旧・統一教会が、国際勝共連合とともに日本で今から50年ほど前に発刊した『世界日報』。デジタル版だけかと思いきや、関東地方の一部や沖縄県では紙面でも販売されているという。

その世界日報社が「女性宮家の創設に反対」「悠仁さままでの皇位継承順位をゆるがせにしてはならない」と社説で鼻息の荒いところを見せ、X（Twitter）で話題になっている。

◆男系男子による皇位継承をと主張

世界日報の編集部による5月13日付の『【社説】皇位の安定継承　「男系男子」を揺るがすな』には、こんなことが書かれていた。

皇位継承に関する与野党協議が衆参両院議長の下、今週中にも始まる。「立法府の総意」を取りまとめるには時間を要しようが、重要なことは「男系男子」による継承の原則に沿って協議を進めることだ。安定継承は、皇統を守ってこそ可能となる。

 

政府の有識者会議は２０２１年末、今上陛下、秋篠宮皇嗣殿下、次世代の皇位継承資格者として悠仁親王殿下がいらっしゃることを前提に「この皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」との意見で一致し報告書を政府に提出した。皇室典範が定める皇位継承の原則は「皇統に属する男系男子」であり、有識者会議はそれを確認したのだ。

 

朝日新聞は社説（７日付）で「女系天皇を認めてもよい」が74％となった５年前の世論調査を持ち出し、既に決まっている皇位継承順位を「変更するのは現実的ではない」としながらも「しかし、その先も男系男子を墨守するのが『国民の総意』といえるのか、大いに疑問だ」と述べた。暗に女系天皇を認めよ、と言っているのだ。

 

共同通信は４月末、女系天皇に賛成（「どちらかといえば」も含め）84％、女性宮家の創設賛成77％という世論調査結果を公表した。宮家の役割は本来、皇位継承者の確保にある。女性宮家の子孫は皇位継承の資格を得ることになり、女系天皇の誕生につながるため、われわれは創設にも明確に反対する。

◆「世界日報」を命名した文鮮明は皇室に強い嫌悪感

韓国発祥の新興宗教であろうに、日本の皇室の在り方にどうしても干渉したい様子の世界日報。1975年1月に創刊された新聞だが、旧・統一教会の今は亡き教祖・文鮮明の思想を反映させており、命名者もご本人だという。

日本での布教を進めるなか、皇太子妃であった美智子さまの気を引くことに成功し、皇族と記念写真を撮るほどまでになっていた文鮮明と教会の幹部たち。ところが、じつは皇室破壊論者であったことが徐々に明らかになってきた。

文鮮明は戦前、早稲田高等工学校（早稲田大学に併設された各種学校）で電気を勉強していたにもかかわらず、大変な反日感情と皇室破壊願望を持っていたといわれている。

そのあたりについては、週刊現代が『「昭和天皇を暗殺する」「日本の女は男の寝床に這いつくばる」…！統一教会教祖が信者に語っていた、凄まじすぎる「日本憎悪の言葉」』という記事で伝えていた。

〈日本は一番の怨讐の国でした。二重橋を私の手で破壊してしまおうと思いました。裕仁天皇を私が暗殺すると決心したのです〉（第381巻より。原文を日本語訳したもの・大意。以下同）

 

〈裕仁天皇を二重橋を越えて殺してしまおうとした地下運動のリーダーだったんです。こうした学生時代には、日本の婦人たちに無視されたこともたくさんありました〉（第305巻より）

 

昭和天皇暗殺を考えていたことや、皇居の正門に架かっている二重橋を破壊しようとしていたという旨の発言は、第306巻、352巻、402巻にも記録されている。

 

文氏が実際に地下運動のリーダーだったかについては明らかになっていないが、韓国人信者に対して自身が「昭和天皇暗殺を計画した抗日運動の闘士であった」と話していた可能性は高い。

そのようなわけで、文鮮明の影響をかなり受けている世界日報社が皇室について何を主張したところで、「根底に皇室破壊願望があり、その策が悠仁さまの天皇即位というわけ？」と疑いたくなってしまうのだ。

◆韓国発祥の新興宗教がなぜ日本の皇室に干渉？

その社説では「宮家の役割は本来、皇位継承者の確保にある。女性宮家の子孫は皇位継承の資格を得ることになり、女系天皇の誕生につながるため、われわれは創設にも明確に反対する」と述べられていた。

そして「皇位継承の流れをゆるがせにしてはならない」と主張する部分では、悠仁さまの天皇即位をゼッタイに実現させなければといった雰囲気で、そんな鼻息の荒さは「秋篠宮家と遠いご親戚か何かでは…？」と勘繰りたくなるほどだ。

彼らは日本の皇室、そして皇位継承順位について、なぜそんなにも干渉したがるのだろう。

（朝比奈ゆかり／エトセトラ）

画像および参考：
・『世界日報』【社説】皇位の安定継承　「男系男子」を揺るがすな

・『Wikipedia』世界日報（日本）

・『週刊現代』「昭和天皇を暗殺する」「日本の女は男の寝床に這いつくばる」…！統一教会教祖が信者に語っていた、凄まじすぎる「日本憎悪の言葉」