美しきトンボをめぐる人の欲… すべての道は東大農学部に通ず? ― それは自身の努力で切り拓いてこそ《後編》

東大など超難関国立大学への「推薦」に大手をかけるため、秋篠宮家の長男・悠仁さまが狙っているのでは、と噂される「日本学生科学賞」。締め切りまであと4ヶ月となってしまったが、生物多様性の調査研究など準備は着々と進んでいるのだろうか。
現時点でキーワードに上がっているのは、ウスバキトンボの調査や放虫の問題を含むトンボ全般、ビオトープ、小笠原諸島で触れ合ったアオウミガメ、そして大穴はブータン、焼畑、民俗学といったあたりか。
そこで、トンボや赤坂御用地や皇居の生物多様性の調査について、これまで以下の3つの記事でご協力いただいた “Aさん” に再びお話を伺ってみた。今回はその後半となる。
■「日本学生科学賞」応募まで半年を切った悠仁さま 新研究の協力者は? テーマは本当にトンボ?
■悠仁さまの「トンボ研究で東大推薦」報道の陰で置き去りにされ泣いていた「別の教え子たち」の存在
■美しきトンボをめぐる人の欲… すべての道は東大農学部に通ず? ― それは自身の努力で切り拓いてこそ《前編》
――Aさん、後半もよろしくお願いします。昨年、悠仁さまはトンボ研究で長野県に最低2度は行かれたものの、どうも天候に恵まれなかったようです。ただ、小笠原諸島では何か収穫があったかもしれません。今回も生物多様性をテーマに、少しお話を伺えますか?
Aさん:悠仁さまは天候に恵まれませんね。それから「小笠原には行ってないのでは?」という声も多いですが、私は行ったと思います。遊びに。
――となると、あの作文の通りには…?
Aさん:あの通りに動いたとは全く思いませんね。夏休みの小学生らしく、単に「山とか海で遊びたい」でいいのに、「東京の島を見てみたいと悠仁さまが希望されて」なんて、毎度ながら大げさすぎませんかと(笑)。やけに小学生離れした発言をする、そういう設定が不興を買うのだと思いますね。
――あの作文で特に疑問や違和感を覚えた点など、ありますか?
Aさん:私が感じたことは何点かあります。まず、とても珍しいグリーンフラッシュの記述があまりにアッサリとしていることと、公務もなかったのに「仕事」を理由に秋篠宮さまが同行しなかったこと、そして何より引っ掛かった点は、グリーンアノールについてのあたりです。これ、本当にトンボが好きな少年が書いたものかな、と。
――グリーンアノールについて、少し詳しく教えてください。
Aさん:小笠原には多くの固有種がいて、トンボもかつてはオガサワラトンボ、オガサワラアオイトトンボ、オガサワライトトンボ、シマアカネ、ハナダカトンボの5種が確認されていました。
これらは絶滅したか、絶滅が非常に危惧されていて、環境庁や東京都に有志などが協力して、保全活動が行われています。干ばつなどの影響もあったのですが、主な理由は外来生物であるグリーンアノールによる捕食ですね。
その捕食のために固有種が途絶えそうだと悠仁さまの作文にも書かれていましたが、その代表例として挙げられていたのは「オガサワラシジミ」というチョウでした。確かにチョウもお好きでしょうが、なぜオガサワラトンボなどトンボの名が挙がらないの?と思いましたね。
――トンボ大好き悠仁さまが書かれた作文ですからね。あれれ?と思いますね。
Aさん:「悠仁さまはトンボに強い興味をお持ちだ」、そして「悠仁さまはご自身であの作文を書いた」。私はこの2つについて、どちらかが真実ではないように感じました。さらに今は、どちらも真実ではないのかも…とさえ思うようになりました。
――かなり幼い頃から昆虫好きで生物多様性に強い興味、みたいなお話でしたよね。
Aさん:そうです。ご両親のお誕生日会見の言が正しいのであれば、悠仁さまは小笠原旅行の数年前には、すでに生物多様性に強い関心を持たれていたはずなのです。旅行で初めて「固有種がグリーンアノールに侵されている」と知ったとしても、そこから作文を書く中学2年までに3年間もあったのですから、そこはもっと深く見識を深めることもできたはずです。
――中学1年生の時にも、悠仁さまは『トンボと私』という題で「全国小・中学校作文コンクール」の東京都大会で佳作を受賞しています。主役はやはりトンボでしたが…。
Aさん:作文を目にすることができないため、受賞時のニュースによればですが、そこではトンボの調査や生育環境について書かれていたようですね。「悠仁さまは御用地内や旅行先での自然観察が好きで、トンボをよく捕まえ、調査している」と報じられたのですが、翌年の小笠原作文ではトンボのトの字も出てきませんでした。
捕食の件でトンボを例に挙げなかったことを抜きにしても、そもそもグリーンアノールについての記述がアッサリし過ぎているのです。「生物多様性に強い関心」なら、この部分こそ見せ所のはずなのに。一連の報道とチグハグで不自然です。
――せっかく東洋のガラパゴスと言われる小笠原諸島に行ったのに…。
Aさん:とても恵まれています。大きなチャンスなのに、実に残念ですね。そうやって研究のきっかけや実施の機会を逃すようだと、表面上の知識を得るだけで、作文もガイドブックを読むのと変わらなくなるんです。
そうそう、機会といえば、国立科学博物館の調査グループが「第3期 皇居の生物相調査」を実施しますと一昨年の9月に発表していました。これは毎回3年とか5年とかかけて行われますから、現在も進行中ではないでしょうか。
どんなチャンスも逃すことなく、しっかりと食いつくのが研究者の卵の姿なんです。報道されていないだけで、何か賞を獲った際に「その調査グループに、実は悠仁さまが一員として参加していました」なんて明らかにされるかもしれませんね。
――でも、研究者がそろい踏みする本格的な調査に、一般の高校生はそもそも参加させてもらえないですよね。なのに、そこに「生物多様性の分野で論文を書き、受賞を狙っています」みたいな皇族が参加するようなら、珍しい発見や手柄は全部譲ることになりませんか?
Aさん:仮に参加していたとしたら、そうなりそうですね(笑)。他の一般の高校生たちとの不公平感は強いです。
紀宮清子さま(現・黒田清子さん)が第三期調査で鳥類調査に参加されてますが、皇族としてではなく、山階鳥類研究所の所員としてでした。それでも報道されてたような覚えがあります。さすがに悠仁さまの場合は今、色々と疑われる可能性がありますから、参加していても報道はしないでしょうね。
調査自体が、なんともいいタイミングだなぁとは思います。出してもらったデータを「これは悠仁さまが独自に調査した」という形にすれば、国民にはバレないかもしれないし‥いや、バレるかもしれませんね(笑)。
――前回の皇居調査では、どんな収穫があったんですか?
Aさん:赤坂御用地での調査とは違い、日中の確認が困難な黄昏活動性のヤンマを視野に入れ、きちんと夏季の夕方から日が暮れるまでの調査も行っていましたよ。新たに確認されたのは6種だと前回お話しましたね。そのうちの4種はやはりヤンマで、マルタンヤンマ、アカネヨシヤンマ、ヤブヤンマ、クロスジギンヤンマですね。
調査では、人間がその生物の習性に合わせてあげると、新しい発見があるものなんです。日中に赤坂御用地で行われた調査で確認できなかったマルタンヤンマも、そこに住まわれている悠仁さまなら確認することができ、新種騒動につながったのではないかと思います。悠仁さまはそこに住んでいたというだけのことですね。
――進行中の皇居での生物相調査や、次に行われる赤坂御用地の調査が気になりますね。
Aさん:都心の生態調査ですし、新発見があるものか要注目です。余談ではありますが…。トンボは日本では縁起のいい(特に武家や農家に)親しみのある昆虫ですが、西洋では不吉のイメージがまだ残っているようです。英国戴冠式の招待状にも描かれてはいませんでしたね。
――はい、描かれていませんね。ところで、今回の熊本行きは、トンボは無関係と言えそうでしょうか?
Aさん:九州で春といえば、あのウスバキトンボも南方から渡ってくる季節です。例年3月末から4月の頭にかけて確認されます。とはいえ、熊本ではなかなかの雨が降ったようですし、出会えてはいないと思いますよ。
あと九州には、ベニトンボという注目のトンボがいます。元は南方の種で、それほど暑くない日本にはいなかったんですが、1954年に鹿児島県指宿市で初めて確認され、2007年には九州全域に広がりました。地球温暖化の影響を受けて以来、四国でも定着し、本州でも生息域がどんどん北上しています。
――ウスバキトンボとの間に特徴的な違いはありますか?
Aさん:毎年渡ってくるウスバキトンボとは違い、ベニトンボは日本でも越冬します。変温動物であり、優れた飛翔能力により自身で生息地を選択できるトンボは、地球温暖化を知る上での良い指標ともなるわけですね。「熊本県でベニトンボを確認」という動画をご紹介したいと思います。
――虫捕りしていたらトンボの新種を発見、というだけでは学問にはならないですね。
Aさん:はい、全く違います。トンボ研究は概ね4つに分けられると言われますが、悠仁さまの関心から言えば、おそらく目指しているのは昆虫生態学でしょう。昆虫とその周りの環境との相互作用に関する学問です。今回の九州旅行で村人の話に聞き入ったとされる「焼き畑」も、トンボと無関係ではありませんよ。
――そうなのですか。焼き畑、民俗学、農業、そしてトンボ。そのあたりの関係を少し詳しく教えてください。
Aさん:
大規模森林火災、再生に年月をかけて待つことなくその土地を放棄、さらに温暖化の原因など、焼き畑はデメリットばかりが報じられますが、局所的に長期間の計画性を持って行えばメリットも当然あるのです。
それは大きく3つ。まず1つ目は木や草の処理ができます。開墾です。ただし火が燃える範囲を畦(あぜ)、空き地などに限定したり、延焼を防いだりしないと森林火災になります。
民俗学は詳しくありませんが、地域の人々総出で火の神・山の神に祈るというのは、安全や豊穣の祈願だけでなく、その土地の神事的な行事でもあるのでしょうね。庶民の生業、文化だからこそ民俗学として研究対象になるのでしょうから。
2つ目は焼くことで灰ができ、土壌改善につながります。3つ目は熱で病害虫の駆除ができるので、その後は無農薬での作物が可能です。日本は稲作文化と言われますが、山間部は水田には適さず、人々はこうした畑作を行ってきたのですね。
――水田でも野焼きがありますね。
Aさん:なかなか現代には適さなくなっていますし、反対の声や異論も多いですが、昔ながらの自然な農法が可能になります。昆虫にとっても良い生育環境を作ることができるのです。
農業はとても大切なものです。昆虫や動物、植物、土壌の菌類など、地球上の全ての生き物は密接に影響を与えあってバランスを保っています。
――当然そこには人間も含まれますね。
Aさん:そうです。地球上の生き物は単独で生きられるものは一つもありません。一つの種が増えたり減ったりすれば、絶妙な生物多様性のバランスが崩れるわけです。そこで、悠仁さまの研究や進路も昆虫に限定するのではなく、農学部全般にわたり、如何ようにも進む可能性があると思います。
生物多様性に関わる学問は広いです。焼畑、トンボ、ビオトープ、そして小笠原諸島で出会ったアオウミガメのような生き物たちは、どれもが自然環境そのもの。高校生の生物多様性の研究にはもって来いだと思います。
――このたびの3日間の九州旅行、民俗学の研究としては、地域の高齢の話者から聞き取りをしながら情報を書き留めて行くという形になりますか?
Aさん:突然訪れて取材するにせよ、話を聞ける間柄になるまで、つまり信用を得るまでに時間をかけるものではないでしょうか。話者の生活に入れてもらうわけですから、相当な根気と時間、コミュニケーション能力が必要な分野だと素人ながら感じます。相手を「平民」だなどと思っていたら、決してよい話は聞けませんよ(笑)
――そうですよね。しかも2日目以降は雨天でした。現地の方や研究者たちから「ちょっと焼畑や生物多様性の話を伺いました」くらいで、実際に賞を獲るほどの論文は書けるものなんですか?
Aさん:普通は無理です。そこで大人がおかしなことをするようなら、それを面白く思わない人が極秘でジャーナリストや週刊誌に告発をし、すべてが暴かれ批判を受ける時代です。
――そんなことになれば、次こそ賞をはく奪され、研究者としての道も完全に閉ざされるのでは…?
Aさん:ところが「ご指摘に感謝」だけで、あの剽窃の一件は、研究者の世界におけるルールをあっさりと崩壊させてしまったのです。にもかかわらず「長い文章のたった数行ぐらい、いいでしょ」なんてかばう皇室御用達のYouTuberもいます。そんなことでは、厳しい社会的制裁を受けたという実感もないでしょうね。
――皇族は決して批判してはならない、そんな日本の奇妙な慣習にあぐらをかいた結果が、あの「ご指摘に感謝」だと思いますね。
Aさん:批判されないからこそ、国民の信用と敬愛に恥じないよう己を律するものです。ところが、そういう方向には行かないのが、あの宮家なのです、残念ながら。やったもん勝ちになってしまうわけです。
それを許してくれる、ごく一部の国民にだけ協力してもらい、こっそりと感謝。そして口を閉じない国民、道を閉ざそうとする国民はねじ伏せ、排除する。そんなおつもりかもしれません。
――うーーん、そんなことがいつまで可能でしょうね。
Aさん:日本は甘いですが、海外では剽窃論文はもちろん、ゴーストライターの起用にも非常に厳しいですね。
――そういえば、和歌山県田辺市の「南方熊楠賞」という賞もその世界では有名らしいですね。
Aさん:たとえば今年5月には、県立田辺高校の女子生徒3人が植物の多様性を研究するなか、「トマトに音楽を聞かせると成長に変化は?」「植物にも感情が有るのか」などと興味を示し、大きく報じられていました。こういう疑問を持てる若い人達が、その道を進み得るような賞だと思います。
まず南方熊楠氏ですが、粘菌・生物学、博物学に民俗学など非常に広範囲な領域の学問の発展に多大な功績を残した和歌山の偉人ですね。今言われる生物多様性の重要さを百年以上前から研究された大偉人です。
粘菌の研究をされた昭和天皇にご進講されたこともあり、後に昭和天皇は故人となった南方氏を偲び和歌を詠まれ、それが刻まれた記念碑は南方熊楠記念館にあります。その記念館に2017年、秋篠宮ご夫妻と悠仁さまが訪れています。
――2004年の第14回南方熊楠賞は、焼畑研究の方が受賞しているようですね。
Aさん:そうです。すでに故人ですが、熊本県の五木村を焼畑で有名にした焼畑研究の第一人者で、国立民族学博物館の元館長だった佐々木高明氏が受賞されました。なにかと秋篠宮家と縁は深い賞です。
ただ、南方熊楠賞というのは没後50周年記念事業として設立された民俗学・博物学の分野の賞で、かなりの功績を上げた研究者を対象に贈られるものですから、悠仁さまの若さで受賞ということはあり得ません。あるなら、それは異常事態です。
――こちらでは一応、お出かけになったものとして話を進めてきたわけですが、実は「熊本なんか行ってない」という見方も根強く、情報がとにかく不足しています。
Aさん:宮内庁からの発信がないことで齟齬が生じている、「発信します」という理由で広報室が出来たはずなのに、それも無し、週刊誌への反論も無し、長官会見も無し、次長は会見で何も答えない、これではますます一方的で閉鎖的な皇室になっていくことになりますね。国民との距離は広がる一方です。
九州行きが、単なるご家族旅行なら国民は何も言いません。しかし勝山市や小笠原のように、旅行先の出来事が次のご優秀伝説の布石とされるかもしれない上に、佳作を獲ったあのコンクールの北九州市にも近いです。
――ご優秀伝説にも疑惑が付いて回っていますからね。
Aさん:そもそも悠仁さまは、幼い頃から罰則付きの強い報道規制がかけられていて、出てくる情報は「ご優秀」ばかり。リアルな悠仁さまは全く見えてきません。虚ろな目で歩かれているのを見たら、皆さん「あれあれ?なんかおかしいぞ」となりますよ。
――本当に…。その後、ビオトープはどんな感じでしょうか。
Aさん:2017年頃からビオトープ作りに取り組まれているとのことですが、赤坂御用地そのものが大きなビオトープのようなもので、こまめな手入れで済むところを、田んぼのようにまたしても何かをわざわざ作ってあげたのでしょうか。
昨年の発表では「虫や植物など生息環境と生物多様性の保全」に取り組まれているそうですし、次のお誕生日ではビオトープを眺める悠仁さまが…なんてこと、あるかもしれませんね。
――はい、ありそうです。Aさん、今回もトンボの詳しいお話をありがとうございました。大変勉強になりました。ところで、小笠原諸島のアオウミガメは、東京大学が「海洋生物の知られざる生態を明らかにする」として、寄付を募りながら研究を進めているバイオロギングの大きな題材であるようです。

甲羅に送信機やセンサーなどを装着し、行動を記録するそうで、こちらもちょっと気になっています。機会がありましたら、そのバイオロギングに関してもお話を伺えますでしょうか。是非よろしくお願い致します。
(聞き手:朝比奈ゆかり/エトセトラ)
画像および参考:
・『BIOME』小笠原諸島の自然生態系を脅かすグリーンアノールとセイヨウミツバチ
・『国立科博専報』皇居のトンボ類 ― 須田真一・清 拓哉
・『東京都レッドデータバンク』(1)トンボ 選定・評価方法の概要
・『YouTube』動画チャンネル環境省COOL CHOICE ― 熊本でベニトンボが発生! ~みんな知らない熊本の異変~|COOL CHOICE:熊本県
・『産経新聞』秋篠宮ご夫妻と悠仁さま、熱心にご質問…和歌山・白浜の南方熊楠記念館をご訪問
・『朝日新聞DIGITAL』トマトに音楽、効果は? 高校生の質問に南方熊楠賞の東大教授が回答
・『東京大学基金』バイオロギング支援基金