『天皇の継承は万世一系、2600年の最古の王朝だから尊敬を集める。これが崩れれば日本の国体が崩れる。女性天皇が男系以外の血筋と婚姻すれば易姓革命が起きる。』

こんなダンダン（男系男子派）の訴えに対し「何を言ってるのか分からない？」と思いつつ、我々はこう答えてきた。

『古代は双系であり、男系男子は中華の影響だ。藤原氏に都合が悪い女性天皇は封じられ、明治期に時代の要請でそれは確定された。それでも、日本の歴史上8人10代（神功皇后を天皇とするとそれ以上）の女性天皇は居たし、「繋ぎ」の役割に納まらない活躍をした方もいらっしゃる。過去、国際情勢や国内事情に合わせて男系男子優先だったが、現代の情勢に合わせて双系に戻すことに何の問題も無い。』

でも、話は平行線で議論にならない。

そこで、ダンダンの主張をまず理解することが必要なのではないか？　どうしてもダメな理由は何か考えてみよう。浅学なので正しいか分かりません。が、敵を知るのが戦いの基本。知識のある方にレクチャーしてもらうキッカケや反論の糸口にならないかと思い、筆を取りました。

▶︎日本こそ真の中国という考え方

「江戸時代初期の儒学者、山崎闇斎、山鹿素行、林羅山、らは、中国の王朝は革命によって倒されるが日本の王朝は長く続いていることから、日本こそが真の「中国」であると主張し「百王一姓」の考えが生じた。（Wikipedia／万世一系より）」

理解の鍵は、現代日本の礎となる明治の国づくり←を、指導した維新志士←の思想、宗教、イデオロギーを作った儒学（朱子学、陽明学、古学）と国学や神道のミックス（水戸学、垂加神道 など）にあるのでは無いか、と推測。自分なりに調べるうちーー

「日本こそ真の中国」という考え方が浮かんできました。真の中国なのだから、中国の儒教を取り込むのは当然なのです。しかし、そのためには女性天皇など存在してはならない（中国ですから）。万世一系最古の王朝で無ければならない。（真の中国ですから）。

ともあれ、こういった考えは国家神道に受け継がれ、明治に天皇を頂点とする「国体」が創られました。なので、易姓革命が起きると「国体が崩れる」のだと思われます。

私が書くと何やら陳腐になってしまいましたが、幕末の志士は水戸学や陽明学を元にした様々な論派の思想に後押しされ、過激化していきます。うまくまとめられませんが、それだけの力がある思想で、それらが今、とある団体などで利用喧伝され、明治の亡霊の姿で現れていると思います。

中華文明は偉大です。でも、「中体西用」を成し遂げられなかった清国と違い、「和魂漢才」「和魂洋才」と変化対応できる日本も評価されるべきと思います。文化大革命後の世界で「日本こそ真の中国」と叫んで、誰に響くでしょうか。伝統は変化するもの。中華の基準で残す必要は、もうありません。

（岡山県在住：gxeさんより）

参考：・『Wikipedia』万世一系

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