【YOUR VOICE】「悠仁さまは熱心に稲を研究」アピールについて《その2》 国民の努力で繋いだコメの歴史に乗ることなかれ
私たちは、天皇にコメの新品種を生み出すことを求めているでしょうか。
もしも天皇としての道を進まれるのであれば、研究者や農家さんの地道かつ忍耐強い交配のご苦労を、見聞きすることからではないでしょうか。
《その1》はこちらから
宮内庁は昨年9月、16歳の誕生日を迎えられた悠仁さまについて、うるち米の品種「ミルキークイーン」と、もち米を育てていらっしゃることを公表しました。
ミルキークイーンもコシヒカリを親として生まれた品種で、悠仁さまは今年の夏休み、その開発にあたった茨城県つくば市にある農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の圃場を見学されています。
遡ること昭和19年、新潟県農事試験場の高橋浩之さんという研究者は、農林22号と農林1号の交配されました。この交配がコシヒカリ誕生に向けての出発点となります。
そして昭和23年、その種もみ20粒ほどが福井農事試験場に送られ(当時の農林省は「要らない種でもいいから送れ」と命じたとか)、石墨慶一郎さんら研究者の手により育種(系統育成)が行われました。
この農林22号と農林1号をかけた系統はとても優秀で、ササニシキの親・ハツニシキ、越路早生、ホウネンワセなど、コシヒカリ以外にも良い品種が続々と生まれました。そしてコシヒカリは、種を譲り受けてから8年後、交配から12年後という昭和31年に誕生したのでした。
福井農事試験場の岡田正憲さんから後を任された石墨さんは、そもそも育種に関しては素人だったといい、岡田さんのノートを元に研究を重ねるご苦労は、並大抵ではなかったと思われます。福井県坂井市丸岡町には、「コシヒカリの父」と呼ばれる石墨慶一郎さんの銅像も建てられています。
実は、私の親族と石墨さんは懇意だったのです。あまり白衣は羽織らず、常に作業着姿、とにかく現場主義の人だったとか。退職後もシャーレに種を入れて持ち歩き、プライベートでもコメ作りをされていた方だったそうです。
••┈┈┈┈••✼✼✼••┈┈┈┈••
戦争に駆り出され人手不足のなか、今のようなDNA解析もできない時代。ほぼ全戸が倒壊した福井地震(マグニチュード7.1)や洪水被害を乗り越え、人を継ぎ、県を跨ぎ、繋いで誕生したコシヒカリは、「コメの歴史を変えた」と言われています。
美味しいことはわかっていても、いもち病に弱く倒伏しやすいという作り難さから二の足を踏んでしまう農家もあり、日本一になるまでも相当年月がかかっています。美味しいコメのため、多くの人が尽力した歴史があるのです。
一般的に10年ほどかかる新品種誕生(農林水産省に品種登録される)。年月をかけ世代を重ね、両親から継いだ性質を「固定」させ、「選別」し、試験栽培をして認められれば登録されます。
何万何十万から選ばれる一種。しかし、良い品種が生み出されても、環境・気象条件や「生産に携わる者の日々の努力と手間」が揃わなければ美味しいコメはできません。収量や病気への強さなど、作りやすさこそ実はとても大切なことです。
近年、暑さに弱いコシヒカリは食の多様化も進み徐々に減りつつあり、新たな品種が続々生み出されていますが、その陰には常に努力し稲作文化を守っている研究者や農家さんがいるということを忘れないでいただきたいものです。
最初に交配に取り組んだ高橋さんは、その種の系統が日本一と認められる前に、残念ながらお亡くなりになったそうです。そもそも、高橋さんが徴兵検査前に怪我をされていなければ、徴兵となり交配すら行われていなかったかもしれません。
••┈┈┈┈••✼✼✼••┈┈┈┈••
飢えることがないよう、農耕文化は人が、国民が繋いで守ってきたことを、悠仁さま、そして秋篠宮妃紀子さまはご存知でしょうか。少なくとも、つくば市農研機構で悠仁さまを案内された矢野昌裕さんは、もちろんご存知でいらっしゃるでしょう。
将来の天皇として稲作を重視している雰囲気を醸し、しかし、やっていらっしゃることは、国民の努力の上にひょいっと乗っかっての「ご優秀・やってますアピール」です。何もかもが口だけ文字だけ、とても浅く薄い虚像に感じます。稲作を軽視していらっしゃるように思えてなりません。
悠仁さまが真にコメの品種や交配に興味があるならば、天皇に即位することなく、一宮家のご長男のまま研究者の道に進まれると良いと思います。ご自身の意欲と行動力で、積極的にコメの遺伝子や品種について研究されるのであれば、国民も何も申しません。
(福井県在住:秋津まなこさんより)
*********************
【YOUR VOICE】について
こちらは、普段ブログをお読みいただいている皆さまに、ご参加いただけるコーナーです。
皇位継承問題、現在の皇室典範、宮内庁はココがおかしい。そしてマスコミや週刊誌の適当な報道。
「もう黙ってはいられない」「私も言いたい」といった皆様の真剣な思いを、あなたも言葉にしてみませんか?
【ご協力をお願いしたいこと】
・卑語の使用、デモやテロなどの危険な誘導、過激な表現はお断りいたします。
・弊ブログとは方向性が一致しない、男系男子論などの主張はお断りいたします。
・謝礼などはございませんが、どうぞご了承下さい。
・メールは info@etcetera-japan.com まで。件名は「YOUR VOICE」でお願いいたします。
・簡単なタイトルもご準備ください。
・ご署名はお住まいの都道府県+イニシャルや仮名、またはTwitterのアカウント名をご利用下さい。
たくさんの方のご参加をお待ちしております。
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)