デルタ株の感染拡大の恐れ… それでも“安心・安全な五輪”アピールを続ける日本 

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パンデミックはまだ終わっていないのに…(画像はイメージです)
パンデミックはまだ終わっていない(画像はイメージです)

「デルタ株」と呼ばれる新型コロナウイルスの変異株が、世界各地で急速に広がっている。そんな中、CDC(米疾病対策センター)は先日「デルタ株が広がり、感染者数も増加傾向にある」「ワクチン接種率が低い地域は感染拡大のおそれがある」と正式にコメント。同国・ミズーリ州では実際に状況が深刻化しつつあり、コロナ患者に使う人工呼吸器が不足する事態に直面した病院もあることを『New York Post』などが報じた。



ミズーリ州のある病院が、ここにきて再びコロナ患者の治療・対応に追われている。その原因につき、デルタ株の感染拡大、そして独立記念日を祝うべく多くの人々が集ったことが要因になった可能性があると報じられた。ちなみに同州スプリングフィールドにある2つの病院では、5月下旬にコロナ患者の激減を宣言。それが祝日を経て再び患者が激増し、うちひとつの病院では人工呼吸器が足りないという恐ろしい事態に陥ったというのだ。

だが幸いにもコロナ患者が搬送される直前に、別の病院に協力を依頼し機械を調達することに成功。間一髪で手配できたというのだが、このような状況に再び陥っていることに、現地の医療関係者や住民らからは不安の声があがっている。ちなみに米国ではワクチン接種が進み、ミズーリ州でも「少なくとも1回は接種した」とされるのは45%弱だ。それに比べ日本の接種率は低いが、それでも海外選手を迎え入れ、オリンピックに突き進もうとしている。

菅首相を含む関係者は安心、安全という言葉を連発し、「子供たちに夢や感動を伝える機会だ」という話もしたはずだ。だが子供や若者が感染するケース、その保護者や家族が感染するケース、それによって死者が出る可能性があってもなお、夢や感動を優先すべきなのか。

多くの人々が不安を抱え、その気持ちを明かし、中止・延期を求めてきた。それでもいったんオリンピックが始まればそれなりに盛り上がるのだろうが、その後に起こりうる事態を関係者はどれだけ真剣に考えているのか。

パンデミックの発生から、約1年半。「安心・安全」という言葉を使う関係者は、それらが今の多くの国民の心にまったく響いていないことを知っているはずだ。また国内の現状、そして海外のデータについても知らないわけはない。国民がどんなに不安を訴えようが、専門家が「ふつうはこのような状況下での五輪開催はない」と指摘しようが、それをスルーする。それが本当に正しいことなのか - 。

(Kayla星谷/エトセトラ)

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