建設ラッシュで砂の地盤に手抜き工事 年々傾くマンションたち ブラジル

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地震がない国だからいいようなものの…。
地震がない国だからいいようなものの…。

ブラジルのサンパウロ州にある港湾都市サントス。ここのコーヒー取引市場は世界的に有名だ。また、あのペレさんや三浦知良さんも所属していた、サッカーの名門チーム「サントスFC」の本拠地でもある。ところが…。



サントス市が世界的に有名なのは、何もサッカーやコーヒーだけではない。実は何十年も前から、世界中の建築関係の専門家がこの土地に注目し、視察や調査を続けているというのだ。その理由は、なんとマンションの「傾き」。想像していた以上だと誰もが驚くそうだ。

数年ごとにここを訪れる専門家によれば、「年月の経過とともに、マンションの斜きはそれぞれ確実に増している」とのこと。完全に閉まらない窓やドアが住民をいらだたせ、各種配管の問題が生じている世帯も少なくない。にもかかわらず、この国は地震が起きないことから、当局は「大丈夫でしょう」と軽く言う。倒壊などの被害が報告されない限り、誰も腰を上げようとしない様子だ。

サントスの南東を向いた美しいビーチ沿いに乱立する、651棟もの中層~高層のマンションたち。サントス市のウォーターフロント・スカイライン事業は、1950~1960年代に急ピッチで建設が進んだ。

マンションが傾き出した理由は、地盤・基礎工事がずさんだった、建築の計画が粗末だった、使用した材料が粗悪だった、工事に欠陥があったなど様々挙げられているが、共通するのは、粘土層の上の厚みが約7メートルという堆積した砂の地盤に、無理やり立てたこと。海沿いのマンション街で起きる液状化現象の恐ろしさは、日本でも東日本大震災で大きな話題になっていた。

また、床にわずかでも傾斜があると、住んでいる人に自律神経や平衡感覚の乱れが生じ、これは健康被害として大きな問題になる。吐き気、めまい、耳の不調、頭痛ほかあらゆる体調不良の原因になるというのだ。そこで測量士が正しく計測したところ、肉眼ではわからないものの、なんと全棟が傾斜していることがわかった。

そんなマンションに暮らす住民たちは専門家の取材に対し、異口同音に「傾斜がひどいため家を売却して出たいが、価格を大幅に下げても売れない。売ろうとすればさらに値を叩かれる」「仕方なくここで暮らしているだけ。でも、なんとなく慣れる」などと話している。

「サントスのピサの斜塔」と呼ばれるほど傾斜がひどい60数棟に対しては、安全対策の補強工事も行われているが、ほとんどが刹那的な工事で、根本的な解決を目指し、大変な費用をかけて直立するまで修復されたのは、わずか2棟だそうだ。



画像:Vitalijus Slizys『YouTube』Leaning Buildings in Santos Brazil

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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