最近SNS上の皇室ウォッチャー界隈で、椎葉村の広報誌をめぐる皇嗣家の疑惑が話題になっています。

私はこのような騒動で椎葉村が取り上げられることは、非常に残念な思いで一杯です。30年位前（平成6/1994〜平成9/1997）に月に1〜2回ほど仕事関係で行った時期があり、その当時の椎葉村をよく知っているからです。

当時はトンネルもまだ工事中で峠越えをしないと行けないような、本当に秘境と言えるようなところだったのです。印象としては「空が狭い」でした。それほど前後左右の山に囲まれたところで、くねくねと細い道を通り抜けてやっと村の中心地に着くような感じです。国見峠にトンネルができて行きやすくなっても自然環境はそれほど変わってはいないのではないでしょうか。

椎葉村（宮崎県）と五木村（熊本県）は隣接しているといっても自治体が違うことや峠越えになるため、当時はそれほどの行き来はなかったように記憶しています。一度だけ椎葉村から五木村に行きましたが大変でしたし、今でも大変だと思います。

椎葉村は面積が意外と広く、集落が点在しており、ちょっと隣の集落まで、といっても車で１時間位かかったと思います。最近話題の焼き畑は、その当時もすでに２軒くらいしかされていなかったんじゃないでしょうか（記憶が曖昧）。

ただ先程も書いた通りの環境の中で、昔の人の知恵で山でもできる農業としての焼き畑であり、現代では環境破壊だのSDGsだの批判がありますが、その土地の人にとっては生活の糧でもあったと思います。今回の件で焼き畑だけが皇室関連で持ち上げられたり、批判されたりするのは悲しいです。

椎葉村の良さは観光化されていないことだったのですが、村の活性化のためには仕方のないこともあります。今はずいぶん生活も変わったと思いますが、そこに受け継がれた民俗や芸能（椎葉神楽）を生活の一部として四季折々大切にされている村の暮らしは魅力的なものでした。椎葉神楽も観光的な神楽ではありませんでしたし、四季の行事のすべてが祈りからくるものでした。（現状を知りませんので過去形）

今回のように何かの力に利用されたり、捻じ曲げられたりするのは村民の方が本当に望まれていたことなのか、非常に疑問です。まして、こんなことで椎葉村の名前が知れ渡るのは不本意だったのではないでしょうか。さまざまな電話や取材に対応された村役場の担当の方には、大変嫌な思いをされたのだろうと同情いたします。

（福岡県在住：Hさんより）

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