悠仁さまトンボ論文疑惑 ついに世界が恐れる「不正論文分析スペシャリスト」の下へ

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「上」が個性的な人物で、かつ極めてエゴイストである場合、当然ながら要求が大きくなり、プレッシャーがかかると説明するエリザベスさん(画像は『『YouTube』のスクリーンショット)
世界の研究者が恐れるエリザベス・ビクさんは、不正論文を暴くエキスパート。「上」が個性的な人物で極めてエゴイストである場合、当然ながら「下」への要求が大きくなると説明する(画像は『YouTube』のスクリーンショット)

秋篠宮家の長男・悠仁さまが放ったトンボ論文には、ご存じの通り国民の間から数々の疑問が噴出している。筆者のブログも、いまだに1日あたり2~3件の「私も変なものを見つけました」といったメールを頂くことが続いている。

「この写真おかしくないですか」

 

「ギフトオーサーシップに該当するのでは」

 

「トンボは生きていたんですか」

 

「糸、テグス、昆虫針などが見えるんですが」

 

「とんだ自作自演。ヤゴを飼育し放虫しておいて、トンボ相調査もないでしょう」

 

一方、論文を受理した国立科学博物館や共著者の清拓哉氏は、メールアドレスを示しているにもかかわらず、国民から寄せられる疑問にダンマリを続けていらっしゃる。

筆頭著者である悠仁さまや、ご両親である秋篠宮ご夫妻から「迂闊なことを語るではない。平民の声など無視せよ」と命じられ、返信したくてもできない状況なのだろうと想像する。

 

だが、捨てる神あれば拾う神あり…とはよく言ったもの。しかも、この「神」は普通の神ではない。不正論文を暴くことにかけては世界一と評価されているエリザベス・ビク(Elisabeth Bik)さんが、すでにトンボ論文の問題を把握しておられることがわかったのだ。



ご存じの通り、【皇室、徒然なるままに】をご寄稿頂いている理学博士の西村 泰一先生は、弊ブログにある疑惑に満ちたこのたびのトンボ論文に関する記事を英語でまとめ、世界中の研究者が集まる『ResearchGate』というSNSに、以下の4件を投稿していらっしゃる。

『ResearchGate』Oops !…Prince Hisahito did it again !

『ResearchGate』Oops !…Prince Hisahito did it again ! Part II

『ResearchGate』Oops !…Prince Hisahito did it again ! Part III

『ResearchGate』Oops !…Prince Hisahito did it again ! Part IV(最新)

 

世界の研究者さんが関心を示され、閲覧数はあっという間に1万を突破。その先の話題拡散は、想像以上のスピードとパワーがあったのだろう。エリザベスさんがこの話題を把握するのに、そう時間はかからなかったようだ。

 

◆エリザベス・ビクさんとは?

アメリカに拠点を置き、世界中の学術文献や研究の不正を暴く『リトラクション・ウォッチ(Retraction Watch)』というウェブサイトがあるが、エリザベスさんはそこで度々功績が紹介される超有名人。“不正の発覚や密告を恐れている” 研究者にとって、この両者ほど怖い存在もないそうだ。

 

また、Wikipediaでエリザベスさんはこのように紹介されている。

論文の不正を暴き、世界中から称賛されているエリザベス・ビクさん(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)
世界中の研究論文における不正を、多数暴いていらっしゃったエリザベス・ビクさん(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)

 

◆エリザベスさんのウェブサイトにも

エリザベスさんは、悠仁さまのトンボ論文に多くの疑惑の声が上がっていることを記事化され、すでにご自身のウェブサイト『PUBPEER』で紹介してくださっている。

エリザベス・ビクさんがご自身のウェブサイトでトンボ論文の疑惑について紹介(画像は『PUBPEER』のスクリーンショット)
エリザベス・ビクさんがご自身のウェブサイトでトンボ論文の疑惑について紹介(画像は『PUBPEER』のスクリーンショット)

 

ちなみに彼女の下には日々、世界中からたくさんの「密告」が寄せられるもよう。すべてがこのように記事となって掲載してもらえるわけではないようだ。

 

◆X(Twitter)でも紹介される

なんとエリザベスさんのXには、研究機関、研究者、学術雑誌の編集者を中心に14.6万ものフォロワーさんがいらっしゃるようだ。

 

拝見してみると「2年前には剽窃行為が話題になっていましたね」とのコメントが複数ある。秋篠宮家、宮内庁、北九州市文学館が想像していた以上に、海外の人々にとって「剽窃」というのはセンセーショナルな話題だったのだろう。

皆さんもそれぞれに感じていらっしゃることを、(できれば英語で)コメントしてみて頂きたい。エリザベスさんほか、この件に関心を持たれた研究者さんにとって、どんな情報でも大きな助けになるように思う。



◆YouTubeで配信された最新の対談が興味深い

ヨーロッパを拠点に学術出版の世界展開を図ってきた、シュプリンガー・ネイチャー(Springer Nature Group)社。トップであるリトゥ・ダンドさんは、最近エリザベスさんと対談したといい、その様子を数日前にYouTubeにアップしていた。お話の内容からわかったことを、少しだけご紹介してみたい。

「2023年に撤回された論文の数は5,500件もありました」と話すエリザベスさん。ご自分が書かれた文章を他の研究者に盗まれたときの激しい怒りが、不正を暴く活動のモチベーションになっているとのこと。バレないよう左右反転になっている画像を見つけたときの怒りは、ただではなかったという。

その後、微生物学者としての仕事を離れ、独学で「画像」の不正を見抜く術を習得。Photoshopを使用したとみられる画像の解析に役立つソフトウェアを駆使し、研究や論文の不正を暴く活動に専念するようになったそうだ。

エリザベスさんは、不正行為や文章中の誤りは遠慮なく通報するべきだと考えておられる。その理由は、科学者は他の科学者の先の研究に基づいて、それを引用しながら研究を行っているから。問題がある論文を放置すると、先々の研究に誤りが継がれてしまうことになるわけだ。

 

◆日本で起きた「匿名A」論文告発騒動

「匿名A」の告発により日本で2015年に発覚した、80本を超える医学論文についての「大量不正疑義事件」を覚えていらっしゃるだろうか。STAP細胞事件より重大とも言われた事件の詳細についてはWikipediaの解説をご覧いただきたいが、その「海外の反応」においてエリザベスさんの見解が紹介されていた。

STAP細胞事件より騒がれた日本の論文大量不正疑義事件(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)2
STAP細胞事件より問題視されたという日本の論文大量不正疑義事件。ここにも関わったエリザベスさん(画像は『Wikipedia』のスクリーンショット)

 

ここにある「COPE」とは1997年、学術論文公正の向上を目的に英国で設けられた非営利組織の出版規範委員会(Committee on Publication Ethics)のこと。彼らは論文の「捏造・改ざん・盗用」の3つを特定不正行為と呼んでいる。1万を超える世界の学術誌(2016年の調査で日本からは179誌)と、20を超える出版社が登録しているそうだ。

 

◆国民の目は騙されない

実は先の記事で、筆者は写真19番と82番を元に「シオカラトンボのペアを載せるための、ワイヤーだらけのステージ」なる模型を自作していた。19番と82番は、実は同じ場所で撮影されたのではないかと疑うようになったからだ。

 

すると、それをよりシンプルに、より分かりやすくするため、手芸がご趣味だというフォロワーさんの「アラ還ぎゃる」さんが、こんな素晴らしい作品を作って下さった。

フォロワーの「アラ還ぎゃる」さまが御自慢の手芸の腕前を発揮してくださった!
オツネントンボの尾に近い腹の右横にあるものは縫い針。ほぼ実物大に作って下さったという。

 

そしてこちらは福岡県在住のHさんとおっしゃる方が、メールで送ってくださった最新の情報。じっと82番の写真を見つめていたところ、右側のシオカラトンボ(メス)の左翅の付近にも、丸い頭を付けた白あるいは緑色のモノが多数見つかったというのだ。

これまで示してきた赤い部分に加え、新たに青い四角で囲んだ部分にも注目していただきたい。
赤い部分に加え、新たに青い四角で囲んだ部分にもご注目を(画像は『J-Stage』のスクリーンショットに加筆)

 

 

なんと有難いことだろう。疑惑の声が集まる19番や82番の写真について、国民の間ではこうして着々と検証が進んでいるのだ。



◆まとめ

奇しくもSTAP細胞事件から10年が過ぎ、このタイミングでマスコミもいくつかの関連記事を出している。情けないことに日本は不正を指摘され論文が撤回になるワースト国とみなされ、名誉挽回は現在がんばっておられる研究者さんたちの正義感とコンプライアンス意識にかかっている。

エリザベスさんはシュプリンガー・ネイチャー誌のトップとのオンライン対談で、「上」の立場の者が強いプレッシャーを与えながら下にたくさんの論文を書くよう強要するような状況を、不正が起きる大きな原因だと批判しておられた。

加えて、もしもその「上」の人物に盗用や捏造についての罪の意識、そして正しい倫理観が欠けていたらどうなってしまうのだろう。いずれにせよ話題のトンボ論文騒動が、エリザベスさんの興味を引いたことは驚くべき事態。何かが大きく動き出す予感がする。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

画像および参考:
『J-Stage』『赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―』

『YouTube』Springer Nature Group ― In Conversation – Ritu Dhand and Elisabeth Bik

『Wikipedia』匿名Aによる論文大量不正疑義事件

『PUBPEER』赤坂御用地のトンボ相 ―多様な環境と人の手による維持管理―

『Retractionw Watch』category/PUBPEER SELECTIONS

『Wikipedia』Elizabeth Bik

『X(Twitter)』Elisabeth Bik(@MicrobiomDigest)

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