無差別殺傷事件を起こした「インセル」な男 非モテと自閉症で絶望か カナダ

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彼が願っていたのは、ただひとつ、女性を抱きたいということだった。(画像はイメージです)
彼が願っていたのは、ただひとつ、女性を抱きたいということだった。(画像はイメージです)

2018年、カナダ・トロント市で起きた1件の無差別殺傷事件について裁判が開かれ、被告の男に有罪判決が下った。この事件で、世界的に有名になったのが「インセル」という言葉だった。インセルとは一体ナニなのか…。



英メディア『SKY NEWS』が伝えたところによると、事件は1台の車が故意に歩道に乗り上げ通行人を次々とはねたもので、10人が死亡、16人が重軽傷を負い病院に搬送されていた。

車を運転していたのは、ソフトウェア開発の仕事に就いているアレク・ミナシアンという28歳の男で、取り調べの末、第一級殺人、殺人未遂などの容疑で起訴された。犯行動機については「欲求不満からくる怒りを抑えきれなかった」と供述。100人以上を殺すことが目標だったと話したという。

欲求不満の原因として「自分が女性にモテないのは自閉症スペクトラムのせい」と漏らしたミナシアン容疑者。弁護人も一貫して「自閉症スペクトラムが彼の人生を狂わせている。当時も心神喪失の状態にあった」として無罪を主張してきた。

だが精神鑑定の結果は「道徳的な判断は可能。本人に犯罪との認識があり、法的責任を問える」というもので、ミナシアン被告には有罪判決が下った。

その法廷では、度々インセル(Incel)という聞き慣れない言葉が議論された。インボランタリー・セリバシー(Involuntary celibacy)の略だといい、強い性欲があるにもかかわらず、出会いがないため悶々としている、あるいは独身でいる苦痛な状態を指すという。日本の「非モテ」という表現に近いようだ。

ミナシアン被告は『INCELS.CO』というフォーラムに参加しており、「自分もインセルの一人。ずっと性行為をしたくてイライラしていた」と述べたという。フラストレーションにも様々な理由があるが、AVで発散できないほどの強い性欲もその一つになるとし、大爆発を起こした場合、とてつもない犯罪が起きることがあるなどと語ったという。



(朝比奈ゆかり/エトセトラ)