皇室特権フル活用の進学では国際社会に相手にされない! 米国の新ブーム「ネポベイビー批判」を悠仁さまはご存じか

この記事をシェアする
たまたまの血筋による世襲、特権階級にあぐらをかいていてはならないと甥の皇太子に諭した「誡太子書」
たまたまの血筋による世襲、特権階級にあぐらをかいていてはならないと、花園天皇が甥の皇太子に諭した「誡太子書」

「男系継承は譲り得ない皇位継承の原理」「天皇としての正統性は、初代天皇以来の純粋な男系の血統に連なっていること」といった、ガチガチの万世一系・男系男子論。これらを主張する人々により、秋篠宮家の長男・悠仁さまは大事に守られ、尊ばれ、日本一の特別待遇を受けておられる。だが日本は鎖国された島国ではない上、悠仁さまは「これから」のお方だ。筆者は2つのことを理由に、このままで大丈夫なの…!? と単純に疑問に思ってしまう。

今回はその1つ目。あの「#me too」に続く新たなムーブメントとも言われている、「ネポベイビー批判」のことだ。アメリカの人々は今、親の七光り、コネ、特権を利用し、努力もなくのし上がってくる若者を以前にも増して強く拒絶するようになっており、それをヨーロッパのメディアも報じ始めたのだ。



 

■ネポベイビーとは?

ネポベイビーとは、親や祖父母のコネ(nepotism)や特別な血統により、苦労せずとも華々しい人生を手に入れる子供たちのこと。強力な権力、人脈に恵まれたハリウッドセレブの娘や息子は次々と俳優、女優やモデルになり、政界では二世、三世が続々と議員デビューする。日本も似たようなものだろう。

だがアメリカでは今、それに異変が起きている。本人がきちんと努力し、光るものや実力を身につけていれば正しく評価され、賞賛されるが、そうでもない有名人の子息令嬢が頭角を現してきた場合、社会はそれを許そうとせず、むしろ徹底批判するようになっているのだ。

ニューヨーク・マガジンの表紙を飾ったネポベイビーたち。本人たちも努力しているというが…(画像は『New York Magazine』のスクリーンショット)
ニューヨーク・マガジンの表紙を飾ったネポベイビーたち。本人たちも努力しているというが…(画像は『New York Magazine』のスクリーンショット)

 

■最高のネポベイビーである日本の悠仁さま

今の日本で、最も「欲しいものをすべて手に入れている」ネポベイビーは秋篠宮家の長男・悠仁さまであろう。全国第2位を意味する「佳作」を受賞した作文『小笠原諸島を訪ねて』、超難関の筑波大附属高等学校への入学、わずか9歳にして完成させたという驚くほど精巧な「信号機」…。驚くばかりだ。

これら全てがご本人の努力、実力で勝ち獲ったもの、完成させたものばかりなら、日本国民は必ず「悠仁さまスゴイ!」と評価していたはずだ。もし怪しむ者を誹謗中傷だと責めるなら、信号機のメイキング・シーンでも公開していただければ良かったように思う。

 

■マドンナの娘、有名なファッションショーから締め出される

折しもアメリカでは、あのマドンナの娘で、本人も歌手デビューしていたローデス・レオン(26)のニュースが大きな話題となっている。

ニューヨーク・マンハッタンでこのほど開催された「マーク・ジェイコブス」のファッションショーに、アシスタントの男性とともにやってきたローデス。開始時刻からほんのわずかに遅刻しただけだったが、ドアマンは入場を断固断っている。

“Lolahol(ローラホル)”という名で歌手としてデビューしていたローデス。名門ミシガン大学で音楽、演劇やダンスを学んだそうだが、発表されたミュージックビデオは官能的すぎて品を欠き、残念ながら「歌唱力もない」と叩かれてしまっている。

その現場でローデスは、爆乳をアピールしたスタイルで「私を誰だと思っているの。通してよ」と抵抗したもよう。だがドアマンは首を横にふるばかりだった。多くのメディアが「いくらクイーン・オブ・ポップのマドンナが母親であろうと、時間のマナーを守れなかった者はお断り。ネポベイビーのローデス・レオンが拒絶される」と伝えている。

 

■最も嫌われているのは、あのサッカー選手の長男

「嫌われるネポベイビー」という話題で必ず登場するのが、デヴィッド&ヴィクトリア・ベッカムの長男ブルックリン(23)だ。

デザイナーである母ヴィクトリアの影響で、ブルックリンは2014 年にモデルとしてデビューし、2016年には16 歳で写真家としてもデビュー。いきなりバーバリーのキャンペーン広告の写真を手掛け、業界を唖然とさせた。ファッション界の著名カメラマンたちはこれに激怒し、「レベルの低下を招くネポティズムだ」と強く批判した。

さらに2017年、ブルックリンは写真の技術を磨くためとしてニューヨークの美大に留学したが、ホームシックで 1 年ももたずイギリスに帰国。家族と豪華な旅行へ出かけたことで苦笑を誘った。その後、写真集まで出版したが酷評され、すると「シェフになりたい」と言い出す始末だった。

世間から笑われてばかりのブルックリン。こうした行き過ぎたお膳立てはブルックリンが望んだものなのか、それとも大人たちが「よかれ」と思ってやったことなのか。彼にはお金や豪邸はあるが名誉がない。自尊心はズタズタで、かなりのミジメさを味わっているということを、大人たちは忘れてはならないだろう。

生まれた星の下がラッキーだっただけ。ブルックリン・ベッカム16歳の商業写真家デビューで世間を敵に回す(画像は『FLIPBOARD』のスクリーンショット)
生まれた星の下がラッキーだっただけ。ブルックリン・ベッカム16歳の商業写真家デビューで世間を敵に回す(画像は『FLIPBOARD』のスクリーンショット)

そんなブルックリンは昨年、大変な資産家の娘で4歳年上の女優二コラ・ペルツと結婚した。彼女に巨大なダイヤモンドの指輪を贈ることができたのは、もちろん両親の財力のおかげだ。



 

■愛されるネポベイビーも

その一方、同じネポベイビーでも、優れた才能ゆえに大きな支持を得ているセレブ二世もいる。

1人目は、シャネルのモデルを務め、女優としてもデビューしたジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘、リリー=ローズ・デップ(23)。母親譲りのコケティッシュな風貌は稀有の存在価値があり、ファッションの見事なセンスもスタイル・アイコンとして支持を集めている。

そして誰からも愛されている二世が、『エミリー、パリへ行く』や『白雪姫と鏡の女王』で人気を博したリリー・コリンズ(33)。父親は、有名ミュージシャンのフィル・コリンズ(ジェネスシス)だ。

名門の南カリフォルニア大学大学院を卒業した才女で、ファッション誌のコラムニストとして仕事をする中、その際立った美しさが話題になっていった。彼女の場合、両親が幼くして離婚してイギリスからアメリカに移住したため、父親の七光りには頼りようもなかったという。

 

■わが子の裏口入学でハリウッド女優も服役 

アメリカでは2020年、ドラマ『フルハウス』のレベッカ役で知られる女優のロリ・ロックリンが、娘2人を名門・南カリフォルニア大学に裏口入学させていたことが発覚し、罰金15万ドルとともに2カ月の刑務所生活を命じられ、大変な物議をかもしていた。

映画『ファーゴ』の俳優ウィリアム・H・メイシーの妻で、『デスパレートな妻たち』の女優フェリシティ・ハフマンも、やはり娘2人を有名大学に進ませようと、関係者を買収して大学進学適性試験(SAT)の点数上乗せを図ったことがわかり、こちらも有罪判決を受け、2万ドルの罰金支払いと服役を経験している。

名門私立大学を舞台にした裏口入学スキャンダルでは有名女優2人も刑務所へ(画像は『INSIDER』のスクリーンショット)
名門私立大学を舞台にした裏口入学スキャンダルでは有名女優2人も刑務所へ(画像は『INSIDER』のスクリーンショット)

アメリカでは法の前に人は平等、セレブでも不正行為は見逃してもらえない。そのようなことが発覚したら、子供たちも「知らなかった」は通用せず、退学を命じられるという。

 

■アフガンに派遣されたヘンリー王子

イギリスのウィリアム王子は、2013年7月に父親となったことをきっかけに英空軍からの退役を発表した。王位継承順位2位でありながら、王子は7年にもわたり捜索救難ヘリの操縦士として任務にあたっていたのだ。戦闘捜索救難にあたる軍用ヘリがいかに危険にさらされる存在かは、英国の誰もがご存じだ。

弟のヘンリー王子も2005年に王立陸軍士官学校に入学し、2012年には副操縦士の資格を取得。2015年に除隊するまで英国軍に籍を置き、2度のアフガニスタン派遣で陸軍大尉にまでのぼりつめた。

ヘンリー王子は最近、話題の著書で「2度目のアフガニスタン遠征でタリバン戦闘員を25人殺した」と告白して騒動になっているが、それより大事なのは、殺さなければ相手に殺されるような戦場に王子が派遣された、という事実だろう。

国民に親しまれる王族を目指し、少年少女の頃から「皆さんと同じように接してほしい」という姿勢を打ち出すイギリスの王族たち。そこを怠ったり反感を買ったりすると、セレブなら人気の低迷で済むが、王族なら王室廃止論に発展する可能性すらあるのだろう。

 

■「徳と学問を積むことが必要」と今上陛下

日本の今上陛下は、満62歳のお誕生日を迎えられた会見で、第95代の花園天皇(1297―1348年)が皇太子である甥(のちの光厳天皇)にあて、訓戒のため書き残した『誡太子書(かいたいしのしょ)』に触れておられた。

陛下も悠仁さまに「天皇に徳がなければ、国民の支持はなくなり、天皇制は危うくなる」と諭したのだろうか(画像は『nippon.com』のスクリーンショット)
陛下も悠仁さまに「天皇に徳がなければ国民の支持はなくなり、天皇制は危うくなる」と諭したのだろうか(画像は『nippon.com』のスクリーンショット)

皇太子は宮中で育ったので、民人の苦しみを知らず、知ろうともしない。国への功績も、人々への恵みもない。ただ先祖のおかげで天皇になることを期待している。そんな自分を恥ずかしく思わないか

 

為政者に徳がなくとも心配ない、先代の残したものを守って治めていれば十分だというのは大きな誤りだ。数年のうちに内乱が起き、国が衰えることが予想される」

 

「天皇となるものは誰であれ、しっかりした覚悟が必要。徳を積み、学問をきちんと修め、国民に寄り添えるようになりなさい。さもなければ国民の支持はなくなり、天皇制は危うくなる

当時、天皇家は2つに分裂して皇位継承が争われており、花園天皇は天皇制の維持にも危機感を募らせていたという。

 

■まとめ:向上心、努力、真面目さはやはり評価される

今上天皇皇后両陛下を日本の多くの国民が慕い、敬愛の念を抱き、国際親善のご様子にも安心感を抱けるのは、皇太子の時代から帝王学とともにこの訓戒の書にある内容をしっかりと胸に刻まれ、真面目に徳と学問を積まれたからなのだろう。

最後に1本、YouTubeの動画を紹介させていただきたい。幼い頃からクラシック音楽をこよなく愛し、楽器を懸命に練習されたため、実はビオラだけでなくピアノの腕もかなりなものだという。お時間のない方は最初に8秒目あたりからご覧いただきたい。

さらに、5分23秒目からも必見だ。今上陛下は12歳でまずはバイオリンの練習を始められたといい、父のチェロ、母のピアノと共に弦楽三重奏曲の演奏を楽しまれることもあったという。

ちなみにその時の秋篠宮さまは23歳。ちょびヒゲを生やし、カメラの方に向かってグランドピアノにもたれかかり、ポーズを決めていらっしゃるようだ。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)



参考および画像:
『New York Magazine』On the Cover of New York Magazine: Extremely Overanalyzing Hollywood’s Nepo-Baby Boom

『FLIPBOARD』Brooklyn Beckham’s caricature of nepo babies may be his best role yet

『nippon.com』次代の皇位継承者に帝王学の書を教えられた天皇陛下:62歳誕生日会見の真意を拝察

『INSIDER』Why Lori Loughlin will spend 2 months in prison for the college admissions scandal while Felicity Huffman was sentenced to 14 days

『YouTube』 kata62kima ― 皇太子さまと音楽

『Daily Mail』Nepo baby gets DENIED! The embarrassing moment Madonna’s daughter Lourdes Leon is refused entry to Marc Jacobs catwalk show after arriving fashionably late

『エトセトラ・ジャパン』悠仁さま作文剽窃問題その後の主催者HPに苦笑 今後は図工のスキルを武器に東大推薦合格を狙うしか…