ハートウォーミングな映画に涙したい 『ギルバート・グレイプ(原題:What’s Eating Gilbert Grape)』前半

『ギルバート・グレイプ(原題:What’s Eating Gilbert Grape)』 1994年日本公開
監督:ラッセ・ハルストレム
主演:ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイス
~ハートウォーミングな映画で涙してみたいアナタのために~
極度の肥満体ゆえ、ふさぎこんで一歩も外に出ようとしない母と、知的障害を抱えている弟、そして青年“ギルバート・グレイプ”。苦悩に満ちた一家の日常にスポットライトを当てた映画だが、彼らを決して見離すことなどできない優しいハートの持ち主であるゆえ、ジョニー・デップ演じるギルバートは大変な苦労屋であり、その表情は常に暗く、硬い。子役時代のレオナルド・ディカプリオが演じる知的障害の弟“アーニー”の、屈託ない笑顔と天真爛漫な言動が兄の気持ちを逆なでしてしまうことも多い中、ギルバートはボーイッシュかつチャーミングなベッキー(ジュリエット・ルイス)と出会い、恋に落ちる。それまで年上の人妻の情事のお相手をするしかなかったギルバートは、自由を愛し、おおらかで束縛やコントロールを嫌うベッキーにどうも素直な感情を見せることができない。ところが弟のアーニーは彼女とすんなり仲良くなる。この弟からギルバートが学んだ大事なことはたくさんありそうだ。
母親とともにトレーラーハウスに暮らし、時期が来たら移動を繰り返すというベッキーの自由気ままさに触れ、「僕も自由になりたい」と考えるようになるギルバートだが、彼は絶対にお荷物であるに違いない母と弟を見捨てることはしない。「もっと言うことを聞いてくれ。ちゃんとやってくれ」とアーニーを激しく叱り、引っ叩いて傷つけ、しかし我に返ると「ごめんよ」と言って弟を強く抱きしめて謝ることを繰り返している。アーニーの18歳のバースデーパーティにはベッキーも招待され、ギルバートは彼女を母ボニーに紹介し、超肥満体の自分を笑うことなくピュアな心で接してくれたベッキーを母親も気に入ったようだ。
ある時、突然外出を思い立ったボニー。帰宅するとどっぷりと疲れていた。心配してベッドサイドに集まった子供たちと愛あふれる温かい言葉を交わし、ボニーはその夜中に自然死を遂げたのであった。
動画:『YouTube』What’s Eating Gilbert Grape – Trailer
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(朝比奈ゆかり/エトセトラ)
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