皇位継承懇談会この顔ぶれでよいワケがない 日本会議に神道政治連盟に、旧統一教会ズブズブ報道だらけじゃないか!

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結論ありきで始まったとしか言いようのない、岸田首相直属の『安定的な皇位継承の確保に関する懇談会』。皇族数の確保が喫緊の課題だとし、養子縁組の門地の差別問題を「法律上問題ナシ」などと法制局に発言させ、初会合にして「皇室典範改正」の話まで飛び出しているという。

 

内閣支持率がもはや2割という与党自民党の、わずか16名の議員による懇談会で、憲法2条や皇室典範に関わることを決めるなど、あってよいことなのか。

胡散臭い一般人をあるときから「殿下」と呼ぶ必要が出てくるなら、避けられないのは皇室の「質」の低下である。皇室・宮内庁の運営には年間200億円近い予算が組まれており、暮らし向きが悪くなった国民から皇室不要論が上がる可能性は十分にある。そのため、この懇談会に臨んでいるメンバーこそが、文鮮明さながらの皇室破壊論者なのでは?と疑う声が、X(Twitter)で噴出している。

旧統一教会の文鮮明は皇室破壊論者(画像はネットで拾ったもの)
旧統一教会の文鮮明は皇室破壊論者(画像はネットで拾ったもの)

そこで、このたびの懇談会に出席したメンバーに注目してみると…。



◆初回出席者の顔ぶれ

報道写真を元に、初回懇談会に出席した15名について、出身地や所属団体を調べてみた。女性天皇・女系天皇いずれにも反対という極右組織の「日本会議」や「神道政治連盟」との関わりについても知る必要がありそうだ。

11月17日に行われた「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の初会合。会長は寬仁親王妃信子さまの兄・麻生太郎氏(画像は『NHK』のスクリーンショット)
11月17日に行われた「安定的な皇位継承の確保に関する懇談会」の初会合。会長は寬仁親王妃信子さまの兄・麻生太郎氏(画像は『NHK』のスクリーンショット)

ー敬称略ー

 1 木原 誠二(東京都 日本会議)
 2 塩谷 立(静岡県 日本会議/神道政治連盟)
 3 梶山 弘志(茨城県 日本会議/神道政治連盟)
 4 小渕 優子・副会長(群馬県 神道政治連盟)
 5 萩生田 光一・事務総長(東京都 日本会議/神道政治連盟)
 6 森山 裕・副会長(鹿児島 日本会議/神道政治連盟)
 7 茂木 敏充・会長代理 (栃木県 日本会議/神道政治連盟)
 8 麻生太郎・会長・座長(福岡県 日本会議/神道政治連盟)
 9 関口 昌一(埼玉県 神道政治連盟)
10 世耕 弘成(和歌山県 神道政治連盟)
11 中曽根 弘文(群馬県 日本会議/神道政治連盟)
12 衛藤 晟一(大分県 日本会議/神道政治連盟)
13 有村 治子氏(石川県 日本会議/神道政治連盟)
14 山谷 えり子(東京都武蔵野市 日本会議/神道政治連盟)
15   福岡 資麿(佐賀県 神道政治連盟)

 

こうしてみてみると、「旧統一教会ベッタリ」とすっぱ抜かれたメンバーもいれば、なぜこの方が?と不思議な感じがするメンバーも。4名以外が「日本会議」の国会議員懇談会に、1名以外が「神道政治連盟」の国会議員懇談会に所属しているようだ。



「この方々は信頼するに値するのか」という視点から、ここでは敢えて過去のネガティブな報道を紹介してみたい。

1 木原誠二氏

左一番手前の木原誠二氏は、向いのどなたかをにらんでいる??(画像は『時事通信社』のスクリーンショット)
左一番手前の木原誠二氏は、とにかく目つきが険しくなった。向いのどなたかをにらんでいる?(画像は『時事通信社』のスクリーンショット)
こう報じられた木原氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『日本経済新聞』のスクリーンショット)
こう報じられた木原氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『日本経済新聞』のスクリーンショット)

 

2 塩谷立氏

こう報じられた塩谷立氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『日刊ゲンダイ』のスクリーンショット)
こう報じられた塩谷立氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『日刊ゲンダイ』のスクリーンショット)

 

4 小渕 優子・副会長

こう報じられた小渕氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)
こう報じられた小渕氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)

 

5 萩生田 光一・事務総長

萩生田氏には、積極的に皇室典範をどうこうしようという思いはないのかもしれない(画像は『自民党』のスクリーンショット)
萩生田氏は、小泉政権下でまとめられた皇室典範改正案をかつては高く評価していたのに…(画像は『自民党』のスクリーンショット)

 

7 茂木 敏充・会長代理

こう報じられた茂木氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)
こう報じられた茂木氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)

 

8 麻生太郎会長・座長

こう報じられた麻生氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)
こう報じられた麻生氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)
日韓トンネルの件まで報じられた麻生氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)
日韓トンネル計画では顧問だったと報じられた麻生氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)

 

10 世耕 弘成氏

こう報じられた世耕氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『日刊ゲンダイ』のスクリーンショット)
こう報じられた世耕氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『日刊ゲンダイ』のスクリーンショット)

 

11 中曽根 弘文氏

こう報じられた中曾根氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)
こう報じられた中曾根氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『東京新聞』のスクリーンショット)

 

12 衛藤 晟一氏

こう報じられた衛藤氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)3
こう報じられた衛藤氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)3

 

もしもあの『希望の日・晩餐会』に出席していたのなら、文鮮明の皇室破壊願望を知らないということはないだろう。

 

13 有村 治子氏

有村氏は、この懇談会ではユニークな存在かもしれない。Wikipediaによれば、こういった考えの持ち主ゆえ、党内では浮いてしまうことがあるようだ。

【女性宮家について】

 

女性宮家の創設に反対しており、第193回国会において天皇の退位等に関する皇室典範特例法案が審議される過程で、2017年6月1日に衆議院議院運営委員会にて女性宮家創設などを政府に求める付帯決議が採択されたことで、参議院天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委員会の理事を辞任。皇位継承の伝統を守る立場から女性宮家創設に反対する見解を示した。

 

6月7日の参議院特別委員会における同様の決議案の採択でも、採決に参加した委員のなかでただ一人反対し、吉田博美党参院幹事長より厳重注意を受けている。

 

 

【政治家の二重国籍について】

 

2016年の参議院予算委員会で、重国籍問題および国籍法について、外務公務員が重国籍を禁じられている一方で、総理大臣や外務大臣をはじめとする閣僚、自衛隊・防衛省職員、皇宮警察を含む警察官、皇族や閣僚を警護するSP等に対し、重国籍を禁じる法律がない現状を指摘し、法的脆弱性や機密保全上の問題がないのか、政府を質している。

 

この際、上海総領事館員自殺事件やボガチョンコフ事件の例を挙げ、政治や行政の中枢に携わる者が重国籍であることの危険性を示し、「国家機密を扱う国会議員が、日本国籍のみを持つことは、『国家国民に忠誠を誓う証左』であり、当然の責務では」と主張した。安倍内閣総理大臣は、「確かに問題点は存在する。政府としてもそうした問題点は整理していかなければいけないこと」と答弁している。

 

かつて民主党野田政権の時代に、二重国籍の人が総理大臣補佐官になっていたことを挙げ、国家機密を扱う公人が情報漏洩の懸念を持たれないよう、組閣や総理補佐官指名の際には、「日本国籍のみを持っていることを、しっかり審査すべきだ」と提案。安倍総理大臣も答弁において、国籍法が求める国籍選択努力義務を履行することの重要性について賛同した。

 

14 山谷 えり子氏

こう報じられた山谷氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『日刊ゲンダイ』のスクリーンショット)
こう報じられた山谷氏が懇談会に出席。なるほど…(画像は『日刊ゲンダイ』のスクリーンショット)

 

15 福岡 資麿氏

2度落選も2度目の当選で、福島氏はなんと翌年には30代にして参議院行政監視委員長に。

参議院行政監視委員長に選ばれた後は、あれよあれよと出世し安定の当選(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)
参議院行政監視委員長に選ばれた後は、あれよあれよと出世し安定の当選(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)

 

その後は2013年、内閣府大臣政務官および復興大臣政務官に。2015年、内閣府副大臣(金融、国家戦略特区、地方創生等担当に。そして2023年9月からは、自由民主党参議院政策審議会長に。憲法改正、9条改憲などにかなり積極的な議員である。

これだけ「賛成」「賛成」と連呼していれば出世は当然か(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)
これだけ「賛成」「賛成」と連呼していれば出世は当然か(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)

※ 3の議員について、奥野信亮氏と判断しておりましたが、「頰のシミから梶山弘志氏であろう」とのご指摘により、訂正致しました。大変申し訳ございませんでした。

 

◆外された高市早苗氏、しかし…

日本経済新聞は2022年1月にも同様の懇談会について報じていたが、その際には高市経済安全保障担当相の姿があった。

2022年1月、同様の会議が行われた際、高市氏の姿もあったが…(画像は『日本経済新聞』のスクリーンショット)
2022年1月、同様の懇談会が行われた際には、高市早苗氏の姿もあったが…(画像は『日本経済新聞』のスクリーンショット)

 

しかし、今回その姿はない。「女性天皇には反対しない。女系天皇には反対する」と述べた高市氏に出席されては「困る」ということか。

党内の「高市早苗はずし」などなんのその、昨日の記者会見では、党内の勉強会『日本のチカラ』研究会の入会者が45人にものぼったことを高市氏は明らかにしている。「女性天皇に賛成。女系天皇にも反対しない」と言ってくださるなら、こちらでも応援してみたいところだが…。

 

◆まとめ:自民党内は揺れている

ついに始まった懇談会だが、メンバーには旧統一教会という極秘の票田のおかげで当選したと考えられる議員がわんさかいる、という事実は無視できない。そんな議員に「国民から政治を任された代表だ」などと自負されては困るのだ。

また、麻生氏は「限られたメンバーで静謐(せいひつ)な環境の中で議論を深めていきたい」と語ったが、結論ありきなら丁々発止も喧々諤々もないだろう。ただし時事通信ニュースは「自民内の意見は割れており、集約の難航も予想される」と伝えている。

それなら、誰もが納得する「男系」の敬宮愛子天皇の立太子で、とにかく穏やかで “静謐” な時間を確保するべき。その後に「養子縁組でわが子を皇族に」と言ってくれる旧宮家を見つければよいのだ。

ただし百歩譲って、幼少期から皇室で帝王学を学んでいただくことが条件になるだろう。「成人ではなく、非常に幼い男の子なら」という意見がX(Twitter)では支持を得ているようだ。



(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

画像および参考:
『日本経済新聞』皇族確保へ議論着手 自民、懇談会初会合 2022年1月24日 22:29

『NHK』自民党 安定的な皇位継承のあり方検討 懇談会の初会合

 『X(Twitter)』山谷えり子@yamatanieriko

『時事通信社』自民、皇室典範改正も視野 皇位継承懇談会が初会合

『産経新聞』世耕氏「例外なく男系承継、慎重に検討」 皇位継承 2019/11/26 14:52

『Wikipedia』日本会議国会議員懇談会

『Wikipedia』神道政治連盟

『日刊ゲンダイ』旧統一教会と「関係アリ」国会議員リスト入手! 歴代政権の重要ポスト経験者が34人も

『エトセトラ・ジャパン』「皇室典範改正」の議論に統一教会ズブズブ報道の萩生田光一政調会長が乗り出すことの測り知れない危険性

『東京新聞』「ドリル優子」も要職に…「説明責任を果たした」って本当? 岸田人事に自民党内部でも不満がくすぶる

『smartFLASH』自民党・茂木敏充幹事長の大ウソ…統一教会信者にパーティ券を売っていた!【領収書を独占入手】

『デイリー新潮』統一教会「日韓トンネル計画」麻生太郎も顧問を務めていた 「事業にお墨付きを与えた」

『FRIDAY』麻生太郎 韓鶴子総裁が主宰する旧統一教会関連組織への“所属疑惑”

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『弁護士ドットコムニュース』ツイート投稿者を「いきなり提訴」した世耕議員を裁判所が批判、名誉毀損訴訟が異例の和解

『毎日新聞』中曽根元外相の選挙に「旧統一教会300世帯が参加」 教祖発言

『Wikipedia』衛藤 晟一(えとう せいいち)

『Wikipedia』有村治子

『Wikipedia』福岡資麿