空気の読めない日本は「国葬」で世界に笑われる… 首相が参列予定のオーストラリアは女王の崩御でソレどころではないはず…

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3日前、豪アリバ二ージー首相ほかの安倍氏国葬参列が明らかにされたが…(画像は『NHK NEWS』のスクリーンショット)
3日前、豪アリバ二ージー首相ほかの安倍氏国葬参列が明らかにされたが…(画像は『NHK NEWS』のスクリーンショット)

7月8日、選挙の応援演説中に凶弾に倒れた安倍元首相の「国葬」を9月27日行うという案内状が届き、参列を決意されたオーストラリアの超VIPな方たち。だが、日本がこのまま国葬を執り行えば、世界から「空気の読めないニホンジン」と笑われてしまいそう。今、世界はイギリスのエリザベス女王の崩御で悲しみに暮れており、そちらの国葬参列こそ重要だ。帰国後数日もなく、わざわざ日本に行くなんて…というのが本音ではないだろうか。



日本の国葬にオーストラリアから参列されるのは、今年5月に就任したばかりのアルバニージー首相、そして安倍氏と同時期に首相に在任していたハワード元首相、アボット元首相、それにターンブル元首相だという。

だがその後、オーストラリアにとって国の成り立ちから人々の移民、文化、伝統、軍事協力体制まで、実に深い結びつきがあるイギリスから「エリザベス女王が崩御」という悲しい知らせが飛び込んできた。泣きじゃくるオーストラリア国民の様子に、この国の国王でもあるエリザベス女王は非常に大きな存在で、大切な心の拠り所であったことが痛いほど伝わってくる。

では、安倍元首相の死はオーストラリアの人々にとって、どれほど衝撃的なことだったのか、この国で人気のニュースサイト3つを例に挙げてみたい。女王の訃報から2日が経っても、トップページは変わらずその話題で埋め尽くされていることがわかるが、一方、安倍氏が銃殺された2日後となる7月10日はどうだったのか。なお、日本とオーストラリアの時差は1時間しかない。

『7News.au』のトップページ

(女王の訃報から2日めの9月11日)

『7News』本日のトップページ
『7News』本日のトップページ

 

(安倍氏の訃報から2日目の7月10日)

『7News』7月10日のトップページ
『7News』7月10日のトップページ

 

『news.com.au』のトップページ

(女王の訃報から2日めの9月11日)

『news.com.au』本日のトップページ
『news.com.au』本日のトップページ

 

(安倍氏の訃報から2日目の7月10日)

『news.com.au』7月10日のトップページ
『news.com.au』7月10日のトップページ

『ABC News』のトップページ

(女王の訃報から2日めの9月11日)

『ABC NEWS』本日のトップページ
『ABC NEWS』本日のトップページ

 

(安倍氏の訃報から2日目の7月10日)

『ABC NEWS』7月10日のトップページ
『ABC NEWS』7月10日のトップページ

いかがであろうか。人の命の重みはもちろん誰も等しい。だが国を統治する立場とあれば、功績、重要なイベント、有事の際に見せた手腕、国民からの敬愛や信頼の念がどれほどのものだったのか、報道の量から測れることは多い。在任期間70年と8年の差だけではない、質も大変重要だ。

どういった方なら国葬にふさわしいと世界から言ってもらえるのか、非常に皮肉なタイミングで、日本はエリザベス女王の崩御から教わっている気がしてならない。

■まとめ

故人の名誉を尊重し、ここでは触れなかったが、この後、世界各国のメディアが山上徹也容疑者の真の犯行動機、そして安倍氏と旧・統一教会の関係についてを報じている。すでに面目丸つぶれの状態だ。日本は「すでに決まったことだし…」と、このまま安倍氏の国葬を決行するべきなのか。

残念ながら、世界における日本政府のイメージは「八方美人的な笑顔、お金のバラまきは得意でも肝心な外交は下手。首脳会議でもコミュニケーションが取れない」だ。その上、ちょっと事情が異なってきたと言わざるを得ない現在のような状況でも、空気が読めない、柔軟な考え方ができないようでは、ますます世界から取り残されていくような気がする。



画像および参照
『7News.au』

『news.com.au』

『ABC News』

※ いずれも2022年9月11日および2022年7月10日のトップページ

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)