まさに『PINGU』の世界! ペンギンたちは会話していることが判明

スイス生まれで世界の子供たちに愛されてきたクレイ・アニメの『ピングー』。そして2008年から149ものエピソードが放映されたCGアニメの『ザ・ペンギンズ from マダガスカル』。お喋りが好きなペンギンたちがコミカルに描かれている何とも楽しく愛らしい世界だ。これがもしも本当のことだとしたら…!?
このほど、フランスのリヨン大学およびサンテティエンヌ大学のニューロエソロジー・神経行動学の研究者たちが、共同でイギリスの生物学的科学雑誌『Biology Letters』にペンギンに関する興味深い研究結果を発表した。人間と同様ペンギンも彼ら独特の言葉を持ち、それで相互のコミュニケーションを図っていることがわかったというのだ。
研究は2016年と2017年のペンギンの繁殖期間中に、イタリアの動物園の3コロニーに属する28頭のアフリカペンギンを対象に行われた。左右の腕(翼)を高く掲げ、ふんぞり返って大きな口を開けながら発声することがあるペンギン。その時に記録された590パターンの音声を分析し、その後の群れの行動と結びつけていくことに成功したという。
頻繁に使用される言葉は簡潔で短いものばかりで、ほとんどの用事がそれで済んでいるとのこと。時には音節がより長くなり複雑な発声がみられ、するとその後の群れの行動にいつもとは違う変化が現れるという。ヒト以外で言語を使う生き物としては霊長類やカラスが挙げられるが、ここにペンギンも仲間入りすることになったようだ。
確かに親ペンギンが何やら喋っていると、子供ペンギンたちはそれをじっと見つめ、聞き入っているように見える。その様子こそが『ピングー』や『ザ・ペンギンズ from マダガスカル』のような面白い作品を生んだのだろう。南アフリカ共和国のケープタウンで半島めぐりをすると、必ずと言ってよいほどペンギンコロニーに連れていってもらえる。アフリカペンギンたちは絶滅危惧種にも指定されているそうだ。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
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