福岡県に3年後、巨大な「ワンヘルス」センターが誕生する 秋篠宮さまは7年前から関与も初めて知ったようなフリ?
6月2日(金)から3日(土)まで、福岡県を訪れたことが大きな話題になっている秋篠宮ご夫妻。第34回全国『みどりの愛護』のつどいへのご臨席ほか、複数ヶ所を視察されたもようだ。昨年12月と今回はご夫婦で福岡県訪問。そして悠仁さまと共に4月には熊本・宮崎をプライベートで訪問。わずか7ヶ月の間に、何度も九州に飛んでいることには驚くばかりだ。
まずは、福岡県庁が作成したという「御 日 程」PDFを拝見したが、かなりのハードスケジュールであることがわかる。ここによくまぁ、いち民間企業である「TOTO」のミュージアム見学を入れたものだ。今回はもう1つ赤い文字にしてみた、リーガロイヤルホテル小倉で県勢概要御聴取という部分についての深掘りとなる。
第1日 6月2日(金)
秋篠宮邸――東京国際空港――福岡空港――リーガロイヤルホテル小倉――TOTOミュージアム――響灘緑地(グリーンパーク)――リーガロイヤルホテル小倉で県勢概要御聴取、および第34回全国「みどりの愛護」のつどい記念レセプション御臨席
第2日 6月3日(土)
リーガロイヤルホテル小倉――北九州ソレイユホールで第34回全国「みどりの愛護」のつどい式典御臨席――勝山公園で「誓いの言葉宣誓者等御懇談」会場緑化装飾御覧および記念植樹――旧松本邸で御昼食会――旧安川邸――福岡空港――東京国際空港――秋篠宮邸
◆福岡県勢概要ご聴取では「ワンヘルスに強いご関心」
6月2日午後のリーガロイヤルホテル小倉では、福岡県勢概要をご聴取されたとのこと。福岡県の服部誠太郎知事はこんな風に感想を述べている。
「本県の飛躍・発展に向けた未来を担う人づくりや経済成長を支える人づくりなどの「人財」の育成、グリーンをキーワードに、半導体、自動車、水素などの先端技術産業の振興に向けた戦略的な取組、県産農林水産物のブランド力強化や輸出の拡大、ワンヘルスの推進、不妊治療への助成や病児保育の利用料無償化など子どもを安心して産み育てることができる地域社会づくり、こういった取組について御説明を申し上げました。両殿下には大変熱心に御聴取をいただいたところです。」
「特に皇嗣殿下におかれましては、ワンヘルスについて関心をお示しいただき、今の新興感染症の多くが動物由来である、動物の体内で変異をしたウイルスが人に感染する、といったことを踏まえて、医学や獣医学等の連携の必要性について御理解を示されました。」
「特にワンヘルスについては、皇嗣殿下は生物学について深い御造詣をお持ちであるということもあってだと思いますが、動物由来の感染症について、アジアという地域がこういう新興感染症の発生リスクが高い地域であるという我々の認識も申し上げまして、皇嗣殿下からも、アジアに近い福岡県において、そのようなワンヘルスの理念に基づく取組をされることは非常に重要なことであるとおっしゃっていただきました。」
医学と獣医学等の連携の必要性についてあれこれ説明し、必要性についてご理解をいただいた…? まるでワンヘルスについて殆どご存じなかったかのように聞こえるが、秋篠宮さまはその創設時からしっかりと関わっていたのでは…?
◆秋篠宮さまは少なくとも2016年からご存じだ
北九州市の公式HPで公開されている保健福祉局ワンヘルス国際会議支援室の資料によれば、2016年11月にリーガロイヤルホテル小倉で開催された『第2回世界獣医師会-世界医師会“One Health”に関する国際会議』には、秋篠宮ご夫妻がご臨席とある。
PDFを下の方までスクロールして見て行くと、その国際会議の関連イベントとして「ホースセラピー」が行われたことがわかる。ひょっとして、これは川嶋舟先生が関わっておられるとか…?
当時の宮内庁の公式HPでも、秋篠宮さまのご臨席の様子が確認できる。
◆なぜ福岡が拠点に…?
新型コロナを経て、現在こそ「地球環境や生物多様性の健康」という観点が加わった「ワンヘルス」だが、その概念はかなり古くからあるとのこと。そして日本では、2016年に福岡県で開催された「第2回世界獣医師会-世界医師会“One Health”に関する国際会議」および『福岡宣言』を経て、巨大なセンター建設計画に向かったようだ。
みやま市にある病院の理事長で、日本医師会名誉会長でもある横倉義武氏。そして、日本獣医師会の現会長で福岡県議会議員でもある藏内勇夫氏。ともに福岡県生まれである。よってこの県が拠点として選ばれたのだろうか。
だが北海道、東北、関東などからも医師、獣医、関係者らが集まることを考えたら、ワンヘルス・センターを本州に設けるわけにはいかなかったのだろうか。しかも空の旅を伴うこのご公務には、秋篠宮さまに特別な「お車代」が設定されるのでは…?
◆ワンヘルス・センターほかの建設を計画
その国際会議と『福岡宣言』を経て、横倉義武氏の「ヨコクラ病院」があるみやま市に、令和4~8年度の5年計画で巨大な施設が建設されることが決まった。予定地は、今年3月に閉校となった保健医療経営大学の跡地だという。
人獣共通感染症に備えるという中核拠点、「ワンヘルスセンター」では細菌・ウイルスによる感染症・食中毒や食品中の有害物質などの保健分野、大気・水・廃棄物・放射能・自然生態系などの環境分野における調査・研究、さらに新型コロナウイルスのゲノム解析も担うそうだ。
さらに、筑後市などにあった家畜保健衛生所も生まれ変わる。家畜、愛玩動物、野生動物、動物園などにいる展示動物の保健衛生を一元的に担う「動物保健衛生所(仮称:写真右上)」が、ワンヘルス・センターの隣に建設される予定だ。
◆潤っていくみやま市
今年2月、人口3万5千人ちょっとというみやま市の財政について、当初予算案が200億円弱であるとの報道があった。それでも前年度より4.4%の減額だそうだ。
巨大な施設の建設を控え、いよいよ財政が潤ってきたことを思わせるみやま市。公表された「財政の推移」を見て見ると、令和2年からいきなり歳入額が増えたことがわかる。センターがオープンすれば、付随して様々な雇用が発生し、充実してくるのだろう。廃棄物に関する不安があるが、周辺の過疎の市町村からは「うらやましい」という声も聞こえてきそうな予算額だ。
◆名誉総裁を務めるWWFジャパンも
秋篠宮さまが名誉総裁を務める『WWFジャパン』も、ワンヘルスに関して非常に長編の記事を掲載している。2021年3月17日付の『人と動物、生態系の健康はひとつ ワンヘルスシンポジウム」を開催しました』と、2021年1月22日付の『「ワンヘルス(One Health)」~次のパンデミックを防ぐカギ』の2つだ。
WWFジャパンは同年、「ワンヘルス」をテーマにしたオンライン・シンポジウムを開催しており、そこに秋篠宮さまからもメッセージが寄せられたことを報告している。
◆まとめ
服部誠太郎氏は、福岡県庁職員~県副知事、そして2021年に県知事就任と長いこと県政に携わってこられた。ワンヘルスに秋篠宮さまが関わってきたことをご存じないわけがないのに、なぜわざわざ「ワンヘルスについて関心をお示しいただき…」「医学や獣医学等の連携の必要性について御理解を示されました」などとおっしゃるのか。
本当なら「ワンヘルス推進計画、およびセンター建設についての進捗状況について尋ねられました」という表現が合うと思うが、それでは何か都合が悪いことでも…? 加地隆治皇嗣職大夫と福岡県知事が合同で記者会見を開いたこと自体にも、何か違和感を抱いてしまった。
(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
参考および画像:
・『福岡県』秋篠宮皇嗣同妃両殿下お成りに係る宮内庁との共同会見 令和5年6月2日(金曜日)
・『福岡県』御 日 程
・『WWFジャパン』「ワンヘルス(One Health)」~次のパンデミックを防ぐカギ
・『北九州市』ワンヘルスに関する国際会議・動物感謝デーの実施報告 記者発表資料
・『西日本新聞』みやま市当初予算案199億7300万円 ワンヘルス事業や防災に力点
・『福岡県ワンヘルス推進ポータルサイト』ワンヘルスセンター
・『福岡県』福岡県動物保健衛生所(福岡県筑後家畜保健衛生所)基本構想
・『福岡ワンヘルス協議会』福岡県の『令和4年度当初予算』が成立しました!!
・『Wikipedia』横倉義武
・『Wikipedia』蔵内勇夫
・『みやま市』財政状況の推移
・『宮内庁』主な式典におけるおことば(平成28年) 文仁親王殿下のおことば 第2回世界獣医師会-世界医師会”One Health”に関する国際会議
・『WWFジャパン』「人と動物、生態系の健康はひとつ ワンヘルスシンポジウム」を開催しました