「天皇家は2600年以上も男系男子」に騙されないで《その5》Y染色体の脆さ
秋篠宮家の長男・悠仁さまが、成績不振と言われるなかで、まさかの東京大学に推薦で進学しようとしていらっしゃるという話題。それは、これまで皇室の話に特に関心がなかったという層にも、「秋篠宮家はけしからん」とアンチを広げてしまった感がある。
そして、ますます多くの国民が「次の天皇は?」と皇位継承順位の話題に関心を寄せるようになったと言われているが、「天皇家は2600年以上も男系男子が継いで来た」という理論が出てきた時のために、是非とも押さえておいていただきたい事を綴ってまいりたいと思う。
《その1》この有名人も騙されていた…?
《その2》考古学が最古の天皇と認めたのは…神武天皇から2,600年以上も…には無理がある
《その3》女性天皇が8人いる、昔も理知性が重要だった
《その4》男系男子を定めたのは明治の官僚 娘ばかり3人で長女に婿養子!
《その5》Y染色体の脆さ
今回のその5は、シリーズ最後となるY染色体の脆さ」。女性天皇・女系天皇に反対する方々は「男系男子が継いでこそ血統を維持することができる」と話す。
人は体格や顔つき、声の高さ、仕草で男女を判断すると見誤ることがあり、正しく男女を区別するならXX・XYという性染色体の組み合わせを確認する以外ない。つまり男系男子派は、Y染色体を持っているか否かが大事だと考えていらっしゃるのだろう。
だが近年、そのY染色体は非常に脆いことがわかってきた。それにこだわる意義は、どれほどあるというのだろうか。
◆男性より女性の寿命が6年も長い
厚生労働省は今年7月、2024年度の日本人の平均寿命として、男性を81.09年、女性を87.14年と発表した。性染色体がXYの男性よりXXの女性のほうが6歳も長生きする。健康を司る遺伝子が多数含まれるX染色体が2本ある女性は、やはり強いのだろう。
日経ビジネスの『Y染色体がどんどん減少 やがて男は消える運命?』という記事によると、「退化も淘汰もどちらも進化です」と前置きした上で、専門家は男性だけにあるY染色体が、すでにとても脆いものになっていることを説明している。
哺乳類のY染色体は、かつてはX染色体と同じサイズで同じ遺伝子を持っていたが、徐々に退化して短く軽くなり、遺伝子の数も減少したことがわかってきた。2000個ぐらいあったはずの遺伝子の数は、現代は50個ほどに減っており、遠い将来には消滅してしまうのかもしれないという。
◆高齢の男性はY精子を作れない?
かなり前だが、J-castニュースが『夫がトシをとってつくった子は女の子になるってホント?』という興味深い話を伝えたことがある。男性の芸能人たちが60代、70代ではるか年下の女性と再婚すると、生まれてくる赤ちゃんは大体女の子だという。
記事では、2013年に米国生殖医学会の雑誌に発表された論文を紹介。ある研究チームが5,000人以上の男性の精液について、X染色体(女の子になる)とY染色体(男の子になる)の割合と年齢の関係を調べた結果、55歳を過ぎるとY染色体の割合が毎年約5%ずつ減少することがわかったそうだ。
そしてY染色体は酸性に弱く、アルカリ性に強い。逆にX染色体はアルカリ性に弱く、酸性に強い。こうしたこともあって、膣内での精子はY染色体が約24時間しか生きられないのに対し、X染色体は2~3日も生きるとのこと。男性の体内にいても高齢化に悩まされ、女性の体内に入っても酸にやられ、なんともか弱いものであるようだ。
◆血の継承が確認できるのは女系の子孫だけ?
今年5月にこちらで、『「女系」子孫に感謝! 男系まるで不一致も姉つながりの末裔でDNAが合致した英リチャード3世の遺骨』という記事を書いた。
イングランドのレスターで今から10年ほど前、「ボズワースの戦い」で1485年に惨殺されたとされるリチャード三世の遺骨らしいものが発見された。ところが、DNA鑑定で予想外の苦労を強いられたという。
レスター大学考古学チームがその遺骨について調査にあたったが、実子は11歳で他界したもののリチャード3世には12人ものきょうだいがいた。よって子孫も多く、530年ほど前の骨ならDNA鑑定による照合は簡単だと考えられた。
だが、リチャード3世のY染色体は曾祖父の兄からつながる男系子孫5人のDNAを調べても一致せず、「母方」の親族も調査することに。最終的には「祖先がリチャード3世の姉」というカナダ在住の男性のDNAでやっと照合が叶い、遺骨は立派な墓に眠ることができた。血のつながりを確認するなら、女系に尽きるようだ。
◆Y染色体も命を支えている
何とも頼りないY染色体だが、それでも健康、生命の維持には欠かせないものである。
国立循環器病研究センターの『血液の加齢性Y染色体喪失による心不全の悪化メカニズムを解明』という記事によると、一部の男性は加齢で白血球からY染色体が失われる、「loss of Y chromosome (LOY)」という現象が起こるそうだ。
大阪公立大学大学院医学研究科 循環器内科学の佐野 宗一特任講師、ウプサラ大学、バージニア大学の研究者らによる共同研究グループは、LOYが起きた男性はY染色体を失っていない男性に比べ、アルツハイマー病や膀胱がんなどにかかりやすく、心不全を含む様々な心血管病の予後も悪いことから、寿命が短いことがわかったと発表している。
◆まとめ
イギリスのリチャード3世の件は、DNA鑑定の衝撃的な事実を私達に教えてくれた。男系男子ではまったく照合が叶わず、一か八か「母」「姉」という女系の子孫を調べて初めて、やっとその遺骨がリチャード3世のものだと証明できたのだ。
先の《その4》でお伝えしたが、皇位継承を「男子に限る」と皇室典範に定めたのは、男尊女卑の精神に支配された明治時代のキカナイ法務官僚、井上毅のせいである。おそらく「Y染色体は大きく、絶対なるものだ!」と思っていたことだろう。リチャード3世の遺骨の件や、Y染色体の小ささ、脆さを知ったら大変なショックを受けたに違いない。
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
画像および参考:
・『J-castニュース』夫がトシをとってつくった子は女の子になるってホント?
・『日経ビジネス』Y染色体がどんどん減少 やがて「男」は消える運命?
・『国立循環器病研究センター』血液の加齢性Y染色体喪失による心不全の悪化メカニズムを解明
・『エトセトラ・ジャパン』「天皇家は2600年以上も男系男子」に騙されないで《その1》この有名人も騙された…!?
・『エトセトラ・ジャパン』「天皇家は2600年以上も男系男子」に騙されないで《その2》 考古学が最古の天皇と認めたのは…
・『エトセトラ・ジャパン』「天皇家は2600年以上も男系男子」に騙されないで《その3》女性天皇が8人、昔も理知性が重要だった
・『エトセトラ・ジャパン』「天皇家は2600年以上も男系男子」に騙されないで《その4》男系男子を定めた明治の官僚は娘ばかり3人で長女に婿養子!
・『エトセトラ・ジャパン』「天皇家は2600年以上も男系男子」に騙されないで《その5》Y染色体の脆さ
・『エトセトラ・ジャパン』「女系」子孫に感謝! 男系まるで不一致も姉つながりの末裔でDNAが合致した英リチャード3世の遺骨
男系男子の天皇は軍国主義とも暴力ともなんの関係もない。関係あるとか言ってる人はただの嘘つき。事実江戸時代の終わりまでは全く関係なかったのだから。
別に女の子が天皇でもいいけれど、①男性天皇の男系子孫を婿に迎える。
②Y染色体ハプログループのD系統を持っている男子を婿にする。
①が最善で②が次善。
Dを中・朝・韓の男性は持ってないから。
Dがあるのが日本人男性の特異性。中・朝・韓にはD男性はいない。
つまり日本人男性の特異性。
日本人女性には、中・朝・韓・台湾・モンゴルの女性に比べて、そんな特異性は全くない。
男の天皇じゃなければならないのはそういう理由。
男系男子当主を維持するため、我が国最大規模の対策をしたのは徳川将軍家でありましょう。
大奥に御三家(ここにも側室)を擁しても危機はあったわけで、いかに男系男子に限定する継承が難しいかを証明していますし、
さすがの徳川体制に比べて、民間育ちからポッと天皇候補の養子を貰ってこよう、なんて案がどれだけお軽い発想であるかも感じさせられます。
ところで、万世一系のフレーズや、男系男子継承の典範が産まれたのは明治ですが、それ以前から長らく為政者トップは男系男子で継承され、嫡男の誕生が待望され、お家の一大事でありました。
そのせいで、日本のトップ?名家?は男系男子で継ぐもの、というイメージが日本人のなかに漫然とあるのでは無いでしょうか。
しかし、将軍家がどうしても男子にこだわったのは『武家』だから。
今の天皇を男子に限る必然性が無いことを、イメージの面からも強く訴えたいと思いました。
今上陛下ご一家には、伝統を守りながら、現状にあった天皇像を創造していただけると思います。そんな賢帝を妨害する勢力が一掃され、伸び伸びと力を発揮していただける日を待ち望んでいます。
目には見えない世界の話はまだ受け入れられないことが多いですが、敢えて書いてみます。
今、私たちが観ているのは、人の中でも最高位に近い高い意識のご家族と、普通の人より遥かに低い意識の家族です。
愛と慈しみと思いやりに満ちたご家族と、恐れと不安と劣等感に満ちた家族は、対極なんです。
高い場所からはよく景色が見えますが、低い場所から見えるのは、自分たちと類友の仲間だけです。
何がどう問題なのか、少しもわからないと思います。
変化の時代だからこそ、こうして圧倒的な違いを明確に示していることに、大きな意義があるでしょう。
私たちが選択に一切迷わずにいられるからです。
天皇は国民の象徴で、私たちが自主的に選択することが必要です。
まだ知らない人、関心のない人が多くいるのが問題ではないでしょうか。
たくさんの人が自分たちのために良き選択をすることを毎日祈っております。
Y染色体の皇位継承に対する議論ほど下らないものはないと思います。太古の皇位継承にこのような概念はあったのでしょうか?科学的な話と伝統とは何の関係も無いと思うのですが。このような話を前面に押し出すのは、逆に、男系を押し通す根拠が乏しいことを示していて、女系容認の後押しとなるだけだと思います。また、別の角度からですが、歴代には、そのY染色体をお持ちにならない天皇が8名いらっしゃったのでしょう。つまり、その直伝のY染色体の有無と、即位とは関係ないということを証明しているようなものですよね。その意味では女系でも関係ないように思います。
衆院選挙、何人かの気になる候補者についてのメモ
三日前(10/23 pm11.10時点)
皇室研究者「高森明勅ブログ」でご覧を、、
>今回の選挙で気になっている候補者が何人かいる。
立憲民主党の野田佳彦代表(千葉14区)は絶対優勢なので、心配することは何もない。
但し、今回の選挙で立憲民主党がどれだけ勝てるかによって、今後、国会での野田代表の発言力も変わってくるはずなので、党全体としての躍進が大事になる(実は立憲民主党にも何人か落選させたい候補者もいるのだが)。
馬淵澄夫候補(奈良1区)はどうか。
一応、優勢が伝えられるが、皇位継承問題の今後の展開を考えると、絶対に国会にいて戴かないと困る。
先の立憲民主党代表選に立たれた吉田晴美候補(東京8区)も、皇位継承問題に理解がおありだ。
(以下本文で)
Y染色体は、ネッティー・マリア・スティーヴンスがミールワーム(コメノゴミムシダマシの幼虫)において発見し、1905年に報告したものです。
我が国の皇位継承とは何の関係もございません。後づけの屁理屈としても程度の低い、出来の悪い話です。
我が国の「男系男子」は古代、中世、戦前の性差別、女性蔑視、軍国主義の時代のやり方です。このような時代が長く続いたからといって「価値ある伝統」とする事はできません。
今日、このようなやり方を支持する国民はおりません。敬宮様の継承を支持する声が地滑り的に、いや天井知らずに高まっている事がその証左です。
男系男子派=性差別継承派は蜘蛛の子を散らすように霧散しているのです。