【続報】F大の留学生向け2年制JDプログラムはなぜ中止に…? 他校はいまだに継続中と判明

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フォーダム大ロースクール過去に存在した「留学生向け2年制JD課程」 しっかりとした職歴が求められているように見えるが…(画像は『Fordham University School of Law』のスクリーンショット)
フォーダム大ロースクールにかつて存在した「留学生向け2年制JD課程」 しっかりとした職歴が求められているようだが…(画像は『Fordham University School of Law』のスクリーンショット)

先の記事で、小室圭さんが法律を学んだフォーダム大ロースクールのJD課程に、2015年から「留学生向け2年制JD特別枠」が設けられていたこと、そして現在はその提供がないことをお伝えしてみた。なぜ終了したのかという疑問について紐解いてみたところ、意外にも他のロースクールでは継続していることがわかったので、続報としてこの件についてもう少しお伝えしてみたいと思う。



先の記事に関し、その後とても貴重な情報を寄せていただいた。日米の複数の人気YouTuberさんが以前その件について伝えており、しかし「2年では実際はキツすぎて脱落する留学生が相次ぎ、そうなるとABA(米国法曹協会)から認定を取り消される恐れがある。そのため中止となったのではないか」という結論に落ち着いた感じだったというのだ。

それまで取得した法学の単位を振替えてもらえるとはいえ、カリキュラムの密度は高い。難しい授業を2年間で修了するのでは「脱落」はいかにもあり得る話だ。先の記事に関し、そのあたりの修正が必要かどうかを確認するため改めて探っていたところ、意外な発見が2つあった。

 

■発見その1:他のロースクールはそのプログラムをいまだに継続

筆者が「留学生向け2年制JD特別枠」という情報を拾ったのは、『LLM GUIDE』というロースクール留学支援サイトのあるページだった。ニューヨーク州の複数のロースクールでそうした動きがあるという話だったので、念のためよその現在の状況を確認してみた。

すると、シラキュース大学、トゥーロ大学、バッファロー大学の各ロースクール、オールバニー法科大学院などが現在もそれを提供していることがわかった。確かに留学生は非常に勤勉で学力も高いと聞いたことがある。彼らが周囲より1年早く卒業し、優秀な成績で司法試験を突破するなら何より誇らしい話だ。

 

■発見その2:成績が極めて優秀なことが絶対条件

一方、フォーダム大ロースクールの公式HPに2015年3月13日から2016年8月23日まで存在し、その後ごそっと消えてしまった「留学生向け2年制JDプログラム」を紹介するページもついに発見したので、まずはそちらをご覧いただきたい。

フォーダム大ロースクール過去に存在した「留学生向け2年制JD課程」のページ(画像は『Fordham University School of Law』のスクリーンショット)
フォーダム大ロースクール過去に存在した「留学生向け2年制JD課程」のページ(画像は『Fordham University School of Law』のスクリーンショット)

気になる応募資格について、「志願者はすでに母国で弁護士を取得済み、あるいは四年制大学で法学を学び、ABA認定の他のロースクールでLLM課程に在学中あるいは修了した留学者のみとし、そこまでの成績が極めて優秀であったことを証明する書類の提出が必要」と示されている。

また、学生ビザが必要な留学生には1年分の学費を支払うに十分な銀行預金の残高証明書を提示するよう求めており、ごく優秀な一部の志願者については、限定的なメリット奨学金を受け取れる可能性があると謳われている。

ただし志願者が多いため競争は非常に激しく、毎年わずかの留学生しか受け入れられていないといい、選考基準については別のページで示されていた。

フォーダム大ロースクール過去に存在した「留学生向け2年制JD課程」 応募人数は留学生のみ15名(画像は『Fordham University School of Law』のスクリーンショット)
「留学生向け2年制JD課程」の応募人数は留学生のみ15名。職歴もモノをいうようだ(画像は『Fordham University School of Law』のスクリーンショット)

応募人数は毎年15名。志願者の学歴、テストの点数、プロフェッショナルとしての経験、推薦状(2通以上)、本人による強力なパーソナル・ステートメント(志望動機を記したもの)により総合的に判断されるという。



 

■ランキング上位校は手を出さないプログラム

ニューヨーク州に15あるABA認定のロースクールのうち、留学生向け2年制JDプログラムを提供しているシラキュース大学、トゥーロ大学、バッファロー大学の各ロースクール、オールバニー法科大学院などは、州内ランキングでみると15位中9位以下に集中していることに気づいた。

シラキュース大ロースクールには現在も留学生向け2年制JD課程がある(画像は『Syracuse University College of Law』のスクリーンショット)
シラキュース大ロースクールには現在も留学生向け2年制JD課程がある(画像は『Syracuse University College of Law』のスクリーンショット)

一方、コロンビア大学、ニューヨーク大学、コーネル大学など、ランキングの高い一流ロースクールは手を出していない。なぜランキング4位のフォーダム大学がそれに乗り出し、そしてなぜ2020年8月13日のウェブページから「そのプログラムの提供は現在ありません」と否定することになったのか…。

 

■なぜフォーダム大ロースクールはそれを廃止した?

留学生向け2年制JDプログラムが、複数のロースクールに存在することはわかった。フォーダム大ロースクールでは最大で15人と応募人数が多いこともわかった。だが、他のロースクールがそのプログラムの提供を継続しているのに、なぜフォーダム大だけは圭さんがJD課程への編入を果たした翌年にそれを中止したのだろう。人数を縮小するという手もあっただろうに…。

 

想像される理由その1:

コロンビア大などの上位校と同じで、フォーダム大にも実はその気がなかった。にもかかわらず、外国から何らかの大きな力で「その制度を導入してほしい」と要求され、数年間限定で設けることになった?

想像される理由その2:

そのプログラムの応募条件として「母国で弁護士資格を取得済みの留学生」「法曹界での自身の活躍をアピールできること」と示しているロースクールは多い。圭さんが受け入れられたことに、内部からも「条件が緩すぎる」という批判が噴出した?

想像される理由その3:

条件には「極めて優秀な成績」とある。そうとは思えない留学生が混じっていて、在学生から学校に「公平な選考だったのか」と苦情が続出した?

 

■まとめ

F大ロースクールが小室圭さんの卒業式のときだけ奨学金受給者や表彰者を極秘にしたことを少し前に伝えていたが、最優秀学生向けの超お得なメリット奨学金支給といい、この留学生向け2年制JDプログラムへの合格といい、筆者にはまだまだ解せないことがいっぱいある。



(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

画像および参照:
『Fordham University School of Law』JD Admissions ― Two-Year JD Program for International Students(2016/08/23)

『Fordham University School of Law』JD Admissions ― Selection Criteria(2016/08/23)

『Syracuse University College of Law』Two-Year J.D. Program for Foreign Law Graduates ― Accelerate Your J.D. Program

『TOURO UNIVERSITY LAW CENTER』Two-Year JD Program for Foreign Law Graduates

『University of Buffalo School of Law』Advanced Standing Two-Year Juris Doctor for Internationally Trained Lawyers

『ALBANY LAW SCHOOL』Accelerated Two-Year Juris Doctor (J.D.) Applicants

『Wake Forest Law』Two-Year JD for International Lawyers

 

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