事故多発機ボーイング737MAXが再び空を飛ぶ ボディからその文字を消す航空会社も

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「乗りたくない」そう思う客を想定している航空会社も(こちらはかつての姿)
「乗りたくない」そう思う客を想定している航空会社も(こちらはかつての姿)

墜落事故を2度も起こし、2019年3月のエチオピア墜落事故を機に世界で運航停止となっていた、米ボーイング737第4世代の小型ジェット旅客機「737MAX」。その再評価で「安全」という結果を得られたことから、同機はいよいよ来週にも再び世界の空を飛ぶことになる。ところが…。



甚大なトラブルが多発し、墜落事故を2度も起こし346名を死なせたボーイング737MAX。操縦特性補助システム(MCAS)にそもそも欠陥があると指摘され、従来の737に比べて新型エンジンは大径でもある。より前方、より上方に搭載されたエンジンのせいで度々起きた機首上げトラブルは、工学的にも理論的にも納得のいくものだと解説された。

ボーイングはそのシステムやソフトウェアを改修し、今年になると欧州航空安全庁(EASA)主導で再評価に向けた調査が始まった。ただし世間からはボーイングの隠蔽体質にかなりの批判が集まっており、最終的な結論を出す米連邦航空局(FAA)との癒着も疑われ、「調査や評価に甘さがあってはならない」という声が多々あがっていた。

そんな中でついに「安全」のお墨付きを得たボーイング737MAXが、1年8か月再び空を飛ぶようになる。同機の操縦にあたるパイロットたちに対しては、改めて専門の訓練が行われるというが、顧客がそう簡単には同機の復活を歓迎しないと感じている航空会社は多いようだ。

機体から“Boeing737MAX”の文字を消してしまう、表示を新しく“Boeing737-8”に変える、シートポケットの安全のしおりから機種の名を抜くなどするところが出てきたことを『NEW YORK POST』が報じている。

たとえばアメリカン航空は12月29日からマイアミーニューヨーク線でMAXを復活させる予定だが、インターネットの予約システムなどには機材の名が表示されても、実際に搭乗した客にはわからないよう、シートポケット内の安全のしおりは別なものに替わるという。

「お客さんだって、737MAXには乗りたくない。避けたいに決まってる。」

そう客の気持ちを察しているのなら、無理して同機を使用しなければよいものを…という感じがしないでもない。だが納入した以上、飛ばして元を取りたいのは当然だ。また、負債を抱えたのはボーイングも同じ。こちらも必死で、2021年には世界の各航空会社を相手に、737MAX を200機以上納入したいと目論んでいるという。

ちなみに、同じような条件からフライトを1つ選ぶとなった時、筆者はウェブサイトで使用される機材を確かめることが多い。お勧めの一つが『Planefinder』だ。便名を入力すると使用される機材(aircraft)がすぐわかる。曜日ごとに機材が変わるような場合でも、下の方にスクロールすればそれが出てくる。このコロナ禍では、いつまた飛行機を利用するのか皆目見当がつかないが…。



画像:『DW』Boeing 737 Max setback as debris found in fuel tanks

(朝比奈ゆかり/エトセトラ)

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