高市首相ASEAN首脳会議の英語が話題に すごい経歴にビジネス英語超上級と信じていたが…

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高市早苗首相が、就任後わずか4日という今月26日にマレーシアで開かれているASEAN首脳会議にて外交デビューを図り、英語、日本語両方でスピーチをされた。

「米国連邦議会立法調査官」と名乗っておられたため、高市首相の英語はビジネスレベルで超ペラペラだと信じていた。それだけに、正直ちょっとガッカリさせられてしまった。

視聴者さんにわかりやすく、ということで英語と日本語の2つのテロップを並行して流す動画をやっと見つけたので、そちらを紹介しながら気になった点を挙げてみたい。



ご紹介したいのは、にっぽん見守り党チャンネルさんによる『【高市首相最新】英語スピーチで最高の外交に!高市首相がASEANで各国首脳の心を鷲掴み!我らの早苗の手にキスをしたのはあの国の首相…翻訳したら驚愕の提言判明!マジで日本の誇り!【勝手に論評】』という動画。

Xなどでは高市派の人たちが、最高の英語力だ、ペラペラで誇らしい、ここまで話せる首相がかつていただろうか、などと大絶賛しているようだが、筆者などは、この英語のスピーチが原因で経歴詐称を疑う声が沸き上がらないか、そちらを心配してしまった。

 

◆特に気になった点

タイのシリキット前王妃が亡くなられたことについて哀悼の意をーー。

“I would like to express my deep condolences to the passing of Her Majesty……”

高市首相「コンドレ…コンドレンセーズ」

正しくは「コンドウレンスィズ」。公人が哀悼の意を~と言うなら、まず使用される言葉はcondolences。米国で生活した高市氏なら、何度でも、何度でも耳にしただろう。

Appreciationを高市首相は「アプリスィエイション」と。正しくは「アプリシエイション」であろうに。同様にMalaysiaを「マレイスィア」とおっしゃったが、正しくは「マレイジア」である。

fundamental principle(基本理念)を「ファンダメンタル・プリンスィパール」と。これは「最も重要なポジションにいる人」という意味の “principal” の発音に聞こえてしまった。正しくは「プリンスィプゥ(最後は前歯の裏に舌の先を)」という感じなのだが…。

そして高市首相はASEAN leadersを「アセ・リーダーズ」と。前後の言葉のおかげで正しく受け止めてはもらえるが、一瞬、資産のassetとおっしゃったかと…。一番悲しかったのは、相乗効果という意味のsynergyを「スィナジー」ではなく、「シナゼイ」と発音されたことだった。

ここで挙げたようないくつかの単語は、職場が連邦議会なら何度も目に、耳にされたと思うのだが…。

(スタートは合わせてあります)



 

◆少し前にはこんな報道も…

こちらは高市氏の公式ウェブサイトに示されている経歴である。国民は確実に「高市氏なら国際舞台で気後れすることなく、ペラペラの英語で諸外国の首脳と互角に…」と期待したはずだ。

 

高市さんプロフィール(画像は『高市早苗』公式HPのスクリーンショット)
高市さんプロフィール(画像は『高市早苗』公式HPのスクリーンショット)

 

ところが、少し前には高市氏の経歴詐称を疑う報道が続いた。

こちらはNetIB-News による『高市早苗・元大臣に米国での経歴詐称疑惑再浮上──誤訳による印象操作は明白』という記事。

 

公務員でなければならない職業に就いていた?つっこまれると無言に…(画像は『NetIB-News』のスクリーンショット)
公務員でなければならない職業に就いていた?つっこまれると無言に…(画像は『NetIB-News』のスクリーンショット)

 

そしてこちらは、PRESIDENT Online による『サッチャー、安倍元首相だけではない…高市早苗氏が「虎の威を借る」ように20代から使った謎の肩書きの正体 初の著書の表紙は「米国連邦議会立法調査官」、中身は「特別研究員」』

 

ペラッペラでなければ勤まらないという印象だった(画像は『PRESIDENT Online』のスクリーンショット)
超上級のビジネス英語がペラペラでなければ勤まらないのでは?(画像は『PRESIDENT Online』のスクリーンショット)

 

伊東市長といい東京都知事といい、日本は今、やけに経歴詐称疑惑、学歴詐称疑惑の話題が増えている。しかも、本人が火消しに走ると証人が現れるといった調子で、疑惑を完全に払拭できた例は少ないように思う。



 

◆呼吸が荒いのは何を意味する?

忙しい首相のために優秀な外務省職員あたりが原稿を書いた ― 今回そんな印象を持ったが、英語スピーチでは息継ぎ、言葉の区切り方にちょっと違和感があり、手の動きが大きく、呼吸が荒めなことも気になった。

ところで筆者には完璧な英語を話す友人と知人がおり、企業や大学で通訳として活躍しているが、米国籍を取得していても、連邦議会での仕事を得るなど、まず難しいようだ。高市早苗さんという若い女性は、いったいどなたからの推薦状を得て、そんな栄誉な職場に入り込むチャンスを得たのだろう。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

画像および参考:
『YouTube』【高市首相最新】英語スピーチで最高の外交に!高市首相がASEANで各国首脳の心を鷲掴み!我らの早苗の手にキスをしたのはあの国の首相…翻訳したら驚愕の提言判明!マジで日本の誇り!【勝手に論評】にっぽん見守り党

『PRESIDENT Online』サッチャー、安倍元首相だけではない…高市早苗氏が「虎の威を借る」ように20代から使った謎の肩書きの正体 初の著書の表紙は「米国連邦議会立法調査官」、中身は「特別研究員」

『NetIB-News』高市早苗・元大臣に米国での経歴詐称疑惑再浮上──誤訳による印象操作は明白

1件のコメント

  • >小池都知事の学歴詐称問題の裏にある国際問題

    2024/04/18
    的場 昭弘 : 神奈川大学 名誉教授

    上記文言で検索を、、

    >小池氏個人にとどまらない問題

    教員になって外国人留学生の入試を担当すると、海外の高校や大学の卒業証明書を見ることが多くなる。中国などの留学生の高校卒業の証明書や、大学の卒業証明書が本当であるかどうかチェックするのだ。

    これもさまざまな点で怪しいなと思うものがあるが、チェックしようがない。チェックすれば、膨大な手間と時間がかかるからだ。

    さて、小池百合子氏の場合は問題が複雑である。それは彼女の卒業は、たんに個人的な問題にとどまらないからだ。日本とエジプトとの関係を考えれば、エジプト政府およびカイロ大学は卒業というだろう。

    日本とエジプト、そして当時のサダト政権と田中角栄政権の複雑な関係を考える場合、卒業を問題とするよりも、どうやって卒業という事実を獲得したのかということを問題にしたほうがいいだろう。

    しかし、これはとても勇気のいることかもしれない。卒業というものが国家権力と関係していた場合、真実を知ることは簡単ではないし、とても危険なことだからである。

     (詳しくは本文で)

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