は自分の蚊だけをずっと観察したり調べたりしていたのですが、その後論文を読んで世界にはすごい蚊の研究をされているすごい研究者がたくさんいることを学びました」

 

田上さんは1999年にアメリカのシカゴで生まれ、2歳でオーストラリア、10歳でシンガポールに移り、14歳のときに日本に来た。最も長く過ごしたオーストラリアでは、生徒の自主性を重んじて、知的好奇心を育むカリキュラムで知られる「モンテッソーリ教育」を取り入れた幼稚園、小学校で教育を受けている。中3から高3まで日本で教育を受けているが、高2の夏から高3の夏まではオーストラリアに1年間留学している。

 

田上さん自身は、家族から受けた影響が3つあるという。

 

「一つめは、絵本です。母は小さいときから毎日絵本を読んでくれていつも周りに本がありました。そのときから本が好きになって、アメリカの大学で大変なときにもいつも僕の心の支えになってくれています。

 

二つ目はそろばんです。母はそろばんを持っていて物心がついた頃には毎日少しずつそろばんと暗算を教えてくれていました。そのときから算数が好きでそれが今の数学への情熱に繋がっています。

 

三つめは家族とのリビングでの時間です。僕は自分の部屋を持ったことが無かったので、いつもリビングで勉強をしていました。ふと顔を上げると家族がそばにいたので励みになりました。家族に感謝しています」

引用:『PRESIDENT Online』なぜ妹は僕より蚊に刺されやすいのか…妹思いの男子高校生が科学に目覚めてコロンビア大学に進むまで



◆田上さんを取り巻く教育環境

「勉強が本当に難しくて、まわりもすごい人ばかり。もっとやらないと」。昨秋、英オックスフォード大大学院に入学した田上さんは、学ぶことが楽しくて仕方がないという。飛び級制度で米コロンビア大と大学院修士課程を4年で終えて進んだ。「遺伝子を研究して病気のない世界をつくりたい」と話す。

 

会社員の父の転勤に伴って、幼少期を海外で過ごした。蚊の研究をしようと思い立ったのは、10歳から14歳まで暮らしたシンガポールでのことだ。熱帯に位置するシンガポールでは蚊が媒介する伝染病「デング熱」の被害が深刻で、国を挙げて撲滅キャンペーンが行われている。家族も気をつけていたが、長袖を着ても、妹だけが何度も刺され、水ぶくれになってしまう。「かわいそうで、なんとかしてあげたい」と思ったのがきっかけだった。

 

14歳で日本に帰国し、立命館宇治中学(京都府宇治市)に転入したころから、研究のため蚊を集め始めた。最初は近くの公園で虫捕り網を試したが、網目からすり抜けてしまう。神社の近くで蚊がたくさんいる森をみつけ、小さなポリ袋で1匹ずつ捕まえて、段ボールで自作した「蚊のハウス」で育てた。寒くなると死んでしまうため、夏でも冷房をつけず、9月後半からはこたつに入れて蚊の習性を観察した。

 

さらに本格的に研究しようと2015年4月、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校の京都教育大付属高校(京都市)に進学。自宅から通える距離にあり、蚊の実験を進めるうえで欠かせない菌の培養施設があることが、学校選びの決め手になったという。

 

SSHは先進的な科学教育の実践を目的に02年度に始まった。文部科学省の指定を受けると、学習指導要領を超えたカリキュラム編成などが行えるようになる。22年度の指定は217校。京都教育大付属高校では、大学の研究室を訪ねて実験実習を行ったり、海外の高校生や研究者らと交流したりしていた。

引用:『朝日新聞EduA』 オックスフォード大院でヒトの遺伝子を研究中 原点はSSH指定校での研究「なぜ妹だけ蚊に刺される?」

 

田上さんは2020年11月に試験に合格し、2021年1月に米コロンビア大学院修士課程に進学。2022年5月には学士号と修士号を同時に取得した。

コロンビア大学修士課程を、極めて優秀な成績で1年数ヶ月で修了した田上さん(画像は『Columbia University』のスクリーンショット)
コロンビア大学修士課程を、極めて優秀な成績で1年数ヶ月で修了した田上さん(画像は『Columbia University』のスクリーンショット)

そして2022年10月には英オックスフォード大学の博士課程へ。現在も研究に明け暮れる日々だという。

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◆まとめ

わが子を東大に入れるためなら手段は選ばない ― ご両親の煩悩と私利私欲のせいで、あのような論文が書き上げられたように想像するが、本当に優秀な学生さんというのは、専門家のお手伝いなどなくても独自にここまで調べ上げ、研究者としての道を自分の力で切り拓いていく。また、それでこそ高く評価されるのだ。

秋篠宮夫妻がわが子の真の実力をご存じないとは思わない。敢えてその真実から目を背け、どこまでも「わが子は超優秀」とアピールされるのであれば、国民は悠仁さまを「北のショーグン様と同じ」としか見なくなるだろう。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

画像および参考:
『朝日新聞EduA』オックスフォード大院でヒトの遺伝子を研究中 原点はSSH指定校での研究「なぜ妹だけ蚊に刺される?」

『PRESIDENT Online』なぜ妹は僕より蚊に刺されやすいのか…妹思いの男子高校生が科学に目覚めてコロンビア大学に進むまで

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