【YOUR VOICE】宗教心と皇室
私は唯物論者でも無神論者でもありません。私自身は特定のお寺の檀家でもない(家系的には浄土真宗となっている)し、特定の神社の信徒でもありません。ましてや新興宗教の信者でもありません。
これは無宗教ということになりますが、無神論者ではありません。ですからお正月の初詣にも行きますし、仏壇を拝みもします。日本に生まれて普通に生きてきた日本人の多くが、おそらくこんな感じではないでしょうか。
私は宗教学者でも研究者でもありませんので、神仏習合から廃仏毀釈に至るまでの宗教的なことは分かりません。ただ無神論者ではないと言った時に、それでは何を信じているのかと聞かれたら、宗教としての神道ではなく、自然に存在する万物に神様が宿るとされる考え方が日本人としては自然だろうと思っています。
これが私の宗教心といえます。何か行動を起こす時に〝お天道様がみている〟という感覚は、日本人の伝統的な価値観ではないでしょうか。
見えないものを信じること(唯心論)と、物質的なものを優先させること(唯物論)を対立軸として、今の皇室に対する世論に当てはめると分かりやすいのではないでしょうか。
SNS上でよく見られる意見として、「天皇御一家を拝見すると心がほっこりする」「今上陛下は日本の誇り」「今上陛下は何人にも代えがたい存在」など、今上陛下の滲み出る人間性やオーラといった、目に見えないものを支持する声が多いようです。
言い過ぎかもしれませんが、そこには人知を超えた力の存在を感じているのかもしれません。
男系男子派の声としては、「皇室は男系男子継承で決まっている」「万世一系の伝統を守る」「Y染色体が大事」といったものです。つまり、目に見えない何かを大切にするというより、すでに存在している男系男子が大事であるだけなのです。
このような唯物論者に支えられて(実際には支えているとは思えない)、果たして皇室は存在し続けることができるのでしょうか。
デジタル社会になった今、心の問題を抱える人が増えているように思います。何もかもデジタル化された未来に、人間らしい希望が生まれるとは思えません。目に見えないものの力が及ばなくなった時に、日本人らしさも失われていくように思います。
心が目に見えないものの力を感じることができなければ、本物と偽物を見分けることができないようにも思います。
(福岡県在住:Hさんより)
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