美しきトンボをめぐる人の欲… すべての道は東大農学部に通ず? ― それは自身の努力で切り拓いてこそ《前編》

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美しい青い色が特徴のトンボ、最速で飛ぶマルタンヤンマのオス(画像は『国立科博専報』のスクリーンショット)
美しい青い色が特徴のトンボ、最速で飛ぶマルタンヤンマのオス(画像は『国立科博専報』のスクリーンショット)

授賞式に参加するなど、秋篠宮さまが長きにわたり関わってきた「日本学生科学賞」。そこに今年、長男・悠仁さまが何らかの研究論文を提出して賞を獲り、東大、京大、あるいは筑波大学への推薦合格に王手をかけるのでは…と噂されている件。極秘だったという九州旅行がメディアにより明らかにされ、今や研究テーマの候補は焼き畑や民俗学にまで広がりを見せているが、筆者には「本当にお好きなのは、やはり生き物では?」という気持ちがある。

そこでトンボや赤坂御用地や皇居の生物多様性の調査について、これまで『「日本学生科学賞」応募まで半年を切った悠仁さま 新研究の協力者は? テーマは本当にトンボ?』、そして『悠仁さまの「トンボ研究で東大推薦」報道の陰で置き去りにされ泣いていた「別の教え子たち」の存在』の2つの記事でご協力いただいた “Aさん” に、改めてお話を伺ってみた。



 

――このたびもAさん、よろしくお願いいたします。今回の極秘九州旅行で、新たに悠仁さまが焼畑や民俗学の研究かと話題になっていますが、やはりトンボが気になってしまいます。「粘土工作のトンボはマルタンヤンマでは?」とTwitterで声を掛けて下さる方もいて、珍しい美しいトンボはやはり特別な魅力があるのではないかと…。Aさん、いかが思われますか?

Aさん:あくまでも私個人の考えですが、悠仁さまはトンボの線を諦めていないと思います。幼少の頃からあれだけトンボ、トンボと推し進めてきたのに、国民に手口がバレたからと諦めるとは思えないですね。

それに、昨年の紀子さまの誕生日会見でも「虫や植物などの生息環境と、生物多様性の保全に関心を広げている」というワードが出てきましたからね。

 

――トンボ、焼畑、民俗学を広く浅く、あちこちに論文を発表すれば、ひとつくらい賞を獲れるのでは、なんて言う人もいます。

Aさん:父親である秋篠宮さまもナマズ研究が有名でしたが、タイ国で得られた多くの名誉博士号は実はニワトリですから、研究は一つとは限りません。東大など難関大学への進学はあくまでも通過点であって、ご優秀伝説の最終目標は「研究者として名を残すこと」だろうと私は思ってます。初めてのゴルフでホールインワン、なんてことがあるかもしれませんしね(笑)

 

――幼い頃に工作の作品として発表された超リアルなトンボたち。いつどこで捕まえた、何という種類かわかりますか?

Aさん:青いほうのトンボは、私もマルタンヤンマを模したものだと思います。特徴的なコバルトブルーを上手く表現しているなと。

美しい青い色が特徴のトンボ、最速で飛ぶマルタンヤンマのオス(画像は『国立科博専報』のスクリーンショット)
美しい青い色が特徴のトンボ、最速で飛ぶマルタンヤンマのオス(画像は『国立科博専報』のスクリーンショット)

マルタンヤンマは、2009年から2012年に皇居で調査が行われ、2014年の『皇 居 の ト ン ボ 類』という題の国立科博専報で、「新たに確認された」と発表された6種のうちの1種ですね。96年から99年の調査では8科27種だったトンボの確認は、その調査で8科33種となりました。

令和元年の会見で、長男の悠仁さまの「トンボ新発見」について語った秋篠宮さま(画像は『宮内庁』HPのスクリーンショット)
令和元年の会見で、長男の悠仁さまの「トンボ新発見」について語った秋篠宮さま(画像は『宮内庁』HPのスクリーンショット)

 

マルタンヤンマは、知名度としてはオニヤンマに敵いませんが、圧倒的スピードで、日本にいるトンボでは最速とされているんです。特に成熟したオスの美しいコバルトブルーの目はトンボ愛好家に大変な人気があって、少年でも憧れる種でしょうね。地方でも確認できる場所はもう限られていて、東京の都心ではまずお目にかかれないように思います。

それから粘土工作の緑っぽいほうがギンヤンマでしょうか。黄緑のカラーが美しくて、こちらも最速グループです。枝の先端にいるのは、よく見えないのでわかりませんが…。

 

――ツバメのように素早く飛ぶトンボがいますが、ああいう種類なんですか。まず捕まえられないような気がしますが。

Aさん:そうですね。昆虫界最速と言われるマルタンヤンマやギンヤンマは、時速60〜70km、瞬間的には時速100kmを出せるという説もあります。マルタンヤンマはオニヤンマよりは小さいですし、探していても目視すら難しいかもしれません。

 

――悠仁さまは7才の時の宮内庁職員文化祭に、昆虫標本を出展されていましたが…。

Aさん:夏休みに皇居で採集したトンボやチョウ、とのことでしたね。マルタンヤンマと自筆で書かれていた標本もありましたし、やはりお好きなのでしょう。そして、赤坂御用地での「これまで発見されなかった新種を悠仁さまが発見」という話題。あの一種はマルタンヤンマだと思います。

前回もお話したのですが、黄昏飛翔を調査していなければ、彼らはなかなか発見しにくい種類です。早朝や夕方の薄暗い時間、主に18時過ぎから19時まで、捕食のため地上数メートルから10メートルほどの高い位置を止まることなく高速で飛ぶんですよ。

 

――最速かつ止まることなく飛翔では、とても捕獲など難しいのでは…?

Aさん:マルタンヤンマは日中、地上2~3メートルの高さの枝枝に止まって休んでいるようですから、その時でしょうね。でも決して容易ではありません。前出の皇居調査でも、マルタンヤンマの個体数はわずかしか確認されていないとあります。

 

――相手は複眼のトンボです。どのように捕まえるんですか?

Aさん:速いほど飛翔時の捕獲難易度が高くなるトンボですから、のんびり網を構えて待っていても、当然スッと避けていきます。網を下げておき、ヤンマを捉えることができる距離になったら、死角となる斜め後方から瞬時に網を振り、捕まえたら逃げられないよう網をくるっと畳むように巻いて。

時間によっては低い茂みに居ることもあるとのことですが、とにかく見つけにくく、茂みを掻き分け不用意に近づいたりして、結局は高い位置に逃げられてしまいます。

 

――悠仁さまの7歳のお誕生日の映像を拝見しましたが、あのテクニックでは正直無理なのでは…?

Aさん:皇居調査の翌年に悠仁さまがマルタンヤンマを捕まえたとのことですが、個体数は少なく見つけ難い、捉え難い。一年で爆発的に増えたとも思えず、また高い位置に止まっているトンボは、手と網の長さを考慮しても捕獲しにくいです。

 

――そうなると、「本当に悠仁さまが捕まえたの?」とまたしても騒がれそうな気がしますが…。

Aさん:宮内庁職員展の上手すぎる切り絵、粘土細工、信号、ジオラマなどは、とても一人で完成させたとは思えない出来ですし、立派な盆栽もコケを貼っただけで「悠仁さまが作った」と報道されていましたから。あれは庭園課大道庭園の作ですよね。

 

――まさかとは思いますが、「大人がマルタンヤンマを捕まえやすい状況を作ってあげた」ということは考えられますか?

Aさん:予め誰かが捕まえたマルタンヤンマを、悠仁さまが届きそうなところにそっと置いておく、「接待虫採り」というのは考えすぎでしょうか(笑)。子供を喜ばせたいときにする、単純な仕込みではあります。

あれだけ綺麗なトンボを自力で捕まえたとなったら、子供はテンション上がって「トンボ大好き。もっと捕まえたい」となるでしょう。確かその年の8月には福井県の勝山市に旅行し、湿地や森そしてキャンプ場で思う存分ヤンマを追いかけたようですから、トンボ熱は最高潮だったでしょうね。


 

――そもそも昆虫の標本づくりは、子供はもちろん、知識のない大人でもできないですよね。

Aさん:はい。標本作りには薬品も使いますから、大人の手が入っているのは間違いないです。それがお手伝い程度なのか、何から何までやってあげてしまうのか…。

一部手伝った、もしくは他人が全て作った作品であっても、宮内庁職員作品展に「悠仁さま作」として出展するだけならまだ良し、です。問題は、北九州市こどもノンフィクション文学賞のように、難関校への進学が目的で外部をも巻き込んで何かの賞を獲ろうとすること。

 

――盗用が発覚しても「ご指摘に感謝」とのパワーワードを残し、佳作賞も図書券5万円の副賞も返上しなかったですね。

Aさん:作文コンクールで不正がバレてしまい、実際に賞を取り消された例が過去にいくつかあります。副賞の返還も当然なんです。海外のメディアにも「主催者が皇族を相手に賞を返してほしいと言えるわけがない。悠仁さまは自ら返上を」とまで書かれてしまって。

やり過ぎれば当然批判が起きるわけですが、あの宮家は国民に何がバレようとも力技で貫いてきました。並の精神力の私には到底理解できません。

 

――皇族は国民と争うことをなさらない、むしろ避けると聞きました。

Aさん:ところがあの宮家の場合、たとえば次姉の佳子さまのフィギュアスケート大会では、他の優秀な選手が出場しないよう大会の応募者を制限したという話があります。北九州市の作文コンクールも、悠仁さまが応募した年だけ応募者が激減していましたね。「仕込み」が大掛かり過ぎて呆れてしまいました。

 

――さきほどのトンボの捕獲についてですが、そんなに難しいヤンマを、悠仁さまはなぜ捕まえることができたのか…。

Aさん:ひとつ気がかりなのは、放虫という問題があることです。先の調査を行ったお一人が、当時、東京大学大学院農学生命科学研究科におられた須田真一さんですが、他のモニタリング調査において、「トンボやチョウなどで人為的放虫が行われているが、厳に慎むべし」と苦言を呈されています。

皇居のトンボ類を調査し発表された須田真一さんは、放虫を厳に慎むよう警告するおひとりだ(画像は『国立科博専報』のスクリーンショット)
皇居のトンボ類を調査し、発表されたメンバーのおひとりが須田真一先生(画像は『国立科博専報』のスクリーンショット)

 

――トンボ研究の世界におけるルール違反ということでしょうか?

Aさん:行政などが行うモニタリング調査では、実は人が意図的に放つ「放虫」という行為が多く確認されているようです。外国由来と限定せず、本来その場に居ない生き物を外来種として、トンボだとヤンマやイトトンボ類ですね。

近年の調査では人為的な放虫と判断される事例が存在するとのこと。研究者は「厳に慎むべき」と警告している(画像は『東京都レッドデータバンク』のスクリーンショット)
近年の調査では人為的な放虫と判断される事例が存在するとのこと。須田先生は「厳に慎むべき」と警告している(画像は『東京都レッドデータバンク』のスクリーンショット)

 

皇居調査に関する国立科博専報においても、ベニイトトンボの調査で「放虫」というワードが出てきますが、長期の確認と立ち入りが制限された場所、近隣でも確認されていることを理由に否定されました。

マルタンヤンマは、その前の調査でヤゴが確認されたため、皇居においては放虫を疑われなかったようです。

 

――たとえばNHKの『ダーウィンが来た!』も関わっている、ウスバキトンボの全国調査。あれは大人から子供まで全国の皆さんが楽しみながら調査をおこなっているようですが、そこで誰かが行った「放虫」が発覚したりすると…?

Aさん:せっかくの調査も信ぴょう性が奪われ、すべてを台無しにします。倫理的にもですが、放虫はその地の生態系を破壊するため、絶対にやめてほしいのです。皇族の周辺でまさかそんなことが…とは思いますが、ルール無視の「ご指摘に感謝」ですからね。あれで私のなかの皇族に対する印象は変わってしまいました(笑)。ご優秀伝説のためなら、何でもしてしまうのかなと…。

 

――そういえば、ウスバキトンボの調査研究では、水を含ませたティッシュペーパーと共にタッパーに入れておくとか、少し口を開けたジップロックの袋に羽をバタバタさせないようにして入れておくとか、できるだけトンボを生かしておく方法があることを初めて知りました。

Aさん:撮影時に、一時的にトンボを冷蔵庫などで冷やしておく手法もありますよ。変温動物なので、動かなくなるんです。自然の中で「映える」写真を撮るために行われることがあるんです。私はこういうやり方も、安易に行われてしまう標本も好きではありません。トンボは飛んでいる姿が最も美しいと思いますから。

 

――こうなると、やはり誰か専門家が悠仁さまの研究や論文の執筆に手を貸しておられる気がしてならないです。仮にそうだとしたら、どんなことを感じますか?

Aさん:こっそり手を貸している研究者がいるのなら、直ちにそれをやめて欲しいと思います。調査費捻出のため、研究者としての地位向上のため、または本の出版のため、研究者としてのご自身を売るような行為です。

 

――よその高校生さんたちは個人かグループで、あるいは学校の先生と共同で、トンボの研究を続けているわけですからね。

Aさん:未来の研究者となる現在の「トンボ少年たち」のやる気を削いでしまいます。トンボ研究全体への冒涜です。これは他の研究分野においても同様ですし、そういう世界かと思われてしまうのは間接的な損失だと思います。皇族に美味しい餌をぶら下げられたり「俺を誰だと思ってるんだ」と恫喝されたりで、研究を売ることは、もういい加減やめましょう。昭和の時代ではないので、いつか必ず白日の下に晒されますから。

 

――それに、1度でも剽窃行為で評価を落としてしまったことは、悠仁さまが研究者を目指す上で大きな痛手となっていると思います。「大丈夫よ、あなたは将来の天皇なんだから」という考え方には無理がありますね。

Aさん:不正行為を「正」として堂々と押し通すおつもりなら、同年代の子供達にくすぶっている悠仁さま不信を、さらに煽ることになると思います。それは悠仁さまのためにも絶対に良いことではありません。ご優秀伝説で飾らず、ありのままの16歳、一高校生として居させてあげてほしいです。

ちょうどフジテレビの『坂上どうぶつ王国』で、日本一の動物好き高校生たちを取り上げていました。宮崎県の高校2年生の少年は子供の頃にサメのかっこよさにハマり、骨格標本まで自作しているそうで、中学生の時に、なんと大学院生との共同研究にも参加していたんですよ。将来の夢はサメの研究者とのこと。もちろん納得ですよね。本当にその道の研究に興味がある、少年少女に大学の門戸は開かれるべきです。

 

――Aさん、色々とお話いただき、ありがとうございました。次回は長野県、小笠原、熊本県、和歌山県にまで範囲を広げ、またトンボ研究に関するお話を伺いたいと考えております。よろしくお願いいたします。

(聞き手:朝比奈ゆかり/エトセトラ)



画像および参考:
『国立科博専報』皇居のトンボ類 ― 須田真一・清 拓哉

『東京都レッドデータバンク』(1)トンボ 選定・評価方法の概要

『エトセトラ・ジャパン』「日本学生科学賞」応募まで半年を切った悠仁さま 新研究の協力者は? テーマは本当にトンボで大丈夫?

『悠仁さまの「トンボ研究で東大推薦」報道の陰に置き去りにされ泣いていた「別の教え子たち」』