小室佳代さん公金不正受給問題の「検察審査会」 もし補助弁護士が不在なら「付けて」と必ず要請を

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処分通知書が届いたことを報告される篠原常一郎さん(画像は『YouTube』のスクリーンショット)
処分通知書が届いたことを報告される篠原常一郎さん(画像は『YouTube』のスクリーンショット)

2021年12月、遺族年金や傷病手当という公金詐取の疑惑があるとして、ジャーナリストの篠原常一郎氏に2度目の告発をされた小室圭さんの母・佳代さん。その時の動画の再生回数は、驚くことに32万回を突破。あれから1年数ヶ月が過ぎ、このほど東京地検の検察官・松居 新氏は「不起訴処分」と決定した。「英国王戴冠式には秋篠宮ご夫妻がご出席」と報じる絶妙のタイミングで、だ。

そして、3月31日付の動画『【緊急配信】KK母 不起訴決定』で、篠原氏は不起訴の理由が何ら記されていない「処分通知書」を公開。4月中には検察審査会への不服申し立てを行う旨、最新の動画でもお話をされていた。がぜん注目が集まっている「検察審査会」と、そこで最も気を付けるべき注意点とは…?



 

◆審査員は昨年10月までに400人が選ばれている

その審査員は、18歳以上の選挙権を持つ国民からクジで選ばれる。裁判所からの依頼となり、「参加に支障があるか」を確認する質問票に回答し、不可能と判断された人を除いた400人が最終的に審査員の候補者として選ばれ、それぞれの検察審査会に11名体制で臨む。

 1c5da8185fc44bc1556c36d5867c75ab.jpg 2023年4月14日 39 KB 575 x 306 ピクセル 画像を編集 完全に削除する
すでに候補者は400名選ばれている。その方たちは国内の社会問題や事件に、しっかりと目を向けていることだろう(画像は『検察審査会制度Q&A』のスクリーンショット)

 

各人の任期は6カ月間で、2023年度の候補者は昨年10月15日までに選ばれている。どなたも国内の社会問題や事件に高い関心をお持ちになるというので、計2,000万円を軽く超えるともいわれる小室佳代さんの遺族年金や傷病者手当の不正受給疑惑に関しても、たくさんの情報を集めていらっしゃると思う。

小室佳代さんは、軽井沢で偽名を使っていた(画像は『NEWSポストセブン』のスクリーンショット)
小室佳代さんは、軽井沢で偽名を使っていた(画像は『NEWSポストセブン』のスクリーンショット)

 

◆検察審査会は被害者を泣き寝入りから救ってきた

審査員候補者に選ばれた皆様が、強く意識することになる検察審査会の持つ大きな意義を、YouTuberの水面ニュースさんがわかりやすく解説しておられた。『KK母不起訴処分!! だが話は終わってないぞ 篠原さん検察審査会へ不服申し立てへ!!』、さらに『KK母、強制起訴の可能性 一般市民目線の検察審査会は十分期待が持てる!!』という2本の動画から、ちょっと画像をお借りしてみた。

検察審査会を経て、強制起訴が叶った重大事件3つ(画像は『YouTube』のスクリーンショット)
検察審査会を経て、強制起訴が叶った重大な事例3つ(画像は『YouTube/水面ニュース』のスクリーンショット)

JR福知山線脱線事故、福島第一原発事故、尖閣諸島C国漁船衝突事故など、一大権力が「うやむやにできないだろうか」と考えがちな、国家もからむ重大事故。ところが国民から選ばれた11名の審査員は、検察審査会で「刑事上、不起訴はオカシイ。起訴してきちんと裁判を」との議決に至った。これこそが、被害者を泣き寝入りから救う第一歩となるのだ。

 

こちらも、検察審査会が国民目線で「強制起訴を」と求めた事例だ。

身内に甘い不起訴処分も、国民から選ばれた検察審査員が「強制起訴を」と議決(画像は『YouTube/水面ニュース』のスクリーンショット)
身内に甘い不起訴処分も、国民から選ばれた検察審査員が「強制起訴を」と議決(画像は『YouTube/水面ニュース』のスクリーンショット)

東京高等検察庁の元検事長による賭けマージャン事件が、驚きの不起訴処分になった件。国民が「身内に甘い」と批判した通り、検察の判断は見事に覆されたという。



 

◆検察審査員11名のうち8名が「起訴すべき」と判断すれば

検察審査会の3通りの議決(1)(2)(3)について。これは11名中何名が「起訴するべきだ」と考えるかで決まる。

不服申し立てをする以上、狙うべきは(1)だという(画像は『YouTube/水面ニュース』のスクリーンショット)
不服申し立てをする以上、狙うべきは(1)だという(画像は『YouTube/水面ニュース』のスクリーンショット)

 

起訴相当:起訴するべき=赤(1)
(11名中8名以上)

 

不起訴不当:不起訴はオカシイ=赤(2)
(11名中6名か7名)

 

不起訴相当:不起訴は正しい=青(3)
(11名中5名以下)

(1)(2)なら再捜査が始まるが、(3)の不起訴相当なら小室佳代さんの嫌疑は晴れる。そして(2)の場合、再捜査の末に再び不起訴処分が下れば、そこで終了だ。そのため、不服申し立てをする以上、理想は強制起訴につながる(1)の「起訴相当」に持ち込むことだという。

 

◆不起訴処分を覆せなかった「詩織さん」事件

フリージャーナリストで映像作家の伊藤詩織さんが、元TBS記者の山口敬之氏からのレイプ被害を訴えた件。彼女が自分自身について、20代の若さで50以上の国々に渡り、特に南米ではゲリラやコカイン・ジャングルを取材したと謳っていることにはやや首をかしげたくなるが、とりあえずここでは、民事と刑事で判断が分かれたことだけに注目していただきたい。

東京地検から不起訴処分を告げられた詩織さんは、不服申し立てを行い、2017年9月に検察審査会が行われた。しかし不起訴相当という結果に。山口氏は刑事上は無罪放免となり、国民は「検察審査会の審査は適正に行われたのか。安倍元首相と友人の関係だったからではないか」と驚いた。

そこで、「健全な法治国家のために声をあげる市民の会(八木啓代代表)」が詩織さんに代わって情報開示請求を行い、東京第六検察審査会は一部文書を開示。これを日刊ゲンダイなどが報じていた。

八木氏は、普通なら審査員に付くはずの「補助弁護士」がいないという異例の事態であったことに驚愕。さらに審査員選定の立会人となる検事と判事の名が黒塗りされるなど、おかしな点がいくつかあったとしている。

補助弁護士が不在で審査員は法律の論点をうまく理解できなかったようだ(画像は『日刊ゲンダイ』のスクリーンショット)
補助弁護士が不在で審査員は法律の論点をうまく理解できなかったようだ(画像は『日刊ゲンダイ』のスクリーンショット)

もしも検察審査会に、一般人にも理解できるよう法律を正しく解説してくれる補助弁護士がいない場合、それは正しい土俵での取り組みにはなっていないということ。きちんと「これはおかしい。補助弁護士を求める」と声を上げていただきたいと思う。

 

◆まとめ

小室佳代さんの公金不正受給疑惑について、国民の多くが「これは遺族年金不正受給の典型的なパターン」「証拠があるのに不起訴とは」と呆れ、怒っている一方、彼女が皇族の親族であるために、公務員の検察ではどうにも身動きが取れないとの見方もある。

検察審査会を経て強制起訴が決まり、有罪となれば国民も満足する。どうせ略式起訴(簡単な手続きで罰金の支払いなどを命じるだけ)になるだろうから、ダメージは大したことないだろう。

彼らはこんなことを想像し、この先の判断は国民から選ばれた審査員に託してしまえ、と考えたのかもしれない。気になったので、個人情報などの扱いを調べてみたところ、どのような議決になろうと審査員11名の情報は厳密に守られ、誰が何を語ったのかもすべて非公開だそうだ。

検察審査員は厳密に個人情報が守られ、議決書も非公開。逆恨みや脅しの不安はないという(画像は『検察審査会制度Q&A』のスクリーンショット)
検察審査員は厳密に個人情報が守られ、議決書も非公開。逆恨みや脅しの不安はないという(画像は『検察審査会制度Q&A』のスクリーンショット)

 

審査会に臨まれる皆様には、是非とも法治国家のあるべき姿を求め、誰の親族であろうとズルいこと、悪いことをしたら裁かれるべき、とのお気持ちで審査会に臨んでいただきたいと思う。

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)



画像および参考:
『日刊ゲンダイ』詩織さんの不服を却下 アベ友「不起訴」検察審査会の疑惑

『YouTube』水面ニュース ― KK母、強制起訴の可能性 一般市民目線の検察審査会は十分期待が持てる!!

『YouTube』水面ニュース ― KK母、強制起訴の可能性 一般市民目線の検察審査会は十分期待が持てる!!

『YouTube』古是三春_篠原常一郎 ― 【緊急配信】KK母 不起訴決定

『裁判所』検察審査会制度Q&A